■変 身
仕事帰りの電車の中は
いつもどうりに混んでいて
疲れた体を
吊り革にぶら下げる
もはや習慣的
帰省本能
会社と家とを行ききする
やせこけた渡り鳥
駅を出た駅前の
寂しげな靴音たちの狭間で
ギクリ、と
気づく
こうじゃない
こうじゃないんだ
路上演奏者の
陳腐なフレーズさえも
胸に痛い
悲観にくれて
もしくは逃げるように
仰いでみれば
夜空はとても澄んでいて
夜空はとても冴えていて
いびつでもいい
左右が不釣り合いだっていい
私に翼をください
ここから飛び立ちたいのです
■アイアム……
私は不器用
私はめんどくさがり
私は要領が悪い
私は人見知りする
私は無愛想
本当はもっと
他人と関わりあいたいけど
実際は
他人とは関わりたくない
結局
何もできずにいる
もどかしい私
そんな
そんな私でも
どうしようもなく
愛しくて……
■はりつけられた者
手足を地に打ちつけられていたので
私は立ち去ることができなかった
はたして誰がここを通るだろう
誰か、助けてください
信じていなかったので
私は神にさえ忘れられていた
はたして神は私を見つるだろうか
神よ、私を見つけてください
勇気がなかったので
私は自分を殺すことができなかった
はたして私はこの苦しみから逃れえるだろうか
何者でもいい、殺してください
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