#一一 衝撃の出逢い
「ただいま〜」
玄関から女性の声が聴こえた!
「やだっマイが帰ってきたわ!」
朝倉は慌てて乱れた制服を正した。
俺も急いで何もなかった様に体制を整えた!
「あ〜お腹空いた〜」
間一髪で朝倉の妹がリビングに入って来た。
朝倉は既に制服のボタンを留め直し、妹を出迎えている。俺は気まずいのでテレビを観て目を合わすまいとしていた。
「おかえり舞衣。ちょっとお客さんが来てるの…」
「玄関に男物の靴があったけど…、なになに?もしかしてカレシ?
俺の背後で二人の会話が聴こえる…。
「カ、カレシってほどの人じゃないのよ…」
おそらく俺への気遣いでそう言ったのだろう…。
「ふ〜ん」
何も言わないのもまずいと思い、俺は挨拶しようと振り返った。
「あ〜!!」
先に声を上げたのは妹の方だ!
「あなた!」
「?」
その二言目で俺は妹の顔を見た。瞬間、
「あ〜〜!!」
俺も声を上げてしまった!
朝倉は互いに驚きあっている二人を見てビックリしながら、
「あなた達、知り合いなの?」
と問いかけたが、それは俺になのか妹になのか判らない。おそらく両方に言ったのだろう。
「今日、学校の下駄箱でぶつかったのよ」
妹の言葉で朝倉は“ハッ”とした表情をした。
「すっごい偶然!まさかお姉ちゃんのカレシだったなんて、びっくりしたー。さっきは本当にすいませんでした…」
再度頭を下げる妹。
「いや、本当に気にしなくていいよ…」
ビックリしたのはこちらの方だ。一目惚れした相手がまさか朝倉の妹だったとは…。
しかし今の状態では一目惚れの相手に再会出来た事を喜べない…。
今の妹の言葉で朝倉も気付いただろう…。直ぐに朝倉に説明しなくてはならない。
「んー、じゃあ、あの映画、また今度観せてよ」
突然の俺の言葉に何の事か解からずポカーンとしている朝倉。そんな朝倉に俺は軽く合図した。
すると朝倉は“アッ”という表情をした。おそらく俺の意図を理解してくれたはずだ。
「舞衣、悪いんだけどこんなに早く帰ってくるなんて思わなかったから、お昼まだ用意してないのよ…だからカップ麺でも食べて」
「う、うん…分かった…」
そう言うと朝倉は俺の方を向いて、
「そう言わないで、今日観て行って。せっかく来てくれたんだかし…ねっ!?」
俺の意図を理解していた様で、朝倉は俺に言った。
「舞衣、私たち地下に居るから何か用があったらフォンで」
「ハ〜イ、ゆっくり楽しんでね〜」
台所に移動した妹がこっちを見ずに答えた。
「行きましょ」
言って、俺の手を取ってリビングを出た。
一階からの階段を下りながら、本当に朝倉の家は凄いと思った。
地下室に入ると朝倉はエアコンのスイッチを入れ、ドアに鍵をかけた。
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