ヴァンパイアハンター日誌 金髪のヴァンパイア(9/36)PDFで表示縦書き表示RDF


ヴァンパイアハンター日誌 金髪のヴァンパイア
作:金城 ユウ



レイとアルセクト



 旧渋谷区、300年前『真紅のクリスマス』の時に日本で一番多くモンスターが現れた場所だ。
 この日、各国の大都市は壊滅的打撃を受けた。
 そして、復興を始めた人類だが完全にモンスター達に牛耳られた幾つかの地区が残った。日本では東京都渋谷区、港区、目黒区、千代田区、中野区、中央区、大阪府大阪市、堺市が非統制地区としてモンスターたちに占拠されたままだ。
 現在いまでは、これらの地区は壁が築かれ一般人の立入を禁じられている。
 レイはその非統制区の廃墟の中を歩いていた。時折、ゾンビ等が襲い掛かってくるが難なく倒す。そしてこの時間ならアルセクトは旧渋谷駅にいるはずだ。



 廃屋と化した駅のホームに無数の人影が見える。いや非統制区内だ、人間が入り込めるわけは無い。
 彼らの前に銀髪の男が現れた。銀髪をオールバックにして黒のタキシードに、ご丁寧に裏地が赤い黒マントをしている。イメージ的に分かりやすいヴァンパイアだ。
「昨夜、小林がやられた。その周辺から探せ。見つけたら連絡しろ、お前たちでは勝てぬ。散れ!」
 人影が一瞬で消えた。アルセクトはその場を動かない。
「レイか?」
 アルセクトが振り返る。柱の影からレイが姿を現す。
「お前も、ヤツを、カミラを追っているのか?」
 レイの問いにアルセクトが答える。
「今回は協力せぬ。美月の仇は…… 私が取る!」
「それはこっちのセリフだ。カミラは俺が倒す!」
「ふっ、相変わらずだな。だが、私とて美月の仇をみすみす渡すわけにはいかぬよ」
 レイは踵を返した。
「レイ、カミラの事を知らせに来てくれたのか?」
「いや、協力できないかと思っただけだ。無理とはわかっていた。気にするな」
 レイはそのまま闇に消える。
「レイ…… すまぬな。だが200年待ったのだ。美月、お前の仇は取る」



 廃墟と化したビルの屋上、レイはやたらと赤い月を見ていた。
 しかし、その瞳は月を見ているわけではなく。
「美月…… 俺やアルセクトのやろうとしている事を知ったら、君は怒るのだろうな…… でも、このままでは俺もアルセクトも前には進めない」
 レイは立ち上がりと再度、紅月を見上げた。
「カミラ…… お前は必ずこの手で」


今回はちょっと短いです。でも次回からやっとストーリーが動き出しますよ(笑
どんな銃火器を登場させようか楽しみだったりします。
ではまた来週。











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