イチャイチャしたい
初雪が観測された日
高校生の僕は幼なじみであり、彼女でもある相子と下校していた。
幼なじみとはいえ付き合い始めたのはつい最近だ
『それにしても今日は寒いねー』
『そうだな』
『手、かじかんできちゃった』
相子は手のひらを擦り合わせ、チラチラとこっちを見ている
『えっとそれは』
そういう意味なのだろうか。と僕が考えてると
『はあー、私の彼氏はこんなわかりやすい誘いにも気づかない鈍感さんだったかしら?』
相子は容赦なく煽ってきた
『じゃあ、手、繋ぐか?』
『な~に?もっとハッキリ言ってくれなきゃ聞こえませ~ん』
相子は更に耳を塞ぎながら煽ってくる
ウザ可愛い
僕は観念するように白いため息を吐きながら相子に手を差し出す
『繋ぎたいです!よろしくお願いします』
『ふふふっ、よろしい』
そういって相子は僕の差し出した手を握った
『こうやってイチャイチャするの夢だったの』
相子は繋いだ手を前後に振り、ご満悦の様子
今までは幼なじみとはいえ付き合ってるわけではなかった為、
僕らはどこか遠慮があった。
しかし、晴れてカップルになった今、僕らにリミッターはない。
そんな中、相子は更に大胆な行動に出る。
『ねえねえ、このまま腕も組んでみよっか?』
『なっ!』
『やっぱりダメ?』
相子は少し上目遣いできいてくる。
断れるわけがない。
『よしこい!』
『やったー!』
相子は大喜びで腕を組んできた。
めっちゃ近い。なんか顔とか肩とか胸とか色々当たってるし、もう緊張で地面しか見えない。
頭から湯気でも出てるんじゃなかろうか。
それからしばらく腕を組んで歩くと、段々と周りからの視線が増えていることに気づいた。、
冷静になると視線が痛い。超恥ずかしい。 いや、恥ずかしいのは最初からだが。
相子はどう思ってるんだろうか?
チラッと相子の方を覗くと、丁度相子もこっちを見ていて、目があった。
その瞬間
『『ぷっ!』』
たまらず吹き出した
『『顔真っ赤じゃん!』』
それからひとしきり二人で笑いあったあと、僕は提案する。
『なあ、やっぱ腕組みはやめないか?』
『うん。自分から言っといてなんだけど、これは恥ずかしい』
どうやら僕らにはまだ、腕組みは早かったらしい
『続きは来年にすっか』
『うん』
来年の約束をして歩き出した二人の手は激しい熱を帯びていた