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アメリカかぶれLAに渡る
作:蒔田 龍人



生きた英会話。


そんなこんなでロサンゼルス旅行も一人とて死ぬことなく無事全員に帰国。
実際に地球の裏側で生活している人達を目の当たりにしてしまった僕は、「なんとしても人生で一回ぐらいは住んでみたい病」が体中に転移してしまっていたのだけれども、それに先立って「えいご」がゼーンゼン喋れないことに気がついたんっすよねぇ。
だってあなた、なんつったって、なんでも「パードン?」だからね。『まぁ、俺のことは「ミスターパードン」とでも呼んでくれ、フフ…。』なんて言ってる場合じゃなくて、せっかくだけど英会話が無理ならアンタ無理だわ。って半ば諦めムードが足元からドンヨリを漂い始めた丁度その時期、まったくナイスなタイミングで今度は「社員旅行」ではなく「仕事」としてロスに出張となったのですよ、これが。
っで、またまたやってきました、ロサァ〜ンゼルス。
前に来た時と、まぁーったく変わってない青い空、歩いているのはみな外人、相変わらずの右側車線。思わず「う〜ん、ただいま。」って、「だけどズウズウしいったらありゃしない、まだ2回しか来てないのに。」そう心ん中で自答しちゃうほど興奮してたんですなぁ、僕は。
だがしかーししかーししかーし、やっぱ英語が出てこんのですわ。エーゴが。
車の仕入れもあるから、査定するときに聞かんきゃならんことが結構あるのに「パードン?」もねぇべよぉ〜、って考えると「あ、アイ、すっ、スピーク、いっ、インディアン…。」ってな具合になっちゃう。めちゃくちゃナーバス。「ん〜、…ナーバス。」って、知ってる人しかわかんないジジィギャグで自分をリラックスさせてるしか方法がなかったんですな。
でね、実は僕が勤めさせてもらっていた会社はロス支社があって、そこの支社長(日本人)に通訳してもらうことになったんですよ。
「支社長、この車、いいんですけど、ここんとこ、ね?ウインドウガラスのここんとこに飛び石の傷が入ってるでしょ?だからこのウィンドウガラスの交換って、いくらになるのか聞いてもらえませんか?」
「オーケーオーケー!だけどオマエさぁ、それくらいは話せるようになっとけよ、ったく!」
さすが、ロス在住のロス支社長、こんなレベルは朝飯前なんだなぁ、やっぱそれくらいじゃないと住めんなぁ…。と感心すると同時に落ち込んでいた僕のその前で、
「ディス ウィンドウ ノ チェンジ ハ ハウマッチ ダ ?」
って、でかい声で白人に聞いている支社長の言葉が耳に入って、最初は理解できなかったんだけど、よーく、よぉ〜く頭ん中でリピートしてみると、「今言ったのって、文法になってんの?全部英語だったいま?いいの?あんなんで?」って疑問が沸々と沸いてきて、「あれだったら、俺にも言えるんでないかい?」っていう、「自信」っていうよりも「ショック」の方がデカくって、「おいおい、アメリカ君が向こうから近づいてきたぞコリャ。」って大きな勘違いを勝手にしちゃって、すっかりその気になり始めたのです。












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