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枕の下に 希望の上に(2)

夏は夜が少ない

「夏は夜が少ない」
あなたは言った
まるで
命が減ったかのように
俯いて
シンと鳴る部屋の中
小さな石を
そこに置くような声で
「夏は夜が少ない」
今ごろ 聞こえる
今でも 聞こえる



背の低い電灯に
虫が廻りながら近づいて
その近くに居る
守宮に食べられた
「あなたと同じだね」
声が聞こえたから
廻りを見たけれど
姿がわからない
「あなたと同じだね」
また
聞こえたから
そこから離れる
離れた理由は
今でも くだらない
今さら くだらない



川沿いの道は
土手があるとは
限らない
綺麗な上流に
そんな物は無い
長年
押し流された物か
長年
人の手で作った物か
それが土手だったりする
「綺麗な水はどちら?」
声が聞こえたから
上流だと答える
「あなたは上流を見ないの?」
答える為の答えが
一つも見つからなかった
今でも わからない
今まで わからない



海を見る為に
山に登るのは
高い所からなら
良く見える筈だという先入観
海を見る為に
海へ行くのは
近くに行けば
良く見える筈だという先入観
正解が無いのは
誰も答えが出せない事が
その辺にあるからで
見ないようにしているのは
自分に対しての気休め
「逆光でもないのに見ない」
声が聞こえた
「あなたは弱い」
声が続いていく
「人間は生命体として弱い」
納得するなら
次の段階が
目の前に転がるだけだ
行き末は変わらない
今でも 変わらない
今さら 変わらない



どこにも行けないのに
「偉そう」を散らかして
片付けなんてしない
落ち葉が腐ったような
人間の集いだ
汚れた下着
動物である臭い
変わりない初まりと
変わり切った終わり
「あなたは不必要です」
声が聞こえた
「人間は不必要です」
声が続いた
真っ直ぐな空気は
カタカタと地面を鳴らして
分からず屋から消えていく
「決まりを笑う者は不必要です」
突き刺さり
目の前に倒れる弱き者は
動物であれば
一番最初に白骨化する
それを
高みの見物と神様気取りで
見ている者は
動物でなくても
二番目に動かなくなる
今でも 動かない
今さら 動かない



蚊に血を吸われて
赤く小さく腫れあがる
薬を塗りながら
あなたは言った
「昼間に出来た事が自分が出来る事」
実感と実践を
足し合わせた声で
テレビの音がする部屋で
あなたは言った
「夜に寝る動物ならね」
あなたはゆっくり笑った
今でも 笑っている
今ごろ 笑っている







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