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#二二 キャンプ・柊の過去
 昼食を終えて全員が食堂の前に立っている。
「まぁ、あんなものだろうな…」
「つーか、学食の方が美味いな」
 皆思い思いの感想を述べる。
「ね〜伴城君、そのカバン何?」
 久川がトモに訊ねた。
「おう、これか…」
(その形はまさか…!?)
 トモが肩から掛けているバッグの形を見た瞬間中身が何であるか判った。
「ラケットだー!」
(やっぱりそうか…)
 というより、それしか入れる物がないか…。
「ここってテニスコートもあるからさ、一応持って来たんだ」
(何が一応だ、何が!)
「そういえば柊君って、去年の総体で個人優勝したのよね?」
「え!!そうなの?すごーい」
「唯、あんた知らなかったの?」
「去年って、二年生の時に!?」
 女子達は勝手に盛り上がっている…。
「ねぇねぇ、私たちにテニス教えてよ〜」
「賛成〜」
(おいおい…)
「いいねぇ、ラケットは六本あるから皆で使いなよ」
「ありがとー伴城君」
 トモ!いらぬ事を!
「お前モテモテだな」
「豊。代わってやるよ」
「オレ、テニスなんてやった事ねーもん」
 そしてやむなくテニスコートへと移動した。
 平日とはいえ夏休みだからなのか?客の入りが多い。七面あるコートは一つしか残っていなかった。
 そこで俺とトモで軽く女子にテニスを教えてあげていた。
 しばらくすると俺達のところへ数人のグループがやってきた…。
「俺と勝負して、負けたらここ譲ってくんない?」
 その中の一人がおもむろに言ってきた。おそらくどこかの大学生だろう。一緒に居る女にいいところを見せようってとこか…。そんな事に関わりたくないのだが。
「いいっすよ」
 トモがその挑発に乗った!
「よし柊、軽くヒネってやれ!」
 やっぱり俺かよ…。受けたおまえがやれよ…。
 しかし女子たちをはじめ、豊たちもアイツらに腹を立てている様だ。
「しゃーねーな…」
 俺はラケットを持ってコートへ移動した。
「お、やってくれるか?悪いが負けても文句言うなよ」
 言って来た大学生はもう勝った気でいる。
「ワンゲームマッチでいいっすか?早く終わらせるために」
「あぁ、もちろんいいぜ」
 俺の提案に大学生は相変わらず余裕の表情でニヤニヤして答えた。
「ちょっとは手加減してやれよー」
 奴等の仲間が言う。
「お前からのサーブでいいや」
 言って大学生は俺にボールを投げてきた。
(やれやれ)
 二、三度ボールをバウンドさせ、俺はサーブの体勢に入った。
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