ヴァンパイアハンター日誌 金髪のヴァンパイア(28/36)PDFで表示縦書き表示RDF


ヴァンパイアハンター日誌 金髪のヴァンパイア
作:金城 ユウ



重荷



 レイ…… ごめん……
 背中をポンと押された。それに逆らえずに、私は倒れていく。
 ガキンと音が鳴って、右腕のギミックが勝手に作動する。右手の中には鋼の感触。
 その存在に気が付き、私は身体をひねった。
「がは…… あふ……」
 肺に残った空気が押し出され、口から血が溢れた。けれど、そんな事気にしてはいられない。
 カミラの顔が見えた。
 渾身こんしんの力で、右手をカミラに向ける。そして指先に力を込めた。
 『人間をなめるな!』声は出なかったが、私の唇ははっきりと血を溢れさせながら動いた。
 落下が止まった。したたか地面に打ち付けたはずだが、もう痛みすら感じない。
 視界がぼやける。端の方から暗く、白く、世界が色を少しずつ失っていく……
 レイの金色の瞳が見えた。私は、冷たい地面に横たわっているわけではなく、レイに抱きとめられたらしい。
 駄目だよ…… 服が汚れちゃうよ。
 レイが、何か言っているが、はるか遠くに聞こえはっきりと聞き取れない。
 ごめんね……
 とぎれかける意識を集中して唇を動かす。
 最悪だ。美月さんのことを、いいえ、レイと出会ったときから、私はこんな死に方をしてはいけなかったのだと思う。
 レイは、自分を責めてしまうから。
 レイの責任じゃないと言っても、重荷を背負ってしまうから。
 だからこんな死に方をしてはいけなかった。これ以上の重荷を背負わせてはいけなかった。
 ごめん…… レイ……
 でも、私はレイに重荷を背負わせなければいけなかった。更なる重荷を……
 ごめんね。残酷だよね…… でも、あなたにしかできないことなんだ。
 もう目が見えなくなっていた。レイの顔を見なくて済むのは救いかもしれないが、少し寂しかった。
 ……吸って。
 もう一度、ゆっくりと唇を動かす。
 私の、血を…… 吸って。
 レイの姿を見ることはできないのに、なぜか、レイが首を振っているような気がした。
 だ・め。
 だめなの。レイが止めてくれないと誰が止めるの?
 私の…血を…吸い…なさい…レイ……ブラッド……あなたが…止め…る…の…もう…こんな事…二度と……お…お願い……レイ……
 残った力で想いを伝えるために唇を動かす。
 ごめんね、レイ。
 リーフでの何気ない、いつもの風景が脳裏に浮かんだ。マスターがいて、秋保さんがいて、レイがいて、私がいる。何気ない、穏やかなやさしい時間。
 ごめん。
 私が壊したんだ。
 ごめん。もう戻れないよね?
 でも、レイと会えてよかったよ。
 たのしかった。
 ありがとう。
 レイ……


今日はいけるところまで行こうか。といってもあと1話か2話ぐらいだけどね。

で、本当にどうするよこの展開……
タイトル変更?











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう