#一一八 封筒の真相
「いらっしゃいませ、メニューをどうぞ」
慣れた手つきでウエイターがメニューを置いていった。
朝倉に連れられて一軒のレストランに入った。
看板にはファミリーレストランと書いてあったが、結構高級そうな店構えに俺は内心ビビっている…。
「ここって、高いんじゃ…」
小声で朝倉に言った。
「え!そんな事ないわよ。見た目は高そうだけど値段は他とそんなに変わらないわよ。昔ここのチェーン店に家族で来たもの」
言って、メニューを開く朝倉。
「あ、本当だ…」
値段を見てホッとした俺…。しかし、俺ってつくづく小市民だと実感した…。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
しばらくフロルドのライブの話しで盛り上がっていると、注文した料理が運ばれてきた。
「じゃ、いただきます」
言って俺はステーキにナイフを入れた。
それを見て朝倉も自分のハンバーグを一口大に切り分けた。
ちなみに、俺がステーキセット、彼女はレディースハンバーグセットを注文した。
とりあえず食事が一段落したのを見計らって昨日の事を訊いてみようと思い口を開いた。
「あ…」
「昨日の事…」
俺が言うより先に、朝倉が先に言った!
「え!?」
「昨日の事なんだけど…」
「な、なんだった?」
俺は緊張した!
「それが、舞衣も心当たりがないって…」
「え?どういう事?イタズラ?」
「んー、でもなさそうなのよ…」
どうにも要領を得ない朝倉の言葉だが、俺は少し安堵感を覚えた。
「あの中、見た?」
「うん…でもイタズラでもなさそうなの…女優として、我がプロダクションにお越しくださいって内容で、連絡先が書いてあったの…」
「じゃあやっぱりスカウトだったんだ。過去にオーディションとか受けてたって事か?」
「ううん、そんなの受けてないはずよ…たぶん」
「じゃあ、なんであんなのが…?」
「さぁ?気味が悪いから舞衣は無視するつもりみたい。私もその方が良いかなって」
「そうか…」
もしかしたら、舞衣が芸能人になるかも!という危惧から少しばかりの安堵へと変わり、今度は何故あの封筒が舞衣に来たのか?という謎へと推移した。
しかしいくら考えてもその答えなど出るはずが無い。本人、舞衣にすら解からないというのに。
残りの料理に手を付けようとした時、閃いた!
「もしかしたら…」
「心当たりがあるの!?」
俺の言葉に瞬時に反応した朝倉。
「まぁ…ね」
言葉を濁す俺に“焦らさずに早く言って!”という表情をする朝倉…。
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