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  魔性の瞳 作者:冬泉
第二章「惑う夢」
魔性の瞳-50◆「忠誠」
■ヴェロンディ連合王国/王都シェンドル/宮殿/レムリアの居室

「はい・・・」

 アンヌはまた困った表情を浮かべると。

「差し出がましいようで申し訳ありませんが、これはレムリア様に直接お尋ねすべき事柄かと思います。わたしはレムリア様を良く存じ上げておりますが、エリアド様とは今朝初めてお会いしたばかりです。ご理解頂ければ幸いです。」

 その侍女の答えに、エリアドは三度みたび薄く笑った。

「・・・いや、私が知りたいと思ったのは、レムリア殿が『自分が周囲からどのように思われているだろう』と考えているかではなく、“一般に流れている風評”とやらでは『レムリア殿がどのように言われているか』であり、また周囲の者が『レムリア殿をどのように思っているか』なのだ。それは、本人に聞いてもわからぬことだよ。」

 エリアドとしては珍しく、自分のした問いの意図を相手に説明した。
 それはすなわち“エリアド自身がその相手のことをある程度信用できる人物だろう”と考えたことを意味している。

「・・・が、さすがに答えづらかったらしいな。まぁ、無理もないか。いや、困らせるような質問をして悪かった・・・。
 ・・・私はまだ、その“一般的に流れている風評”とやらを直接耳にしたことはないが、昨夜のうたげでの周囲の様子を見ていれば、それがどのようなものか、ある程度は想像できる。そして、今のあなたの答えで、あなたがそうした風評とは少々異なった意見を持っているらしい、ということもわかった。
 まぁ、今のところは、それで満足するとしよう。」

 もう一度薄い笑みを浮かべると、エリアドは立ち上がって扉に向かった。

「・・・あぁ、最後にもう一つだけ。侍女殿、あなたの名前を聞いてもよろしいか?」
 何時も拙作をお読み頂き、有り難うございます。「魔性」も本編で五十編となりましたが、これもご訪問頂いている皆様のお陰です。毎日の更新が何処まで続けられるかは判りませんが、今後も頑張っていきたいと思います。宜しくお願い申し上げます。


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