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第75話 アリスとの関係。・・・さて。やるしかないか。

皆の注目が武雄の右手に集まる。

「気が付きましたか・・・」

武雄はうな垂れる・・・今後の展開が見当つかなかった。

「ええ。昨日はされておりませんでしたので、気になりました。」

とノースは告げてくる。

武雄は観念する・・・話そうと。

「昨日、お声をかけられた後にアリスお嬢様と・・・」

・・・場が固まる・・・

「そ・・・そうですか。」

ノースは顔を引きつらせながら言う。

「その件については、エルヴィス伯爵の了承も得ていますが、少し問題が・・・」

「なんでしょう?」

兵士長が聞いてくる。

「付けた指輪が外せないのです。

 よく見ると王家の紋章が・・・」

「え!??」

その場にいた者が皆固まる。

「ということでエルヴィス家は良いのですが、最悪王都の命令で私の指はなくなるかも・・・」

・・・場の温度が下がる・・・


「と、少し場の雰囲気を悪くしてしまいましたが、まぁなる様にしかなりません。」

「キタミザト様・・・楽天的ですね。」

「ええ。してしまったのも外せないこともどうしようもないですから。」

武雄は苦笑する。

「あとはエルヴィス家に対して私は使えますよとアピールするしか手立てはないのです。」

ははは、と武雄は笑う。

「何というか・・・豪気ですね。」

ノースがそう告げる。

「いえいえ。今もちびりそうな位ビビッていますよ。

 アリスお嬢様は大丈夫でしょうが、私は平民ですからね。

 御沙汰が来るまでのんびりと過ごす気でいます。」

と苦笑すると他の面々も苦笑する。


「それにしても、とうとうアリスお嬢様もですか・・・」

兵士長は遠い目をしながらシミジミと言う。

武雄はその雰囲気だけでアリスが街の皆に愛されているとわかった。

「唐突で本当に申し訳ないですが、皆さんにもご迷惑をかけます。」

と武雄は頭を下げる。

「いえ。どこぞの踏ん反り返った貴族に嫁ぐよりかは気さくにこういう場に来ていただける方に嫁がれる方が何倍も良いです。

 式はいつぐらいに?」

兵士長は皆の内心を言葉にする。

「いえ。内輪の婚約だけですし、今は王都の返答待ちです。何も決まっていません。」


------------------------

他にもいろんなことを・・・例えば、兵士の小隊割や役割等も気さくに皆と話す。

「あの・・・キタミザト様。」

ノースは唐突に話を変えてきた。

「はい、なんでしょう?」

「いきなりで申し訳ないですが、私と戦っていただけませんか?」

「こら、ノース!」

兵士長は声を荒げる。

「・・・わかりました。」

武雄は返事をし立ち上がる。

「キタミザト様、理由は聞かないので?」

ノースは理由を聞かないのが不思議な様だ。

「気持ちはわかります。

 敬愛する人が唐突に・・それもどこの誰ともわからない者と婚約なんて・・・

 上が決めたことと理解はしてても気持ちの整理が出来るわけありません。

 ならば、手合わせをして自分を納得させるしか思いつかないでしょう。」

「まさか・・・キタミザト様は・・・」

「ええ、最初からそのつもりでした。

 ・・・ただ、私は武術は何も知らないので、どこまで立っていられるかはわからないですが。」

と武雄は苦笑する。

「・・・ありがとうございます。」

ノースは頭を下げ感謝を述べるしかなかった。


------------------------

武雄とノース他、兵士長と小隊長一行が城門外の野原・・・演習場についた。

ちょうど、新兵小隊の訓練中の様で、その場の端っこですることにした。

「・・・と、その前に、ちょっと良いですか?」

「はい、なんでしょう?」

「実はコレ私の今後の武器とする気になっているのですが、1発撃って良いですか?」

「ええ、構いません。」

その言葉を聞き、約50m先の木を狙う。

「パン」と音と共に木に命中する。

ふむ。結構当たるなぁとは思うが、それ以上距離が長くなるとなかなか当たらないだろうとも思った。

とりあえず練習はまたどこかでするかと思った。

「キタミザト様・・・今のは?」

兵士長が聞いてくる。

「小銃と言う武器ですが、とりあえず私の趣味でやり始めることにしました。」

「そうですか。」

「すみませんが、これと上着を預かってもらえますか?」

と武雄は小銃とコートとスーツの上着を渡す。

Yシャツの腕を捲り、右手には昨日買ったナイフを逆手に持つ。

「・・・兵士長、もしノース小隊長に私が勝って皆が一気に来ても5名以上は勘弁してくださいね。」

武雄は兵士長に小声で伝える。

「ええ、5名が上限で配置させます。」

「すみません。」

と武雄は礼をする。


「ノース小隊長、お待たせしました。」

「はい。キタミザト様、よろしいですか?」

「ええ。」

両者の間は10mくらい空いている。

「エルヴィス伯爵領兵士 第1小隊長 トマス・ノース・・・参ります。」

「エルヴィス家所属 タケオ・キタミザト。お受けします。」

「「いざ!」」



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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