第84話 客間に戻ってきたのだが・・・爺さんがアリスで遊ぶ。
客間のドアを武雄はノックする。
中から「どうぞ。」と許可が下りるのを確認し扉を開け入室する。
中にはエルヴィス爺さんとフレデリックがいた。
「失礼します。」
と中に入る。
エルヴィス爺さんは、ニヤニヤ顔。
フレデリックは、にこやかにしている。
「うむ、アリスはどうであった?」
「終始元気でしたよ。」
「うむ、そうか。」
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しばらくして、客間のドアがノックされる。
エルヴィス爺さんが入室の許可を出すとアリスが扉を開け入って来た。
「お爺さま、おはようございます。」
「アリスおはよう、体調はどうじゃ?」
「特に何もないですね。
寝すぎて逆に体が痛いくらいです。
ダルくもありません。」
「うむ、そうか・・・で?どうじゃった?」
アリスが、その言葉にビクッとする。
「ど・・・ど・・どうとは!?」
アリスは緊張のあまりカミカミになる。
武雄は素知らぬ顔。エルヴィス爺さんは、ニヤニヤしながら。フレデリックは、にこやかに見ている。
「アリス、何を緊張しておるのじゃ?
わしはフレンチトーストの感想を聞きたかったのじゃが?
美味しくなかったのかの?」
「あ・・・そちらでしたか。
大変美味しかったですよ。」
「ほぉ・・・タケオは結構な量を持って行ったのかの?
客間に来るまで時間がかかった様じゃがの。」
アリスが、その言葉に再度、ビクッとする。
「そ・・・そ・・そんなことはないですよ!?
大した時間はた・・・経っていないはずです。」
「うむ、そうかの。」
フレデリックはアリスにお茶を出す。
アリスも喉がカラカラ状態なので飲み始める。
「で、タケオは優しくしたかの?」
ブォッっとアリスは噴き出す。
「ゴホッ・・・ちょ・・・え・・・」
「なんじゃ?タケオは病人の看護も出来んのか?」
「タ・・・タケオ様は、ちゃんと看護してくれました。」
「うむ、そうか」
「エルヴィスさん、アリスお嬢様で遊ぶのもそのぐらいで終わりにしては?
そのうち怒り出しますよ?」
武雄は苦笑しながら言う。
「そうかのぉ、もう少しいけそうかと思ったのじゃが。」
アリスは二人の会話の中身がわからない。
っというよりどういうこと??と驚き顔だ。
「うむ。アリスは無事にタケオと契った様だの。」
「え!?何で・・・聞こえたんですか!?」
アリスは顔を赤くして言う。
武雄は「あぁ・・・自白しました」と思う。
「そうか、したか。」
「はい。アリスお嬢様とは先ほど。」
「タケオ様!?」
「アリスお嬢様の自白で終わりですよ。」
「うむ。・・・アリス、タケオ。」
「「はい。」」
「おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「お爺さま、ありがとうございます。」
アリスはエルヴィス爺さんの言葉に少し涙を流した。
「で、アリス。」
「はい。」
「タケオは優しくしてくれたのかの?乱暴はなかったかの?」
「はい、大丈夫です。」
「そうか、それだけが心配じゃった。」
「・・・なにか私が乱暴者に聞こえますが?」
「いつものタケオなら平気だと思うのじゃが、豹変したら大変だからの。」
「いやいや。男なら豹変はするものでしょうが、度が過ぎなければいいのではないでしょうか?」
「うむ・・・暴力はいかんぞ?」
「はい、するつもりもありません。」
「うむ、ならば良い。」
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「で、アリス。どうするのじゃ?」
エルヴィス爺さんは、アリスに聞く。
ちなみに武雄は仕立て屋にコートとスーツを受け取りに行っている。
アリスは体に無理をさせたのでお留守番中。
「どうするとは?」
「いや、住む部屋じゃよ。別々という訳にもいくまい。」
「んー何も考えていませんね。
タケオ様も何も言いませんし。」
「うむ。タケオはたぶん引っ越しとか考えていない様だしの。
わし的には、この屋敷に住んでもらって良いからの。」
「わかりました。とりあえず、ここに住みます。」
「スミスもいるのじゃから節度は守るのじゃぞ?」
「お爺さま!わかっています!」
「本当かのぉ・・・心配じゃ。
真昼間から男の要求に応えてしまう娘じゃからのぉ。」
エルヴィス爺さんは、ニヤニヤ顔。
アリスは顔を真っ赤にしてうつむくしかできない。
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「フレデリック、二人の部屋はどうしようかの?」
「そうですね・・・屋敷の奥に空いている部屋がありますが。」
「あぁ、息子夫婦が使っていた部屋とは違う方の部屋じゃの。」
「はい。あの部屋は誰も使っていませんので問題ないと思います。
広さも十分ですし、タケオ様用に隣に小さな部屋も用意できそうですし。」
「うむ。では、アリスとタケオの部屋はそこにする。
タケオが居ない間に引っ越しを終わらせるかの。」
「え?タケオ様に断りもなくですか?」
「うむ。帰ってきた時のタケオの行動が面白そうじゃろ?」
「ベッドとかはどうしますか?」
「・・・今の所は息子夫婦のを使わせるかの。
そのうち、二人で新しいのを買いなさい。」
「わかりました、お爺さま。」
「では、行動開始じゃ。」
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