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#二四八 決意の時
「おじゃまします…」
 言って、俺は彼女の家に入った。
「先に渡しとこかな…ちょっと待っててね」
 俺をリビングに残し、彼女は行ってしまった。
 玄関には靴がなかったから舞衣はまだ帰ってきていないということだろう。しかしこうして朝倉の家に来てしまったという事はもう後戻りは出来ない…。その事を考えるとこの場から消えてしまいたくなった。
“ガチャッ”
「お待たせ…改めてだけど、受け取ってもらえる?」
 言って包みを差し出した朝倉。バレンタインのチョコだ。
「もちろんだよ…」
 一度貰えないかもしれないと思った分、余計嬉しく感じる。
 その包みを受け取った俺は、
「ごめん…」
「え!?」
 いたたまれなくなり、脈略無く言葉を発してしまった。
 突然この状況にまったく合わない言葉を発した俺に、朝倉が困惑の表情を浮かべた。
「ごめん…って?」
「いきなりごめん。…俺、今日…舞衣に言おうと思う、君との事を…」
 俺のその言葉を聞いた朝倉は少し沈黙した後、
「…そう…。大丈夫、私ももう覚悟は出来てるから」
「…朝倉」
「舞衣がね、昨日あなたにチョコを渡していいかって訊いて来たの…。多分あの子はもう私たちの事に気付いてるんだと思う…」
「だとしても、ちゃんと俺から言うよ。言わなきゃいけないと思うから…」
「うん」
 そう言ってくれた朝倉だが、総て納得して同意したわけではないだろう…。これから先の事を考えると完全に同意できるはずがないのだから…。
「とにかく、舞衣が帰ってくるまでに夕飯の用意しておくね」
「あぁ…手伝おうか?」
「大丈夫、手間は掛からないから」
「そうか…」
 何か動いていないと間が持たない。
「どうする?舞衣が帰ってくる前に二人で食べようか」
「いや、食べてる時に帰ってくるとちょっとタイミングが悪いから…」
「そうね。あの子が帰ってきたらすぐに出来るようにだけはしておくわ」
 言って台所で支度に入った朝倉。
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