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偽・竹取物語
作:白山菊理



策略!庫持の皇子の陰謀!!(二)


 こうしてかぐや姫が動揺を隠し切れないでいるところに、庫持の皇子がにやにやと「我こそかぐや姫を得たり」という顔でやってきました。
わざわざ使いの者に、かぐや姫宅のインターホンを押させ、

「旅から今帰ってきました。旅の姿のままで申し訳有りません」

と言いいました。
お爺さんはこれを聞き、玄関先で庫持の皇子と会い、立ち話を始めました。
散々世間話をした後に庫持の皇子が

「命を捨ててこの玉の枝を取ってきました。我が妻…いえ、かぐや姫にお見せください。」

と言って、お爺さんに玉の枝を渡しました。
玉の枝には手紙が結び付けてあります。

 早速お爺さんはかぐや姫に玉の枝を見せました。
かぐや姫は玉の枝に結び付けてある手紙をとって広げました。そこには、

『いたづらに身はなしつとも玉の枝を手折らでただに帰らざらまし(訳*この身が朽ちようと果てようとも、何があろうと絶対に手ぶらで帰るなどしなかったでしょう。さぁ、この私と結婚してください。他の者では貴方を幸せに出来ません)』

と書いてありました。
訳はいささか深読みの気もしますが。

―なんか益々うざいんですけどー。―

というのが、かぐや姫がこの歌を見た第一印象でした。
翁はかぐや姫の隣でうっとうしいくらいに、にこにこしています。
そしてかぐや姫に

「かぐや姫や、お前が言った蓬莱の玉の枝を、こんな素晴らしいものを寸分違わずに持ってきてくれたぞい。これがあるだけでも儂の老後は安泰じゃ。こんなものを儂たちにくれたんだからこの人に嫁ぎなさい。それに旅をした後に直接大急ぎでお前の元へやってきたのだ。きっとお前に尽くしてくれる人に違いない。そんな人だから儂と婆さんの面倒も見てくれるじゃろう。老人ホーム送りとかしなさそうだから、絶対この人に。」

と言いました。
半分以上が私欲からこの人を勧めています。かぐや姫の幸せなど二の次でお金しか頭にありません。
いつのまにか玉の枝を自分の懐に入れていますし、強欲なお爺さんです。
それを聞いたかぐや姫は…というより聞いていたんだか聞いていなかったんだかどちらともとれない態度で珍しく頬杖をついてぼーっとしています。

「これ、かぐや姫や聞いておるのか」

「……あ、ごめん大音量で音楽聴いてた。」

そう言うなり耳からイヤホンを外すかぐや姫。
やっぱりかぐや姫はかぐや姫です。どうやら先ほどウザイ歌を見てしまったので音楽を聴いて気持ちを落ち着けようとしてたようです。

 はてさて、かぐや姫の気分を害すような歌を贈った庫持の皇子はというと

「こんな頑張って玉の枝を取ってきたんだからもう嫌とは言えないよなぁ?」

というやいなや縁側に這い上がってきました。
此処までくるとストーカー行為プラス不法侵入と罪は重くなりますが、こうして玉の枝をとってきたのだから身内同然だろうというのが庫持の皇子の考えでした。
お爺さんもこの考えに賛成で、

「何とも素晴らしい玉の枝です!このたびは儂もかぐや姫も喜んでおります。今回はどうして断れましょうか、はっはっはっ、めでたいめでたい。」

と言い、庫持の皇子と二人で呵呵大笑しています。
この頭がおめでたい二人の横でかぐや姫は、

―きぃー!!ホントにうざい、マジうざい。じじぃも何なの?人の気持ちも知らないで!だいたいさ、嫁ぐ気なんて更々無かったけどじじぃたちの言うこと聞かないでずっと断ってんのも気の毒だから無理難題だして断ろうとしてんのに!―

と、庫持の皇子が玉の枝を持ってきたことを忌々しく思っていました。
ぼーっとしているように見えますが、実際は庫持の皇子に対して腸が煮えくり返っているのです。

そんなこととは露知らず、翁は若い二人の為に寝床の準備を始めました。
…って何でいきなり寝床なのさ!!












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