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#九 昼食
「どうしたの?」
 いつもと違う俺を瞬時に見抜いてくれた朝倉が声を掛けてくれる。
「ん?あぁ…」
 そんな彼女の言葉に俺はうわ言で答えた。
「大丈夫なの?」
「あぁ」
 その後の会話はまったく覚えていない…。
 あの子と会えた昂奮と何も話すことが出来なかった後悔でほとんど放心状態だった…。
 しばらくして、
「…ぇ。ねぇ! ね〜え!!」
「!!ウッ」
 度重なる朝倉の呼びかけでようやく意識した!
「ねぇ?さっきからなんか変よ?」
「ごめん、ぼーっとしてた…」
「本当に大丈夫なの?」
「あぁ」
「さ、着いたわよ」
 朝倉に促がされて見た先にあったのは朝倉の家だった!
「あれ!?なんで?」
 俺が訊ねると、彼女は少し怒りながら、
「もう!やっぱり適当に返事してたのね!今日はお昼、私が作るって言ったら、柊君『うん』って言ったのよ…」
 語尾の方はややトーンダウンしていた。
 無意識のうちにそんな約束をしていたのか…。
「ごめん…まだ作ってくれるなら、改めてお願いするよ」
 俺がそう言うと朝倉はニッコリと頷いて、
「もちろんよ!」
 言った。やっぱり朝倉は笑顔が一番だ。
「ただいま〜」
 朝倉の後に続いて家に上がった。
「お、おじゃまします…」
 ついに朝倉の家に来てしまった・・・。
「クスッ、そんなに緊張しないで、今、家には誰も居ないから」
 その一言で楽になった。ゲンキンな奴だな俺は…。
「どうぞ…」
 俺はリビングに通された。そこは屋根まで吹き抜けになっていて自然の光が差し込んでいた。広さもかなりのもので、リビング内には大きなソファーにテレビ、ステレオコンポ。奥には食事用のテーブルとイスが置いてあった。
「適当に座って」
 俺はテレビの前のソファーに座った…。すると“プッ”と目の前のプラズマテレビが点いた!
「ハイ、適当に観てて」
 そう言って朝倉がテレビのリモコンを差し出してくれた。
「ありがとう…」
「何食べたい?」
「んー、じゃあ、オススメのもので」
「分かりました。ちょっと待っててね」
 そう言うと朝倉は制服の上からエプロンを着け、キッチンへ移動した。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

「お待ちどうさま」
 一時間後、テーブルの上に様々な料理が並んだ。
「凄い量…」
 量もそうなのだが、一時間ほどでこれだけ作ったという事にも驚きだった。
「ちょっと…テンションが上がっちゃって…。あっ心配しないで、残ったのは妹が食べるから」
「妹さんは遅いの?」
「部活があるのよ、今日で試験終わったでしょ」
「え!じゃあ同じ学校?」
「そうよ。さぁ食べて」
「いただきます」
 まず、スパゲティサラダから口にした。
「うまいっ!」
 思わず声を挙げてしまうほど美味かった。
「本当に?」
「ウソ言ってどうするんだよ。マジで美味いよ」
 それを聞いた朝倉は嬉しそうに微笑んだ。
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