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はい、お久しぶりです。お馴染みダメ作者こと秀空です。

さて、このごろ更新が遅れてきましたが、本音を言うと一カ月一回更新しかできない状況であります。

ダメ作者秀空は受験生。志望校合格60パーセントの状況に危機を感じて、今さらになって勉学に励んでいます。

それでは、期待を初雪の中に埋めた人は、本文へどうぞ。
第十七話:弁当
ぎゅるるるる…



「はうっ!!!」



俺の体のどこからかそんな音がして、思わず変な声を出してしまった。

俺が今いる(座っている)のは、球技大会中に唯一使うことができる、校舎一階保健室の隣にある男子トイレの一番奥の洋式トイレだ。

一階中央廊下からこのトイレまでブルーシートがひかれており、土足のままトイレに直行できるようになっている。さすがにトイレ内まで土足なわけにはいかず、トイレの扉の前に何足か便所サンダルが用意されていて、それに履き替えて中に入り用を足すことになる。

…って、こんなトイレの解説してる場合じゃない!

なぜ俺が今トイレで自分と格闘しているかというと、事は25分ぐらい前までさかのぼる………



━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━



紫苑の提案(権力乱用)により、屋上で昼飯を食べることになった一同は、屋上の隅のほうのあまり日が当たらない比較的涼しい場所に円を描くように座った。

座って間もなく、時間がなくて仕方なく朝コンビニで買ってきたパンを取り出そうと、ガサガサやっている俺の目の前に、可愛らしい弁当箱が三つ並んでいた。



「…どゆこと?」



俺は面々に問うてみる。

すると、



「えへへ、朝作りすぎちゃった。食べてくれる?」



幸が笑顔とともに問いで返してきた。

食べてやるのはいいのだが、俺の中に一つ疑問が残った。



「幸って料理できたのか?」



今まで、毎日の三食は俺が作ってきたので、幸が料理をできるなんて思いもしなかったのだ。

幸はぷぅっと頬を膨らませながら答えた。



「もうっ、失敬だな〜。ボクだってちゃんとお料理ぐらいできるんだよ? それもこれもエックンのためなんだからね?」



男として、最後の一言には無言で頷くしかなかった。



「んじゃ、あとの二つは?」



並んだ弁当のうち一つが幸のだと分かった。しかし幸一人が三つも弁当を作るはずもない。



「私やでっ!!」



アリスが元気いっぱいに答えた。



「わ、私です…」



続いて紫苑が顔を赤らめながら消え入りそうな声で答えた。

予想通り、弁当の作り手は幸・アリス・紫苑の三人だった。まぁ、ギンジが料理をできるはずもないのだから当然の結果だな。

一人で納得している俺に、作り手三人が聞いてきた。



「「でっ、食べてくれるの?」」



紫苑だけは、“た、食べていただけますか?”だった。



「も、もちろんです!」



俺のため(?)に作ってきてくれた弁当なのだから、NOと答えるわけにもいかない。

まず、フタに可愛いクマのプリントがされた幸の弁当を開けてみることにした。

中には卵焼きやタコさんウインナーを始め、弁当の定番メニューが彩りよく入っていた。

見た目もよく、ちゃんとバランスを考えてある中身だった。

まず、料理の腕前が味に出る卵焼きを一口食べてみた。

すると、フワトロの理想的な触感が塩と砂糖の比率も完璧と言っていいほどの味とともに口の中に広がった。



「す、すごいじゃないか幸!! すげー美味しいぞ!!!」



幸は恥じらいながら、エックンに比べたらまだまだだよ、と言った。

その言葉を聞いている中で、俺はまだ復職する前お袋が作ってくれていた卵焼きの味を思い出していた。なぜなら幸の味が似ていたから、お袋の味に……



「ほら、早く私のも食べたってや!」



急かされて、次にアリスの弁当を食べることにした。

中には、幸に負けるとも劣らずの色とりどりのメニューが詰まっていた。

やはり卵焼きを一口。

触感はフワトロだったのだが、いかんせん味がすごかった。これは塩を入れ過ぎたのでは?



「う、うん。美味しいよ」



一生懸命作ってくれたのだろう。アリスの指には絆創膏がいくつも張られている。そんな相手に不味いなんて言葉をかけるほど俺は腐っちゃいない。



「むむ! さっちゃんの時とは明らかにテンション下がっているリアクションなんやけど!!」

「そ、そんなことないよ?」



ほら、と見せつけるように我慢してもう一口。



「そう? よかった! いや〜、塩の袋をドバっと入れちゃった時はどうなるかとおもったワ」



アリスさん、気づいていたんですか……



「わ、私のも食べてみてください」



やっと順番が回ってきたかのように、紫苑が真剣な眼差しで俺に問うてきた。

促されるがままに俺はフタを開けて食べた。

紫苑の弁当は本当に美味しかったのだが、量がハンパなかった。

弁当箱が重箱だったのだ。重箱といっても二段だけだったが、一段目におにぎり、二段目におかずが隅々までぎゅうぎゅうと詰められていた。



「一人で食うのはつらいだろ? 俺が食ってやるよ!!」



もう、買っておいたサンドイッチを食い終わっていたギンジが笑顔で言いながら、おにぎりに手を近付けた。

幸とアリスがその手をパシッ、と叩いた。



「ギンちゃん、ダメやで? 紫苑ちゃんはエイタのために作ってきたんやで?」



二人を代表してアリスが言った。



「いや…だって…この量を一人で食べるのは……」



叩かれた手を擦りながら、ギンジが嘆いた。



「お黙りっ!」



その言葉を遮断するように今度は幸が。…ん? 幸ってこんなキャラだっけ?



「さっ、エイタ! ギンジ《邪魔者》を排除したことやし、たーんと食べたってやっ!!」



「お、おう……」



助けを求めるように俺はギンジに目で言葉をかけたが、ギンジは返事をすることもなくただただ合掌を俺に向けるだけだった。

俺はまだ死にたくないっ!!!!!!
感想・評価お願いします。

きついアドバイスも勉強になるのですが、秀空は褒められて伸びるタイプなので、「〜は、いいですね」などの言葉を頂けたら幸いです。

それでは、第十七話を読んでくださった読者の皆様への無上の感謝を、次回まで。
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