#二〇八 悶々と休憩
(何だ?)
俺はベッドの下で手に触れたそれを取り出し見てみた。
「うっ!」
何とそれは男性用のスキンだった!しかもハードケースに入った高級なやつ…。
(なんでこんな所に…)
おそらく夏に使ったものの残りがベッドの下に潜り込んでしまったていたのだろう…。それをボーっと眺めていると、次第に良からぬ感情が沸き上がってきた!
“ガチャ”
朝倉がコーヒーを持って部屋に戻って来た!持っていたスキンを慌ててポケットにしまってしまった!
「ケーキでも食べましょ、頭を使うときは甘いものが良いのよ」
「あぁ…」
俺はテーブルの上を片付けた。何とか気分を沈めようとしているが、先刻までテスト勉強というストレスに晒されていたため、なかなか抑えられない…。
「いただきまーす」
学校の帰りにコンビニで買って来たケーキを朝倉が一口口に入れた。
「食べないの?」
「あぁ、食べる」
ムラムラしながら俺もケーキを食べ始めた。
そうそう、朝倉が風邪を引いた翌日、さすがに学校を休んだ彼女だがその翌日には元気に登校した。その時朝倉は本当に人気者なんだという事を実感した。
あんな事があったのだから当然といえば当然なのかもしれないが、登校してきた朝倉を皆が心配していた。
その日に念願になっていた教室で朝倉と一緒に昼食を食べるというイベントを実行した。
やっぱり俺と朝倉の関係は既にクラスメートにばれていたのか?周りのリアクションは大してなかった…。
何かヒヤカシの類を受けると思っていたのだが、俺たちに気付いたクラスメートは皆何のリアクションも起こさなかった…。ちょっと寂しかった…。
それから弁当が終わる昨日まで三日間そのイベントを実行できた。
そのイベントの最終日になった昨日は伴城、豊、月島、水野も弁当を持参して一緒に皆で食った。
あの一時が凄く楽しくて、もう二度とこんな事が出来ないんだなぁという残念な思いと、もっと早くこうしたかったという気持ちを抱えながら、最高の昼食を摂る事が出来た。
「ズーっ…ふぅ~」
コーヒーが美味い…。ケーキを食べ終えコーヒーも飲み干し、再び一息ついた。
「コンビニのわりに結構美味かったな」
「いっぱい頭使ったからよ」
「疲れた時には甘いものをって言うもんな」
ようやく悶々とした気持ちも治まった。
「今日はほとんど数学しかやらなかったけど、明日の科目はいいの?」
朝倉が言った。どうやら休憩時間はこれで終了の様だ。
「数学がまったく自信ないからなぁ…明日は現国だっけ?」
「あと、現社と保体」
(保体…)
朝倉の「保体」でまた先刻の感情が沸々と蘇ってきた!保体…保健体育の言葉で欲情する俺って…。
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