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偽・竹取物語
作:白山菊理



燕スープ?いや、子安貝。石上の中納言(二)


 誰も燕の巣から子安貝を取ってこようという気配はないし、燕の巣の中を覗いてみようという気も皆無さそうなので、石上の中納言は困り果てていました。

―どうしよう、このままじゃ愛しのマイハニーに子安貝渡せないよ〜―

すべてこの人の妄想ですが、ツッコミを入れているとキリが無さそうなので敢えて無視でいきましょう。
 まぁ、くだらない妄想に囚われ、頭を抱えてうーんうーんと悩んでいるところへ、燕の巣がある役場に勤めているくらつ麻呂という翁が「子安貝をとりたいならば策略をお教えしましょう」と言うことで、石上の中納言の所にやってきました。
石上の中納言とくらつ麻呂の翁は部屋の隅に行き、額を寄せ合い、コソコソと話し合いを始めました。

「今の方法を見ていると非常にまずいですよ。家来達が言うようにあんなに人が居ては燕たちも寄って来ません。あんな足場など壊してしまって、信用できる家来を一人だけ残し、燕が安心したところで取らせるべきです。」

石上の中納言は「グットアイデアだよ〜☆」と納得し、家来を一人残して他の者達を皆撤退されました。
普通の人なら言われるまでもなく、こんなに人が居ては燕は来ないと分かるはずですが、妄想の中で生きている彼には難しかったようです。

 石上の中納言はくらつ麻呂の翁に聞きました。

「燕の巣に人をやるにはどのようなタイミングがいいのかなぁ?」

これに、くらつ麻呂の翁曰く

「燕はですね、子を産もうとする時は尾を上げて7回回ってワンッと鳴…きはしませんけど、とにかくその様に産み落とすように見えます。7回回ってるときに人をやりなさい。」

だそうです。
まぁ、こんな聞くからに当てにならないような話を石上の中納言は信じ込んで、大喜びし、多くの人には知らせないで、役場にお忍びで行き、自分で燕たちの動向を見守りました。
まぁ、疑う事を知らないというか、やっぱりボンボンは世間知らずなんですかね?


そうそう、くらつ麻呂の翁には

「僕の家来でもないのに良い事を教えてくれたね。これをあげるよ!」

と言い、石上の中納言は自分が着ていた着物を脱いで彼に渡したそうです。
そして、「改めて夜になったら、此処に来なさい」と言って家に帰したそうです。
この翁が金品目的で嘘教えてる詐欺師だったらどーするんでしょうねぇ?












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