ヴァンパイアハンター日誌 金髪のヴァンパイア(11/36)PDFで表示縦書き表示RDF


ヴァンパイアハンター日誌 金髪のヴァンパイア
作:金城 ユウ



作戦前


「作戦を、中止してください!」
 私はバンと机を両手で叩きながら、警視に詰め寄った。
「ふん、気に入らないなら作戦に加わらなくてもいいが、どうするかね。葉月君」
「非統制区に入る事に反対していません。モンスター達に対する訓練どころか、ろくなレクチャーすら受けてない捜査官達を非統制区に、ろくな装備を持たさずに入れる事に反対しているのです」
 警視は目線を私から外した。私の言うことについて何か思うところもあったのだろう。頭ごなしに否定はしなかった。
「いいかげんにしないか!」
 怒鳴り声を上げて席を立ったのは、同じハンターだった。
「捜査官の同行は上が決めた事だ。ごたごた言わずにしたがえばいい。それに、このことについて反対しているのは君だけだ。他のハンターは了承している」
 確かに、彼らに自分の身は自分で守れと突き放してしまえばよいのだろう。責任は彼らの上司にありハンターには無い。
 私はため息をついて下を見る。初めから作戦の変更が無いのはわかっていた。ただ言わずにはいられなかった。無駄に犠牲者を出したくは無かったから……。
「……わかりました。作戦を了承します」
 警視の顔に喜色が浮ぶ。
「そうか、そうか。では各人、準備をしてくれ。作戦開始は15分後だ。では解散」
 臨時の会議室から、皆が出て行く。
「秋ちゃん」
 師匠である舞奈まいなさんが声を掛けてきた。
「大丈夫です。いくらなんでも自分の意見がすべて通るとは思っていません…… あたえられた状況下で全力を尽くす。舞奈さんに叩き込まれたことですから」
「そう、ならいいわ。それじゃ先に行くね」
「ありがとうございました」
 私は舞奈さんの背中を見送る。
「田坂さん、佐藤さん、ちょっとついてきてくれませんか?」
 私は2人を外に連れ出した。



 2人を連れて外に出ると、タコ坊主、いや『斬』の店長が立っていた。夜だというのにサングラスはつけたままだ。
「よう、秋穂ちゃん。ご注文の品を持ってきたぜ」
 そう言って1BOX車の後部座席を開いた。フラットにされたそこにはP90という軍用短機関銃が4丁並んでいた。
 P90は人間工学に基づく、従来にない斬新なデザインをしていることが特徴で、反動も少なく比較的扱いやすい機関銃だ。
「ベルギーのFNファブリックナショナル社製、軍用短機関銃4丁と50発入り通常弾倉40本。それに、対ヴァンパイア用の特殊弾頭入りの弾倉12本。今あるだけの在庫をもってきた。ただ、FN Fiveファイブ-seveNセブンは在庫が無かった。いやー急にメールで、注文がきたんでビックリしたぜ」
 Fiveファイブ-seveNセブンはP90のサイドアームとして開発された拳銃だ。弾丸はP90と同じものを使用する。けれど無いものを強請ねだってもしょうがない。
「それはこっちでどうにかするわ。悪いのだけど支払いはこれでお願い」
 私はハンター証を差し出した。
「秋穂ちゃん、ウチはいつもニコニコ現金払いが原則。帰ってきてからでいいから」
「でも、正直なにがおき……」
 店長の指が私の唇に触れた。
「怪我しないで帰ってきて、現金で払いにきてくれよな」
 店長の指が私の唇から離れた。うわ〜、店長キザすぎ…… でも、そう言ってくれる事には感謝する。
「店長かっこつけすぎ」
「そうかい?」
 店長はいつものように白い歯を見せてニカッと笑った。
 でも、商人としては失格かも……


今回も読んでいただきありがとうございます。

動く動くといった割には、まだ入り口でウロウロしている始末…… ごめんなさい。
次の更新時には突入していないですねこのペースでは。
次回がこの続きで、その次にレイとカミラ視点の回が入りますので、非統制区内の話に入るのは、年明け(2日)になりそうな予感(汗
今年最後の更新で2話更新するんも良いかも。











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