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最後の泣き顔

作者: ぱくどら

一応赤い瞳に出てくるキャラ名は出していないので、読んでいなくてもわかるかもしれません。

が、やはり先にお読みいただいたほうが、より理解しやすいと思います…。


 暗い。なにも見えず、なにも考えられない。わかることは俺一人だということ。


痛みが遠のき始めたと思ったら、この空間に放り込まれた。なぜだろう、ものすごく寂しい。


俺はなぜここにいるのか、なぜ俺は一人なのか、なにもわからなくなってしまった。



…なにか遠くで俺の名を呼ぶ声がする。懐かしい声。聞きたかった声。…思い出す愛しい顔。


     ◇     ◇


意識が戻ると同時に、全身に痛みが走る。焦点が合わず光が異常にまぶしい。


やっとのことで見えたものは…泣き顔。愛しい人の顔。


その瞳から涙が溢れている。何回と見てきた泣き顔。


あぁ…また俺が泣かしてしまったのだ。守ると誓ったのに…結局俺が彼女を困らせている。


彼女は必死で俺を呼びとめようとしてくれる。俺もそれに応えたい…だが全身がいうことを聞かない。


手に温もりを感じる。彼女の温もり。せめて…この手だけでも彼女に応えたい。


彼女との誓いは果たせたのだろうか、そんな問いに彼女は温もりで返してくれる。


温かい。あの空間に戻らずにずっと彼女を感じていたい。


だが、彼女の泣き顔がぼやけ始める。輪郭を失い、声さえも遠のく。


最期、俺が彼女のためにできること。


彼女の幸せ。それを願うこと。


意識が遠のき、次第に光が失われる。温もりさえも…遠くなる。



幸せに。



彼女が寂しくないように俺は笑顔で見送る。


愛しい君。


最後まで泣かせてしまって申し訳ない。でもそんな君も好きだったんだ。


最期まで君と一緒で嬉しい。


俺の分まで幸せに。俺の分まで生きてくれ。


お読みいただきましてありがとうございました!


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