第一話 〜幕間〜
『えー、どうやら謎の生物はあの魔法少女によって倒された様子です。現場の高橋さん、そちらはどのような状態ですか?』
『はい、現場の高橋です。えー、まじかる☆うぃっちナツキと名乗る少女によって、自衛隊でも歯が立たなかった巨大な謎の生物は退治されました。そしてその少女は今大勢の人々にサインを求められ、日の暮れた今現在でもサイン会は続いています』
魔物が倒されてから早くも数十分。すべてのチャンネルでは、謎の魔法少女についての報道をしていた。そしてそれは全国に中継され、日本全土にその姿は流れている。
当然、真理もそのニュースを見ていた。
『それでは、先程のVTRをもう一度見てみましょう……』
画面が切り替わり、ナツキが登場するシーンになる。
『まじかる☆うぃっち・ナツキ! 只今参上ッ!』
唖然としながらその光景を見つめる真理。彼女は自宅に帰ってから数分間自室に籠り日記に夏樹の事を何行も何行も書き記し、満足してリビングに来てテレビをつけてからずっと首を傾げっぱなしだった。
最初から見ていないから話の流れは分からない。だがそれ以上に気になるところがあった。
(あの人……どこかで見たような?)
自宅にいる時はメガネを外している事が多いのだが、今はメガネを付けて画面を凝視していた。忘れている誰かを必死に思い出そうとして、知りえる情報を脳内で反芻してみる。
(まじかる☆うぃっち……ナツキ)
そこまで辿ってから、夏樹の事を思い出した。たった一日しか顔を合わせていないのだが、何故か真理は鮮明に思い出す事が出来た。窓の外を何かを探すように眺める横顔に、梓にからかわれて困った表情の顔。そしてうっすらとオレンジ色に染まり始めた夕日に照らされて、静かに微笑むあの顔。
(夏樹さん……)
真理の脳は、すっかり魔法少女の事を除去した。そして、ちょっと気になるあの人に関する情報のみが残る。
(せっかく友達になれそうですし、ここは一気に仲良くなれる方法を……)
なんか色々考え始める真理。手作りお弁当とか何か色々考えているうちに、テレビは通常のプログラムに戻るのであった。
|