■ヴェロンディ連合王国/王家の森(湖畔)
「試すなどと、そんな不遜なことをする女だとお思いですの?」
ふふふ、と薄く笑って、レムリアは言外に心外ですわと抗議する。その間も、ブラウスのボタンを外す手を止めることはない。
「わたくしが、なぜここを好きか・・・それをお見せしようと思っているだけですわ。」
パサっと乾いた音がした。蠱惑的な笑みを浮かべたままブラウスを他の衣類の山に加えると、器用にブーツをも脱ぎ捨てる。その後を、乗馬ズボンが追い掛けた。最後の薄物を取り去ると、透き通るように白い素肌を外気に晒すのも一瞬。すぐに、湖に飛び込む水音が息が詰まるような緊張を破った。
☆ ☆ ☆
「あ・・・」
止める間もなく、彼女は湖に飛び込んだ。
いくら昼間で陽が差しているとはいえ、ヴェロンディは北国であり、しかも季節は冬である。さぞや湖水は冷たかろうと思うのだが、湖を泳ぐ彼女の様子からそんな様子は感じられない。
そして、私は気づく。森に入ったあたりから感じていた違和感の正体・・・、よくよく考えてみれば、このあたりの森の木々や草木の様子も、あまり北国の冬の森の雰囲気ではないということに。
「・・・寒くはないのか? 」
私はそう言いながら水際まで近寄り、湖水に手を触れてみる。湖水はさして冷たいと言うものではなく、どちらかと言えば肌に心地よい水温だった。
何時もお読み頂き、有り難うございます。「魔性」も本編で六十話となりましたが、全体の進捗度はまだ半分も行っておりません。なかなかペースが上がりませんが、今後とも頑張って更新を続けますので、宜しくお願い申し上げます。
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