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第80話 4日目の夕飯後の報告会。(魔法具商店での話。)

夕飯後、客間にエルヴィス爺さん、アリス、スミスと武雄が移動する。

フレデリックが食後のお茶を入れ、皆の前に置き、皆から少し後ろに下がる。

「うむ。では、今日のタケオの報告でもしてもらおうかの。」

「わかりました。

 まずは魔法具商店に行って私の小銃の改造仕様を打ち合わせしました。

 初回の試作まで1週間かかり、出来上がり次第、どこかで試射してまた改造をする予定です。」

「うむ。ちなみに武雄の想定だとどんなのが出来るのかの?」

「そうですね・・・良い方向に行けば『対物ライフル』という化け物を作れます。

 悪い方向に行けば水鉄砲です。」

「・・・悪い方は失敗だの。」

「ええ。その時は、一から考え直します。」

「で、良い方の武器はなんじゃ?」

「私も本等での知識なので正確には言えませんが。

 有効射程1~2km、高威力の銃で土嚢や壁などの障害物に隠れる敵や馬車に乗っている敵に対して使用し、壁や馬車を貫通させて当てる兵器になるでしょうね。」

「「「「は?」」」」

皆が驚くのだった。

「ちょっとまて、いきなり凄いのがきたの?」

「?そうですか?

 あれ?この話は小銃の進化の話で触れたと思っていましたが?」

「言われた気がしないが?」

皆がうんうんと頷く。

「・・・確か全面鉄板張りの自走式の馬車ができますよっと言った気がするのですが?」

「確かに聞いたの。」

「はい。で、その馬車をどうやったら仕留められるかと考え、弾丸を大きくしようと考え付いたと言った気がします。」

「・・・確かにそれは聞いたの。」

「その武器を作りました。」

「しれっと言うの。まずは連射が先なのではないのかの?」

「・・・私は進化の歴史は言いましたが、その通りに行くとは言っていませんよ?

 と言うかですね、ちょっと考えてください。」

「うむ。」

「魔法の話で良いですか?

 まずは『ファイア』を学んで単発の攻撃を習うとします。」

「はい。」

アリスは言う。

「こちらの魔法師は次に何を教わるのですか?連発ですか?範囲魔法ですか?それとも威力を増す方法ですか?」

「それは人それぞれかと・・・」

「それはなぜです?」

「え?なぜ・・・とは?」

「さきほどのエルヴィスさんの質問は、私からすれば今の質問なんです。」

「ん?どういう事じゃ?」

「魔法の歴史を紐解くと順々に開発されたはずですが、今となっては個別に習うという事です。

 それは結果を知っているから順々に習う必要がないからです。」

「うむ。」

「誤解をしてはいけませんよ。

 小銃とは魔法が使えない人間でも簡単に魔法師の真似事が出来るための武器です。

 魔法でも壁を貫通させるぐらい強力なのがあるのでしょう?」

「確かに存在はすると思います。

 ですが、特定の魔法師だけかと。」

アリスは頷きながら言う。

「それがある程度練習しただけで出来る様になるだけです。」

「脅威以外の何物でもないの。」

エルヴィス爺さんは苦笑する。

「はは。所詮は、すべてが良い方に行けばの話です。

 今は弾丸のいらない銃ができればいいなぁ程度なので、気長にやっていきますが。」


「で、銃の改造中に今の弾丸を使用している小銃も扱いに慣れようと魔法具商店に弾丸の収集をお願いしました。」

「収集?注文するではないのかの?」

「ええ。こちらが興味を持っているのを悟られない為です。」

「カトランダ帝国にですか?」

スミスが質問する。

「・・・正確には、カトランダ帝国にいる小銃の開発者とアズパール王国にです。」

「あ。」

「こちらの準備と覚悟が整ったら発注はしますが、後々でしょうね。」


「あとは襟章のサンプルを貰いました。」

と机にサンプルを出す。

皆が手に持ち眺める。

「うむ、良い出来じゃの。」

「ええ。これは良いですね。」

「カッコいいですね。」

「はい、これは見栄えが良いですね。

 おや?これは?

 タケオ様1つ違う感じの階級章がありますが?」

フレデリックが質問してくる。

「店員さんの独創でエルヴィス家の人達専用で作成した様ですが、私は気に入りました。

 鮮やかな赤の長方形の布の中央部分に金色の線を1本入れ、エルヴィスさんが星3つ、スミス坊ちゃんが星2つ、アリスお嬢様が星1つとなる予定です。」

「これは良いのぉ。」

エルヴィス爺さんは満足そうに頷く。

「ちなみに僕が星2個でお姉様が星1個なのはどうしてですか?」

スミスは質問する。

「え?次期当主でしょ?」

武雄は質問の意味が分からなかった。

アリスは武雄の言葉に頷く。

「そういう意味なのですか・・・」

「スミス坊ちゃん、階級とは格です。

 本採用された場合、この金色の線が入るのは指揮官の証にもなるはずです。

 星の数は指揮できる格を示します。

 指揮の格は当主、次期当主、次期当主の子、近い親類の順です。

 その次に家令が来ると私は思います。

 なので、フレデリックさんは星なしになってしまいます。申し訳ないです。」

武雄はフレデリックに謝罪をする。

「いえ、タケオ様の考えは当然ですし、そうしなければなりません。

 ・・・でも、タケオ様はどうするのです?」

「私の立場はアリスお嬢様の部下ですし、フレデリックさんとは同格ではないです。

 ということなので・・・階級章なし?」

「違います!タケオ様は私の婚約者ですよ!?星1個です!最低でも星なしです!!」

アリスは猛抗議をする。

「・・・実際はどうなんでしょうね?」

武雄は苦笑するしかない。

「ふふ。私的にはタケオ様はどちらでも良いですよ。

 タケオ様のことですから、どちらも注文されたのでしょう?」

フレデリックがにこやかに言う。

「う・・・正式発注はフレデリックさんの所に注文書と請書を持ってきて契約捺印することとしました。」

「ふふ、それで構いません。」

「近々持ってくると思いますので、よろしくお願いします。」

と武雄は、フレデリックに頭を下げた。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 階級章はなるべく目立たない方が良いと思う。 明確に指揮官が解かると、狙われる。 あさま山荘事件を思い出して欲しい、機動隊のヘルメットに解り易く階級が書かれていたので、狙われて指揮官の損害が大…
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