ヴァンパイアハンター日誌 金髪のヴァンパイア(6/36)PDFで表示縦書き表示RDF


日付が変わるまで30分ほどしかありませんねぇ。ぎりぎりです(笑
読んでくださる方が、いかほどいるのかわかりませんが、遅れて申し訳ありません。

1回ほど、すっぽかしても誰も気付かないのでは? という思いもしますけど……
ヴァンパイアハンター日誌 金髪のヴァンパイア
作:金城 ユウ



残り香



「本日未明に起きた、殺人事件の現場写真だ」
 田坂さんは、20枚ほどの写真を広げて見せてくれた。
 私はその中から4枚ほど抜き取り、じっくり見た後にレイに渡した。レイも写真を見ると頷いた。
「田坂さん、十中八九ヴァンパイアの仕業だと思います。喉を噛み千切られているにしては部屋の血痕が少なすぎますし、もう一人の被害者の衰弱死ですが、おそらく精気だけ抜き取られたのでしょう。部屋の状態から性交の後がありませんでしたか?」
 私の問いかけに佐藤さんが答えた。
「ええ、確かにベットのシーツから、体液が検出されています」
「聞きたいのだが、ヴァンパイアが精気だけを抜き取るなんて可能のか?」
 これは田坂さん。ベテラン刑事なのだから、これくらいの知識は持っていると思うのだけど……
「はい。可能です。精吸鬼とも呼びますがヴァンパイアと同種です。あまり世間では知られていませんでしたが、ハンター内では有名な話ですし最近はテレビで紹介されていますから」
「そうか。続けてくれ」
 私は他の写真をもう一度めくってみたが、興味を惹かれるものは無かった。
「佐藤さん、一緒に部屋に入った女性の写真はこれだけですか?」
 私は金髪の女性の写った写真を手に取る。画像が荒い上に後ろ姿だ。これでは人物の特定は難しい。
「これだけです。後はうまく死角に入られてしまって」
「しょうがないですね。では行きましょうか」
「どこに?」
 レイが怪訝そうな顔で聞いてきた。
「もちろん現場によ」
 私は男三人を急かして事務所を出た。



 現場はわりと近かった。事務所から車で十分ほど行ったラブホテルだ。部屋に入るとまだ血の臭いがした。
「……ものの見事に空ね」
 警察は小さい物は根こそぎ押収したらしい。部屋にあるのはベッドやテーブルなど大型のものだけだ。掃除機までかけたらしく埃一つ落ちていない。手がかりになる物はありそうに無い。
「一応、調べてみましょう。盗撮カメラでもあったら儲けものよ」
 男達が部屋中に散る。私はバスルームを覗いてみたが、手がかりになりそうなものは無い。そこに残された香以外は……
「田坂さん、現場検証の時に女性の方いましたか?」
「いや、いなかった筈だがどうかしたのか?」
「香水の香が残っているんです。本当に微かにですけど」
 だが私には確信があった。それが嗅ぎ慣れた香だったから……
「嬢ちゃんがつけているものじゃないのか?」
「私がつけているのは『SENTIMENTセンチメント』というもので、このストロベリーの残り香は多分『SEXYセクシー GRAFFITIグラフティ』です」
 田坂さんは信じられないと言う顔をしている。田坂さんが佐藤さんを見ると佐藤さんは首を振った。「わかりません」という事らしい。
「確かに秋穂のとは別の香がする。香水の名前まではわからないが……」
 レイが、助け舟を出してくれた。
「一体、どんな鼻をしているのだか。嬢ちゃん、俺は香水の事はまったくわからん。そのセクシーグラフティという香水の残り香で間違いないのか?」
「『リーフ』の秋保さんが、良くつけていますから間違いありません」
 田坂さんは少しだけ考えて。
「わかった。捜査会議で報告しておこう。おい佐藤、鑑識呼んでもう一度徹底的に調べさせろ」
 どうやら、信じて貰えたようである。


今回もお付き合いありがとうございます。

秋穂ちゃん、どんな鼻をしてるんですかという話(笑
次回は新たな犠牲者が出ます。今回のパートの続きですね。
ではまた来週の水曜日に。











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