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アメリカかぶれLAに渡る
作:蒔田 龍人



迷子おじさん。


やっとこさっとこビザが下りて、即効で部屋ん中の物をいっさいがっさい処分して、大切なビデオ(エロじゃないよ)まで間違えて捨てちゃって、っで、やってきましたロサンゼルス!其の参。
アメリカの航空会社で来たものだから、到着ロビーがいったいLAX空港のどのポジションに位置しているのかがわからなくて、迎えに来てもらっているはずの我が先輩の姿も見当たらずウロウロ。携帯電話なんてまだ持っていないし…。
っでね、勇気を振り絞って聞いてみましたよ、白人のおじさんに。
『ふぉ、ふぉえあぁぁ、あ、あむ、あいぃ…。』
『はぁ?ぺらぺぇ〜ら?ぺらぺぇ〜ら?』まったくの早口で完璧に何を言っているのかわかんない。やばい。
何がやばいかって、『この空港から果たして外へ出、先輩に無事会うことができるのか?』よりも、『果たしてアメリカに着いた第一日目にして無事にワインをテイストしながらゆっくりとディナーを楽しみ、軽くあたたかい羽毛布団で幸せに就寝することができるか?』よりも、『このおじさんに聞いてしまった以上、何を言われているのかもわからん状態で、イッタイどんな方法でこのおじさんに受け答えすればいいの?』のヤバさの方がダントツに勝っていて、『とんでもないことをしでかしてしまった。』と、軽率に本場のアメリカンジェントルマンに話しかけてしまった自分を責めたのだけど、いま自分を責めてみたところで一向にこの場が解決する筈もなかったので、腹を決めて答えましたねぇ。
百戦錬磨の俺だ!やればできる!やればできるんだぞっオマエは!さぁ!何か言うんだ龍人!

『パードン?』

これかよーっ!おい!
もうちょっと捻れよアンタ!いつもこれで失敗してんだろ?聞こえてないんじゃなくて、理解してねぇんだよアンタは!またおんなじ事言ってくるぜぇ、この白人オジサン!
って、もう一人の俺(by E.YAZAWA)が怒って怒鳴ってると思っていたら、その白人オジサン、なんと『マイゴ?オジサン、マイゴ?』って、今度は日本語で語りかけてきたのです!

うろたえながら、今後の傾向と対策を「もう一人の俺。」と模索してる最中だった僕は、感激してしまった反動で、とっさに『ソウソウ!ワタシ、マイゴオジサーン!』って返していたのですよ。果たして何であの白人は『マイゴ』という単語を知っていはいても、『オジサン』まで咄嗟に口から発することができたのか?いまだに謎なんだけど、とにかく『オ〜、ユー、マイゴオジサーン!オーケーオーケー。』って地図出してくれて、『アナタ、イマココ、エグジット、ココ。』って指指しながら丁寧に教えてくれたのでした。

これから新たな人生が始まるロサンゼルス空港に到着して、新たな人生の船出となる初めての現地アメリカ人との会話が、『ワタシ、マイゴオジサン。』だもん、その場で死のうかと思った。














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