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  魔性の瞳 作者:冬泉
第二章「惑う夢」
魔性の瞳-75◆「問掛」
■ヴェロンディ連合王国/王家の森(湖)

『一つだけ、教えて下さい。何故、わたくしなのですか』

 その彼女レムリアの言葉に、無意識のうちにフッと表情が緩み、私は軽く微笑む。

「覚えているかな? ついさきほど、この場所が好きな理由を聞いた私に、貴女あなたはこう答えた。

『好きになるのに、理由は必要でしょうか?』

 むろん、言葉にできる理由もあるし、それを知りたければ、いくらでもお教えしよう。だが・・・、けして、それだけではない、ということはわかってほしい。」

 私は静かに言う。

「・・・それに、先に断っておくが、これは私の単なる思い込みに過ぎないのかもしれぬし、いくつかある“言葉にできる”理由のうち、私にとっては意味のある、一つの答えに過ぎないということも忘れないでほしい。

 貴女あなたなら、私のことをわかってくれるのではないか? わかろうとしてくれるのではないか・・・。そして・・・、私なら、貴女あなたのことをわかってあげられるのではないか。いや・・・、貴女あなたのことをわかりたい、理解したい、と・・・、そう思えた。・・・そして、もし互いに相手のことをわかり、相手を受け入れられるなら、良きパートナーになれるのではないか。そう思えた。

 たぶん、それが今、私が貴女あなたに一緒にいてほしい。一緒にいたい、と思う最大の理由なのだろう」

 苦笑して、こう続ける。

「・・・理屈っぽい前置きのうえに、わかりにくい答えで、すまないな。だが・・・、今の私に言葉にできるのはこの程度のものだ」

 そこで言葉を切り、もう一度彼女の深い瞳を正面から見つめる。

「ところで・・・、聞いてもいいか? 貴女あなたは私のことをどう思っている?」


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