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#七八 気分爽快
「カンパーイ!」
 姉キが缶ビールを高らかに掲げて言った。
「ったく何がカンパイだよ。俺らはウーロン茶だぜ」
「じゃあ飲むか?ビール」
「バアカ」
 言って俺はウーロン茶を一口飲んだ。
「さ、朝倉さん食べて。味付けは私のオリジナルだから」
「いただきます…」
 今日の鍋は鮭がメインの寄せ鍋だ。冷蔵庫の中にあった物を使ってつくった物とは思えないほど豪勢に出来ていた。
 朝倉は鍋から白菜を取って口に入れた。朝倉の反応が気になるのかその一部始終を見つめる姉キ。
「…おいしいです」
「そう、よかった~」
 本気で安堵する姉キ。
「あの、もしよければ味付け教えてもらえませんか?」
 朝倉が姉キのパンドラの箱を開けようとしている!
(あ~朝倉~!そんな事訊いたら何時間も語られるぞ!)
「簡単よ、昆布出汁に醤油を少し入れてそれに~~~よ」
 俺の危惧に反して姉キの説明はあっさり終わった…。
「へ~今度家でつくってみます」
「麻梨子ちゃんは料理するの?」
(おいおい…もう麻梨子ちゃんかよ…)
「うち、両親が海外に居る事が多いので…」
「じゃあ、ほぼ独り暮らし状態?」
「いえ妹がいますから…それに近所に姉夫婦住んでるので」
 少しの間姉キと朝倉の会話が続いた。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

「~~で、その時コイツ泣き出したのよ~」
「本当ですか?今からはまったく想像できないです…」
「ハハッ、コイツ小さい頃はほんっとに怖がりだったのよ」
「へ~」
 ぼけ~っと鍋を食しているとどうやら俺の事を言っている事に気付いた。俺の幼少の頃の暴露話だ…。
「意外なものね」
 朝倉が俺を見ながら言った。
「麻梨子ちゃんはコイツのどこを見て好きになったの?」
「え?」
「姉の目から見てコイツの良いところなんてないよ~。テニスくらいか?」
 不躾な姉キの質問に戸惑う朝倉。
「無視していーよ、酔っ払いの話なんか」
 朝倉を助けるために俺は言った。
「なにお~!誰が酔っ払いだ」
「十分酔ってんじゃん」
 狙い通りノッてきた姉キ。
 だが、
「全部です…」
「え!」
「え!」
「全部が好きです…」
 答えないだろうと思っていた朝倉の答えに俺と姉キは同時に驚いた!
「そ、そう…あんたモテるわね…」
 姉キは焦りながら俺に言った。
「朝倉…」
 俺も焦ったが、素直にうれしかった。
「さて、お鍋も誰かのおかげでほぼ片付いたし、おひらきにしようか」
 誰かってもちろん俺だ…念のため。
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