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さーて、鬼が出るか蛇が出るか

――しばし後

 俺達は、ハルジーの先輩だとかいう元傭兵の店に行って見ることにした。

 “酔いどれ牛”を出て裏通りを歩き……


「なぁ、ニーちゃん。カワイイ女連れてるじゃねぇか」


 いつぞや聞いたセリフがまた聞こえて来るな。

 その方を、チラッと見やる。

 あー、やっぱしゴロツキその四と五だ。

 チッ、マンドクセ。とりあえずまた“衝弾”で……

 マントの下で結印を準備。


「って、コイツ、あんトキの……」


 あー、気づいたか。カワイソーなぐらい、顔面蒼白だ。でもどーする? ヤルんか?

 準備万端で身構え……


「ナニやってんだテメーら!」


これまたどっかで聞いた声。

 遠方から走ってきたゴロツキその一がラリアートで二人まとめてなぎ倒した。

 ナンかおもいっきし顔面を石畳に叩きつけられてんだが……


「ソースケさん、コイツらが失礼しました!」


 そしてそのままその四と五の顔面を地面に擦り付けている。


「いや……もういいさ。もういいって」


 ちっとカワイソウだ。

 まー、でもまたちょっかいかけてきたら、もーいっぺん“衝弾”ブチかますケドね。


「ありがとうございまス! さぁ、テメーら……ソースケさんに謝んな」

「す……すいませんでした!」

「ほんの出来心で……申し訳ありません!」


 その四と五が半泣きで謝罪する。


「いやだから、そこまでせんでも……」


 正直ドン引きである。

 ついでにエスリーンも引いてる。


「ま、まぁ別に気にしちゃいねェさ。そ、そーだな……今からハルジーさんの先輩とかいう人の店に行くんだが……一緒に飲まね?」


 せっかく知り合った仲だ。親睦を深めときゃ、ナニかいーコトあるかもしれん。今は懐も暖かいしナ。それに……初めて行く店だ。道連れ……もとい、一緒に行くヤツは多い方が心強い。

 が……


「だ……ダムロンさんの店っすか!?」


 ゴロツキその一は、青い顔をして後ずさりやがった。

 ……つか、そのまま二人の顔面を地面に押し付けながら後退すんなや。器用なヤツめ。つか、ソイツらの顔面、ダイジョーブなんかね?


「お……おう。仕事の依頼を受けてな」

「あ……あのっ、俺達如きにゃ不相応なんで……ま、また今度ハルジーさんの店で飲みましょう!」


 そう言うと、ゴロツキその一は四と五を引きずって俺達の前から逃走した。

 つかさー、四と五、フツーに走れるんだから、離してやれや……


「……」

「……」


 俺とエスリーンはその姿を見送ると、しばし無言で見つめあった。


「……どーする?」

「私に聞かれても……」

「そ、そーだな。とりあえず、話だけでも聞いてみよう」


 ……さーて、鬼が出るか蛇が出るか。



――大熊亭

 ここがハルジーの先輩だとかいう元傭兵の店だ。

 また今度も、熊とは名ばかりの、ヒョロっとしたジーさんが出てくるんかいな?

 などと看板を見上げ……


「…………」


 いや、ここに突っ立ってたってしょーがねェ。

 入るか。

 恐る恐る扉を開け……


「オウ、らっしゃい!」


 店の奥から響く、デカい声。

 ……ビビっちまったゼ。

 エスリーンに至っては、逃げそーになってら。

 そしてカウンターにいる一頭の熊……じゃなくてオッサン。

 あーこっちは文字通りか。結局出たのは熊だったか。


「ハルジーさんの紹介で来た者ですが……」

「ふん? ……ハルジーの?」


 首を傾げてら。

 ……え? ちょ、まさか、あのオッサン間違えた!?


「もしかして……食材探しの件か? あんたらが……」


 疑念のマナザシ。

 あー、ナルホド。頼りないですか、そーですか。


「ええ。この通り」


 とりあえず、ギルドのタグを示して見せる。

 一応俺は二件仕事をこなしたので、一つランクが上がって正式メンバー扱いとなっている。つまり、Eランク? エスリーンはまだ見習い扱いのままだ。

 そーいえば、あのゴロツキどもは、CあるいはDに相当するランクらしい。

 ……ダイジョーブなんか? あんなんが中堅ドコロで。

 ま、いいか。


「ふむ……まだひよっこのガキか。だが、ハルジーのヤツが寄越したって事は、それなりにデキるのか?」

「……試して見るかい?」


 ニヤリと笑ってみせる。

 一応不敵な笑みっぽくしてみたが……引きつった笑みっぽくなった気がしなくもない。

 チラとエスリーンを見るが……目をそらしやがった。

 う〜む、やっぱダメ? かなりレベルアップして自信がついたハズなんだがな〜。

 ちなみに現時点でのレベルは8。ソコソコ強いハズだ。



――――


 名前 : 仁木壮介 性別 : 男 種族 : 人間 経験レベル : 8 身長 : 166cm 体重 : 53kg

 体力度 : 20 耐久度 : 20 器用度 : 24 敏捷度 : 18 幸運度 : 16

 精神力 : 20 精神耐久度 : 18/18 知性度 : 15 知恵 : 14 魅力度 : 14

 HP : 48 / 48 MP : 46 / 46 / 46

 攻撃修正 : +32 回避修正 : +30 速度 : 速 魔法修正 : +31 魔防修正 : +30 / 30

 スキル : 剣術6 格闘3 黒魔術3 神聖魔法2 危険感知 2 暗器術 1

 所持金 : 596958 経験点 :4282

 武器 : 聖剣 ナイフ 匕首 防具 : レザーアーマー

 装備 : 服 リュック 所持品 : スマートフォン 魔導石1

 言語 : トゥラーン語2 ゼルゲト語1 ソアン語1 アトラス語1


――――



 ……というか、もーちょいで人外の領域に入り込めそう?

 通常の人間の限界値は20ぐらいだっつーハナシだしナ。

 さて、どーなるコトやら。

 それはそーと、仕事のハナシだ。


「ふ〜む。いまいち頼りなさ気だが、まぁよかろう。それにしても……」

「?」

「いや……なんでもない。それよりも、だ」


 ナンだ今の間は。


「とりあえず、座ってくれ。仕事の内容を話そう」


 熊……いや、ダムロンだっけ? は俺達にカウンターのスツールを示した。

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