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第94話 5日目の夕食後の報告会。(トレンチコートの契約のまとめ。)

夕飯後、客間にエルヴィス爺さん、アリス、スミスと武雄が移動する。

フレデリックが食後のお茶を入れ、皆の前に置き、皆から少し後ろに下がる。

「うむ。では、今日のタケオの報告でもしてもらおうかの。」

「わかりました。

 今日は仕立て屋に行ってスーツとコートを受け取ってきました。

 これは後ほどお見せしますね。


 まずは私と仕立て屋との仮契約が最終合意しました。

 内容は 

 ・トレンチコートの販売権、デザイン権は仕立て屋が有すること。

 ・仕立て屋の本社及び仕立て工場はこの街に置くこと。

 ・タケオ・キタミザトへのデザイン料は1着あたりの売値の2割とすること。

  また、タケオ・キタミザトが死去等した場合は、エルヴィス家にデザイン料を納付すること。

 ・市販用とエルヴィス家の者と仕立て屋の店長の双方が許可した者しか着れない専用の2種類の品質を基本の型とすること。

 としました。」

「うむ。

 デザイン料についてはエルヴィス家を追加したのかの?

 それ以外は、前に聞いていた通りだの。問題ない。」

「はい。

 これは私とアリスお嬢様のお小遣いとしてです。

 では、

 次にエルヴィス家からのトレンチコート発注についての話です。

 発注予定数は総数900着。

 売値は、1着:金2枚と銀5枚となりました。

 また、エルヴィス家より1着当たりの補助金は銀5枚になります。

 補助金の支払いは、3年分割にて支払うことで仕立て屋より了承を得ています。

 あと、仕立て屋からは、月45着納品できる旨の確約をいただいております。

 仕立て屋への支払いは、月45着を納品した際に、エルヴィス家から一括で支払うとなりました。

 先ほどの私との契約書と一緒にフレデリックさんの所に注文書と請書を持参し、契約捺印することは連絡済みです。」

「うむ、そこも問題ないの。」

「近々持ってくると思いますので、よろしくお願いします。」

「私の方もそれで構いません。」

「はい。

 と、同時に、兵士の支払いは1回、4回、8回から選べる様にしました。

 兵士からの支払いは給料の天引きで行い。

 金額の分割支払いをした者の把握と各集金の管理は第4小隊にて行うことが決まりました。

 また、集金した金貨は兵士長が預かり毎月エルヴィス家に納金することなりました。

 上記の正式通達は、エルヴィス家より兵士長宛の命令書にて行われます。」

「うむ、それも打ち合わせ通りじゃの。問題ない。」

「トレンチコート関連は以上で契約完了します。

 あとは、この先の販売網を構築するのみとなりました。」

「うむ、ご苦労じゃったの。」

「いえ、向こうの熱意が凄いだけですよ。」


「タケオ様、毎月の仕立ての数が45着ですか?タケオ様の予想は現状30着が限度と言っていましたよね?」

スミスは質問してくる。

「そうなんですよ、スミス坊ちゃん。

 私の予想では現状、なんとか30着を作り始め徐々に生産数を増やしていって、将来的には月50~80着作れるとしたのですが、まさか初回から45着という数値が来るとは思いませんでした。」

「それはどうなのでしょうか?」

「スミス坊ちゃんの感じる疑問・・・過剰生産を請け負ったことですね?」

「はい。タケオ様の言葉を整理すると、いきなりその数を作るのは、あの人数では不可能だと言っているようでしたので。」

「・・・スミス坊ちゃん、ちなみに私が不可能だと思ったのはなぜだと考えます?」

「え、現状の職人を総動員して30着だからです。

 例え新たに教えながら作ってもそんなに早く、多くは作れないでしょうし。」

「その通りです。が、裏技があります。」

「なんですか?」

「私は徐々に増えていく・・・つまりは素人を仕立て屋で教育をしていく方法を取るだろうと考えていたのですが。

 仕立て屋は、それを金銭で解決させる方法を取りました。」

「どういうことでしょう?」

「他の仕立て屋に在籍している職人を雇用したか、もしくは店ごと買ったのでしょうね。」

「え?店ごと?それは・・・」

「あれ?フレデリックさん。この世界では珍しいのですか?」

「そうですね、あまり聞かないですね。タケオ様の方はどうです?」

「私のいた所は結構、頻繁にしていましたよ。

 どことどこがくっついたとか話題になっていましたし。

 同業種同士だったり異業種同士であったりいろいろです。」

「ほぉ、異業種ですか・・・例えば?」

「簡単に言うと酒屋、青果屋、魚屋、精肉店、干物屋、雑貨屋を一つの店の中で取り扱うとかですね。」

「ん?タケオ、それはちと多すぎないかの?」

「そうですか?私はそんな世界だったので、何とも思いませんが。

 そうですね、イメージしてくださいね。

 店に入った時に今晩の夕飯は何にしようかな?と考えたとします。」

「はい。」

アリスが言う。

「魚も良いけど・・・あ、今日はお肉が良い色で美味しそうだと気が付きます。

 さらに肉に合う野菜は何か売っているかな?と考え野菜売り場へ。

 いや、そろそろ寒くなってきたし、赤ワインで煮込むのも良いなぁと思ったりもします。

 余ったお酒を飲みたいからツマミも物色しようと考え、

 そう言えば昨日鍋を焦がしてしまったの新調しようかと考えます。」

「・・・タケオ様、お腹が空きました。」

アリスが武雄を見る。

「アリスお嬢様、今食べたばかりですよ。

 ・・・てな感じで、店の中をあちこち見ながら決められるというメリットがあります。」

「なるほどの。」


「少し話が逸れましたが、仕立て屋は何かしらの方法で素人ではない職人の数を増やしたと思います。

 私的には、仕立て屋は賭けにでたと感じています。」

「え?賭けなのですか?」

スミスは更に疑問を言う。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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