第03話:バイク!(解決編)
俺と久住は今、八王子のある場所に来ている。
「ねぇ、此処ってやばいんじゃない?
『黒崎組』とか書いてあるよ?」
と、久住が言う。
雰囲気からして、かなりやばそうだ。
だが、此処に来たのには目的がある訳で・・・。
俺は取り敢えず、扉を開いて中に入る。
ガラガラガラガラ
と、扉の開く音がする。
「誰だお前達は!?」
中から男が出て来た。
如何にも怖そうな雰囲気の顔である。
「帰れ!」
男はそう言い、俺達を追い返そうとした。
すると、中からもう一人、男が出て来た。
「騒々しい。客か?」
「お頭!
たった今餓鬼共が紛れ込んで来て、追い返そうとした所ですぜ。」
お頭と呼ばれる男は、俺を良く観察すると、ガツンと怖そうな顔の男の頭を殴りつけた。
「イテッ!
何するんすかお頭ぁ?」
「馬鹿野郎!このお方を誰だと思ってる!?
このお方は泣く子も黙る黒崎 真理絵様のお孫さんだぞ!」
と、お頭と呼ばれる男は言い、
「いや〜、うちのバカがとんだご無礼な事をして申し訳無い。
それで、今日はどんなご用ですか?」
と、聞いた。
「うちの婆ちゃんが・・・な、亡くなった・・・。」
俺はそう言った。
お頭と呼ばれる男は、
「本当ですか!?」
と、驚いて聞く。
「あぁ。この子が言うには事故らしい。
でも、俺は単なる事故じゃないと思ってる。
遺体から、こんな物が出てきたんだ。」
俺はお頭と呼ばれる男に例の紙切れを渡した。
「これは?
数字だらけで解らないな・・・。」
お頭と呼ばれる男は疑問の表情を浮かべた。
「これはただのじこではない・・・。」
俺は読み上げた。
「これにそう書いてあるのですか?」
お頭と呼ばれる男は聞いた。
「ポケベル式でな。
兎に角、その事であんたらに話を聞きに来た。」
「そうですか。
では中へどうぞ。」
お頭はそう言い、
「お嬢ちゃんもどうぞ。」
と、付け足した。
俺達は靴を脱いで上がると、広間へと案内された。
広間には、かなりやばそうな雰囲気の奴らが数人いる。
「此処、絶た・・・むぐっ!」
俺は久住の口を塞ぎ、
「言いたくても言うな。」
と、やばそうな奴らに聞こえない程度の大きさで言った。
お頭はやばそうな奴らに、
「彼が話があるそうだ。聞かれたら答えてやってくれ。」
と、命令する。
流石、お頭だ。
「何で俺達がこんな餓鬼共の話を聞かなきゃならねえんだ?」
と、やばそうな奴らが全員で言う。
「餓鬼?」
と、久住。
「文句あんのかよ!?」
と、やばそうな奴らの内の一人が言う。
久住は警察手帳を出して見せた。
「げっ!警察!?」
皆驚く。
「警視庁交通課、久住 京香よ。」
と、久住。
「何だ、交通課か。
てっきり刑事だと思ったぜ。」
と、やばそうな奴が言う。
「悪かったわね。」
と、久住・・・。
ん、久住を見てオドオドしてる奴がいるな・・・。
アイツに話を聞いてみるか。
俺はオドオドしてる奴に話を聞く事にした。
「あんた、名前は?」
オドオドしてる奴は態度が変わり、
「何だてめぇ?口の訊き方に気を付けろ。」
と、デコピンをする。
「何すんだてめえ!」
と、俺は顔面をグーで殴る。
男は鼻血を出して倒れた。
「あ、ごめん・・・強すぎた?」
と、男に訊ねるが、男は気絶していた。
「かっちゃんが気絶した!?」
と、やばそうな奴が言う。
すると、やばそうな奴らが、
「このボウズ、やばいんじゃね?」
とか、
「こいつに関わったら俺等殺されちまうよ。」
とか、
「こいつ絶対人殺してるよ。」
とか、口々に言って来た。
正直俺はむかついた。
「てめえら、死にたく無きゃ少し黙ってろ・・・。」
俺はそう言いながら端で怯えてる男を呼んだ。
「お、俺っすか?」
と、怯える男。
俺はその男に名前を聞いた。
「神に代わって総てを司る男・・・俺の名は、神代 総司。」
と、男は仮面ライ○ー○ブトを気取った。
俺はそんな男に、
「仮面ラ○ダーカ○ト気取らないで本名言え。」
と、ツッコミを入れる。
だが男は、
「本名です。」
と、答えた。
「あそう。
所で、黒崎 真理絵と言う方を知ってるか?
昨日、バイクの事故で亡くなったらしい。」
「あの婆さん、遂にくた・・・じゃなかった。
亡くなられたのですか?」
と、神代。
妙だな・・・。
追求してみるか。
「あの、『くた』がどうしました?」
「・・・・・・。」
神代は黙ってしまった。
「そこで沈黙しても何も起きない。
さっさと『くた』の続きを言え。」
だが、その後も沈黙が続いた。
「お前が言わないのなら俺が言おう。
ズバリ、『遂にくたばったか。』と、言いたいのだな?」
「ぐっ・・・。」
神代は冷や汗を掻く。
よしっ、尻尾を掴んだぞ。
もう奴は逃げられない。
俺は例の欠片を出した。
「これ、見覚えがあるだろ?」
俺は神代に聞く。
神代は、
「そんなもん知らん!」
と、怒鳴った。
「そうか。
ならば問おう。
お前は被害者の死亡推定時刻に何処で何をしていた?」
「あれは・・・午後3:30頃の事だよな?
その時刻なら、パチンコ屋にいたよ。」
と、神代。
「成る程、お前が殺したのか。」
俺はそう言った。
え?
何故コイツが犯人なのかだって?
それはコイツの証言を思い出せば解る事だ。
「ちょ、ちょっと待て。
何で俺があの婆さんを殺さなくてはいけないんだ?
それに、婆さんが死んだ時刻、俺はパチンコ屋にいたんだ。
殺せる筈が無い。
もし俺が犯人だと言うのなら、その証拠を見せてくれ。」
と、神代は自信に満ちた表情で言った。
コイツ、バカだな。
俺はニヤリと笑い、
「墓穴を掘ったな。」
と、神代に言った。
「何だと?」
神代は聞く。
「神代、お前は自ら犯人だと教えてくれているんだ。
お前は、パチンコ屋に行っていたと言うが、それは嘘だ。
何故なら、俺は死亡推定時刻の事は一度も喋っていないからな。
それでピンと来たんだ。
お前はあの日、婆さんが八王子にバイクで来る様に仕向け、現場に細工をして待ち伏せをしていた。
その後、婆さんは罠とも知らずにそこを通り、転倒して亡くなってしまった。
そしてお前は、犯行に使ったものを回収し、現場を立ち去った。
だが、此処で一つミスが生じてしまった。
それは、現場に、犯行に使われた凶器の欠片が残っていたと言う事。
それがこのチェーンの欠片なんだ。」
まぁ、真相はこんな所だろう。
「その通り、俺が殺したのさ。
全く、酷い奴だぜ、あの糞婆。
俺がちょっとからかったぐれえでブチギレて殴って来るしよ。
だから殺してやったのさ。」
と、神代は動機を話した。
「神代、てめえ!」
と、やばそうな奴が言い、神代に殴りかかった。
俺はソイツに、
「やめろ。」
と、言って止める。
「さてと。」
俺は立ち上がり、
「久住、お前の手柄にしてやるから警察呼んで帰れ。」
と、言い残して黒崎組を去った。
後日、神代は殺人容疑で逮捕され、久住は警視総監から感謝状を貰った上、捜査一課に転属となった。
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