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晶の過去、あの夏だけの思い出が今
IZIME
作:ATURA



勝負十「夏の思い出壱」


「・・・・暑い」
晶が扇子を仰ぎながら不機嫌にそう言った。
「まぁ夏ですからね」
純は当然のようにサラッと答える、
「・・・・うみちゃんまだ補習なのかな〜?」
亜鹿が机に顔を乗せて元気なく言う。
「やしゃもうみも、まだたっぷり補習がありますよ」
あゆむが窓から外を眺めながら言った。

「あなた達、怒られているってゆう自覚ある?」

伊藤先生が手を震わせながら言った。

「生徒が立ち入り禁止の屋上に入ったことがまず一つ、その屋上に乱入したからといってその生徒に暴力を振ったことで二つ!あなた達は反省しようとする気がないの!?」

「「「ない!」」」

全員が口をそろえて言った。
そりゃそうだ、屋上にいるのは確かに悪かったかもしれない、だが乱入してきたあの不良どもは純や亜鹿に襲い掛かっていった。
弱いものからやるという外道な考えの輩を排除して何が悪い?
晶はとりあえず渡された反省文にそう書いた。
それに加えて教師たるものは生徒に敬われる存在であり、それがないのは教師とその保護者の責任にある、と自信満々に長々と論文を書いた。
「先生書けました」
「あら早いわね、それにたくさん書いているみたいだけど・・・」
黙々と読んでいた伊藤は何も言わず晶の論文を真っ二つに破った。
「ちょ!なにするんすか?」
「教師に喧嘩を売る論文を平然と書いておきながらその台詞はありえないでしょ?書き直し」
晶は文句を言いながらも心にない謝罪文をさっさと書いた。

「いい?もう屋上に行かないでよ!」
「はいはい」
そう言いながら屋上へ通じる階段を上る晶達、
すかさず伊藤が全員に出席簿で頭を叩いた。
「本当にケンカ売るの好きねあなた達」
「そういう先生も買うの好きですね」
晶には更にもう一発出席簿が落とされた。
「友達を待つのもいいけど、もっと別の場所で大人しく待ってなさい」
伊藤はそう言って職員室へ行った。

「夏休みみんなで何処かいこうよ!」
亜鹿が目を光らせながら言う。
「亜鹿さん、すでに夏休みは始まってます」
純がクールに言う、亜鹿は「あ」と言って固まった。
「まぁ、遊びに行くのは賛成だな」
晶が仕方なく助け舟を出す。
「そういえば、もうすぐ夏祭りでしたね」
あゆむが思い出すように言う。
「お?意外だな、お前らも夏祭りに遊びに行くのか?」
「はい、丁度知り合いの暴走族がいつも仕切っててただで遊ばせてくれるんです」
それはいろんな意味でやばくないか?と思った純。
「あ〜!それって『猫銀暴走族』でしょ!私の近所のお姉ちゃんが入っているの!」
ねこぎん?意外とかわいい名前だな?とつっこむ純。
「私毎年行ってるよ!花火だって見れるから行こうよ!みんなで!」
亜鹿はそう言って楽しそうに笑った。

「・・・・・夏・・か」

晶が感慨深い表情で言った。
その様子はどこか寂しそうだった。
「・・・・・・」
あえて声をかけなかった純、理由は単純に掛けづらかったからだ。
 帰り道
「亜鹿の言ってた夏祭りっていつなんだ?」
「八月の初めにあったとおもいます」
晶と純は帰る方向が一緒だ、今は二人だけ、
純は先程の晶の様子について聞く事にした。
先に歩いている晶の背中に、少し戸惑いながらも話しかける。

「・・・・さっき、夏祭りの話の後、様子変だったけど?」
「あ?・・・見てたのか・・・・」
晶が苦笑しながら頭をかく、
「・・・・いい思い出だけど、苦い思い出でもありそうだね」
純が鋭く指摘すると、晶は空を見上げて言った。

「・・・あぁ、ある意味で、最高の思い出だったな」

晶は歩きながら、純に話した、
自分と親友とある少女の、一夏の思い出を・・・。












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