おいしいチェリーのいただきかた☆(14/35)PDFで表示縦書き表示RDF


おいしいチェリーのいただきかた☆
作:卯月海人



あたし暴走!?


「比奈さんっ! どうしたの!? 目が、目がすわってるよっ!?」
 
 あたしの体の下で必死に叫ぶ小宮。
 
「そう? いつも通りだよ〜」
 
 何故だかにんまり笑ってしまう。頬が勝手に緩む。
 
「ノド、乾くね。熱くない?」
 
 あたしは小宮の腰の上に跨ったままテーブルに手を伸ばした。
 まだ残ってるピーチジュースの缶を取って一気に飲み干す。
 喉の渇きが潤って気持ちいい。
 体が熱くて溶けそうだったんだ。
 
「っ! 比奈さん! それ、ジュースじゃないよ! カクテルだよ!」
「カクテル〜? あれ? そんなモンうちにあったっけ?」
 
 小宮の言葉につられてピーチの缶をじっと見る。
 何か色々書いてあるけど何故だか頭に入ってこない。7%って数字だけが辛うじて読み取れた。
 
「果汁7%!? すくなっ!」 
「アルコール7%だよっ!」
 
「そなの?」と呟きながらピーチの缶をテーブルに置いて、今度は小宮のグレープの缶を取ってみる。
 
「小宮のは50%もあるじゃん。アルコールなわけないっしょ〜」
「そっちは果汁だよ! 比奈さんのピーチだけカクテルなんだって!」
 
 ふーん。まぁどうでもいいや。
 美味しかったし。
 
「細かいことはいいじゃん」
 
 笑って言いながら胸のリボンを引き抜いた。
 制服の赤いリボンはただの布切れになってハラリと床に落ちた。
 
「なっ! なんで脱ぐの比奈さんっ!?」
 
「ん〜? 暑くって」
 
 小宮はさっきから何をごちゃごちゃ言ってるんだろ。
 暑いから脱ぐのは当たり前じゃん。
 胸のボタンを3つ開けて胸元を開いた。
 
「比奈さんどいてっ! お願いだから!」
 
 真っ赤な顔を横に逸らして叫ぶ小宮。
 あたしを見ないように目をしっかりと瞑って。
 
 ……ちょっとムッときた。
 
「あたしの胸を見るのイヤなの!? これでもDカップなんですけどぉ!」 
「お、大きさの問題じゃなくて……」 
「結構美乳だって言われてんだから!」
 
 開いたシャツから覗く谷間を見せ付けるように胸を反らした。
 
 今日は下着だって高いヤツなんだからね!
 
「も……ムリ……。頭、くらくらしてきた……」
 
「気絶したらイタズラしちゃおーっと」
 
「ええっ!?」
 
 反射的に振り向く小宮の顔に覆い被さる。
 唇を重ねて吸ってみた。
 
「ん……はっ。や、やめて比奈さんっ」
 
「やぁ……。もっとするのぉ……」
 
 どんどん体が熱くなって。
 声まで甘ったるくなってきた。
 
 小宮のネクタイも外してボタンを開く。
 露になった首筋にキスを落とした。
 
「〜〜〜〜っ。う……やめ……んっ」
 
 首筋から鎖骨。感じやすい部分に唇を滑らせて。
 時々ペロッと舐めると、小宮の体がビクンッと跳ねて、熱い吐息が漏れた。
 
「ん……気持ちイイ?」
 
 上体をずらして潤んだ瞳を覗き込む。
 
「あたしにもして……」
 
「ム……リ。も……ちから、はいらな……から……」
 
 弱すぎだよ小宮。もう……。
 
 ま、どうせ小宮は休火山だし。
 エッチなんてできないもんねどうせ……。
 
 ………………。
 
 あれ?
 
 その時、気付いた。
 
 あたしの足に触れてるモノ。
 
 小宮の足に絡みつかせたあたしの足は、腿が小宮のコカンにちょうど当たってて。
 
 気のせいかもしれないけど。
 
 ……ちょっぴり固いような……。
 
 ………………。
 
「もしかして、ムラッてきてる? 小宮」
 
「えっ……。そ、そんなこと……」
 
 あ。
 
 今、ちょっと動いた。
 
 慌てて否定する小宮の顔をじっと見る。
 
 あたしから目を逸らそうと必死の小宮。
 視界に入ろうと目を追いかけたら、ぎゅっと瞼を閉じてしまう。
 
 も、もしかして図星……?
 
 小宮があたしにムラムラしてくれてる!?
 
「なんだぁ〜。小宮もソノ気になれるんじゃん! じゃあこのままあたしが上で……」
 
「だっ、ダメっ! そんな初体験、嬉しくないよ!」
 
 うっ。それは確かに……。
 男として立場がないもんね。
 
「でも小宮から抱けるようになるのなんて……」
 
 そんなの、いつになるか分かんない。
 
 あたしは今すぐにでもエッチしたいのに。
 
 もしかしたら、卒業までこのままかもしんないし。
 
 卒業後も友達でいられるか分かんないし……。
 
 小宮にだって好きなコが……。
 
 できるかも……。
 
 …………。
 
 
 
 やっぱり、このままエッチしたい。
 
「思いっきり気持ちよくしたげるから、ね? やろうよ、小宮。 てゆーかやっちゃいまーす!」
 
 考えるのがメンドくなって、再びガバッと小宮に覆い被さった。
 
 だってせっかくここまできたんだし。
 あたしが上でもいいからエッチしたい。
 このまま肌を合わせてれば、きっともっとソノ気になってくれて、もしかすると小宮からガバッ! とか来てくれるかもしんないし!
 
「わっ! ストップ! お願い比奈さんっ! 僕、まだ心の準備がっ!」
 
 却下!
 
 潤んだ瞳で訴える小宮の口を塞ぐ。
 息もできないほどに、何度も何度も。唇を合わせて言葉を吸い取る。
 抵抗する体から力が抜けていった。
 
「小宮……。あったかい……」
 
 気持ちいい。
 小宮の体温が気持ちいい。
 ずっと抱き合ってたい。ずっと傍にいてほしい……。
 
 ボーッとする頭の奥で何かが警鐘を鳴らしてるけど。
 そんな音に耳を貸したくない。
 
「ダメ、だ、比奈……さ……今……正気じゃない……僕……」
 
 小宮が何かを言ってるのに。
 もう何を言ってるんだかよく分からない。
 
「このまま・が……傍に……いれ……たら……んぅっ」

 首筋に舌を這わせ、耳たぶを軽く噛む。
 全身をビクッと痙攣させた小宮がグッタリしちゃっても。
 
 痺れた頭はただもう小宮だけを欲していて。
 自分を止めることなんてできなかった。
 体が熱くて熱くて仕方ない。
 
 なんでだろう。
 なんでこんなに気持ちいいんだろう。
 離れたくない。離したくない。
 小宮とずっと一緒にいたい。
 
 小宮の耳も。
 小宮の額も。
 小宮の唇も。
 
 全部あたしのものにするから。
 
 お願い。離れないで。
 
 このメガネも……。
 
 茶色のメガネ……。
  
 メガネ……。
 
 ……。
 
「邪魔」
 
 なんでいつまでもメガネかけてんの?
 曇ってて目がよく見えないし。
 
 あたしは茶色のフレームに手をかけた。
 そのままスッと一気に引き抜く。
 
 ――――と
 
「わっ! こ、小宮、カッコイイ〜〜!!」
 
 なにこれなにこれなにこれ〜〜!!
 
 頭の靄が一気に晴れた。
 思わず叫んで小宮の顔を覗きこむ。
 
 すっと通った鼻筋に、二重まぶたのくっきりした眼。
 意外と長い睫がセクシー度を上げてて。
 
 小宮のメガネを外した顔は、予想以上に整ってたのだ!
 
「メガネ取るとそんなにカッコイイなんて超反則! コンタクトにするべきだよ小宮〜」
「反則って……」
 
 小宮の顔を両手で挟んでまじまじと観察。
 困ったように眉尻を下げてるその表情も、カッコ良さに可愛さをプラスして超あたし好み!
 
 うわ〜っ。なんかワクワクしてきたっ。
 もしかして小宮って、かなりいい素材持ってるんじゃない!?
 
「ちょっと髪も整えてみようよ! ムースとか使ってさ〜。あたしがスタイリングしたげる!」
 
 起き上がって鏡台に駆け寄った。
 
 きっとスタイリングするとすっごくカッコ良くなる!
  
 ウキウキしながらムース缶とコームを手に取って振り返ると――
 
 あ。
 
「あ、あはは。それはまた今度お願いするよ」
 
 引き攣り笑いを浮かべた小宮が、服を整え、鞄を抱きかかえて立っていた。
 
 ああああああああ!! あたしってばせっかくのチャンスをぉぉぉ〜〜〜!!
 
「待って小宮! せめて髪いじらせてぇ〜〜!」
「じゃあ比奈さん、僕、もう帰るから。また明日〜〜〜っ!」
 
 脱兎の如くの素早さで部屋を走り去ってく小宮。
 ちゃっかりメガネも消えている。
 追いかけようとしたけど、何故か足がふらついてうまく立てない。
 床に膝をつきながら虚空に手を伸ばした。
 
「ごめん! もうやんないから! ネ! あぁ〜〜んコミヤぁ〜〜〜! 行かないでぇ〜〜〜〜!!」
 
 
 超がっくり。
 
 
 


 
いつもネット小説ランキングや NEWVEL などのランキングサイトに投票してくださってる方々。
ポチしてくださってる方々。
評価・レビューをくださった方々。
そしてこの作品を読んでくださってる方々。
 
どうもありがとうございます。m(_ _)m
皆様に応援していただけて、卯月は毎日喜んでます。
頑張って最後まで書こうという意欲が湧いてきます♪
本当に感謝感激です。(T T)
 
さて、物語は中盤にさしかかりました。
ここまでただイチャイチャしてただけの二人ですが、少しずつ風向きが変わっていきます。
複雑な心境のため、煮え切らなかった小宮も・・・。
頑張れ、純情少年。
こいつがさっさとコクればいい話なのにね。(笑)
 






春の競作祭「はじめてのXXX」
ネット小説ランキング>恋愛コミカル(PG12)部門>「おいしいチェリーのいただきかた」に投票
ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)
NEWVELランキングに投票(月1回)
よければ以下のボタンもポチッとしてみてください♪






ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう