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偽・竹取物語
作:白山菊理



策略!庫持の皇子の陰謀!!(一)


 庫持の皇子は大変な策略家でした。
まず朝廷には「筑紫の国で温泉療養してきます。最近肩こり、腰痛が酷くって。」と、言っておきました。
そして、かぐや姫には「玉の枝を取りに行ってくるからー。」と使いに言わせて地方に下ろうとするので、お供の者たちは、難波までお見送りに行きました。
庫持の皇子は

「少数で行かないと。こんなにぞろぞろくっついてきたら邪魔くさいよー。」

と、くっついてきたお供たちに酷いことを言って、親しい少数の人を連れて船に乗り、旅立ちました。
そして見送った人たちは「よよよ…どうかご無事で〜」と言い残し、都に帰っていきました。

しかーし!!
お供の人達は皆騙されていたのです!
3日後、誰もお供の人たちが居なくなった頃を見計らい、庫持の皇子は帰ってきてしまいました。


そして、庫持の皇子は例の計画を実行することにしました。
その名も『玉の枝でっちあげ作戦』です。

あらかじめ命じていた、この当時は随一の宝とされていた鍛冶細工師6人を呼びつけて、人の近づかないような家(どんな家なのかはご想像にお任せします)を作り、かまどを作り、仕事場にしました。
そこに、6人を閉じ込めて働かせ、自分も同じところに住んで、6人の仕事振りを監視しました。
庫持の皇子は、治めている荘園十六箇所を初めとし、蔵の財産やら何やら大層お金をつぎ込み、玉の枝を作らせました。
こんなにお金をつぎ込むのでは、きっとお爺さんとしては荘園をそのまま貰った方が喜ぶでしょうが、かぐや姫の要望なのでそういう訳にもいきません。
そしてついに、かぐや姫の言っていたのと寸分違わず玉の枝を作りあげ、ひそかに難波に運びこみました。


 「ただいまー、船に乗って帰ってきたよー。あー疲れた。」

と、自分の屋敷に使いをやり、自分はその場に酷く疲れた様子で座り込んでいました。
息切れしてるように見えるのは演技です。かえってわざとらしいですが。
そこへ、迎えの人々が行きと同様にぞろぞろやってきました。
迎えに来た人々は、自分達にお土産が無い事を不満に思いましたが、仕方なくこのグタグタな主人を屋敷に運んであげました。
そして、でっちあげた玉の枝は長櫃に入れて、風呂敷でくるんで都に運びました。
でも、持って行くのでは途中盗賊とかに襲われる心配もあるので、先に都にある自分の屋敷に送っておくことにしました。
もちろん速達です。しかも書留で。
まるで受験生が願書を送るような送り方です。
そういうところに抜かりが無いのが庫持の皇子という人なのです。

 さてさて、いつの間にやら庫持の皇子がこの玉の枝を都に持ってきたという噂が世間に広まり「庫持の皇子が優曇華うどんげの花を持ってきたそうだ。」と騒がれていました。
マスコミも真偽のほどを確かめようと走り回っています。

しかし、この噂を聞いたかぐや姫は喜びもせず、かえって不快に思っていました。

―何で、この世にないもの頼んだはずなのに持ってくるわけ?玉の枝なんてあるわけないじゃん。通販カタログにも‘伝説の玉の枝’って書いてあったのに。伝説ってことはないんじゃないの?あれ?あれ?ちょー、やばいんですけどー。―

庫持の皇子も酷いですが、かぐや姫も酷い!












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