#二〇 キャンプ・出発
小学生の時の遠足の前夜、楽しみで楽しみで興奮して眠れなかった…。
今になってはそういう事はなくなったが、昨夜はキャンプの事を考えると、久しぶりにあの感覚で眠れなかった…。まだまだ俺も子供なんだな…。そんな事を思いながら駅へとむかった。
「おえ〜す」
内心はハイテンションなのだが、それを他の者に悟られたくないのでワザと気のない挨拶をした…。こういうところも俺はまだまだ子供だ…。
「おう、今日は遅れずに来たな!ちゃんと昨日の食材持って来たか?」
やっぱり発起人の佐久野豊は早いな。多分、あいつも俺と同じで興奮して眠れなかった部類だろう。
「悪いなー、昨日行けなくて…」
そう言ったのは伴城武士だ。
「そう思ってんなら、これ半分持ってくれ」
ここぞとばかりに、俺は昨日の荷物の半分をトモに差し出した。
「…おいおい、かなりの量だな!何するんだ?」
「そうよ、今晩何にするの?」
俺から荷物を受け取りながらトモが言うと、同調して、同じく昨日居なかった月島由実が訊いた。
「カレーよ」
答えたのはカレーの提案者、水野美夏。
「ま、お約束よね」
さらに乗ってきたのは相島法子。
「そうそう、昨日渡すの忘れてた」
言って、朝倉麻梨子が豊にレシートを手渡した。
「そっか、麻梨子がサイフ係だったね」
朝倉と並んでクラス最高の美女と謳われる細川優利香が言った。
「あと来てないのが…亜津と恩田と真矢に久川か」
豊が確認した瞬間、恩田正人が到着した。
「正人、おそーい」
細川が恩田に駆け寄る。細川は恩田と付き合っている。クラスで二分する二人の美人、朝倉と細川だが、誰もが知っている細川と恩田のカップル。だから自然とクラスの男は朝倉狙いになる…。
「豊、電車大丈夫か?」
「あっえーと、あと一五分くらいある…」
「かなり余裕の集合時間だったんだな」
俺がボヤいた。
「月島、真矢と久川に電話してくれ!俺は亜津に電話するから」
「OK」
豊と月島がナイスコンビプレイを見せる!つーか、さっさと付き合えよお前ら。ってかその前にもっと早く電話しろ!!
「亜津はもうすぐ来るらしい」
豊がホッとした表情で言う。一方。
「唯はそこまで来てて、香奈はもう次の駅で待ってるって」
月島が言った時に、亜津純一と真矢唯が同時に着いた。
「よーし、とりあえず全員揃ったな。行くぞ!!」
ようやく電車に乗り込んだ俺たち十人。
全員楽しみにしていたのか?自然とテンションが上がってきている。
次の駅で久川香奈も合流して一気にヒートアップする!
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