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第49話 部屋への訪問者と武雄からのプロポーズ。

アリスは武雄の部屋の前にいた。

さて、来たものの・・・何を言えば良いのか・・・

ここまでくる間、考えたが何も浮かばない。

とりあえず中に入ろうと扉をノックし返事を待たずに扉を開け入室する。


------------------------

扉がノックされ入って来たのはアリスだった。

「こんばんは、タケオ様。」

とアリスは挨拶をしてくる。

挨拶をしながら武雄の右手をみて、ホッとしている。

「ええ、こんばんは。」

挨拶を済ませたものの沈黙が二人を包む。


「・・・とりあえず、座って良いですか?」

とアリスはベッドに腰かける。

「・・・アリスお嬢様、このた」

「はい、ストップ。」

アリスは武雄の言葉を遮る。

「タケオ様。確かに指輪がきっかけでこの様になりましたが、私は嫌がっていませんよ?

 むしろ覚悟が固まりました。」

「しかし・・・私はアリスお嬢様の未来を変えてしまったかもしれないのです。」

「・・・タケオ様、私はこの未来で良かったと思っています。

 顔も知らないどこかの貴族に嫁ぐなんて・・・嫌です。

 それに、タケオ様と一緒にいると私は楽しいのです。」

「・・・アリスお嬢様、私を側に置いて貰えますか?」

「タケオ様こそ、私を側に置いて貰えますか?」

武雄は、今覚悟を決めないといけないと思った。


アリスに手を伸ばし、ベットから立たせる。

「アリスお嬢様・・・あまり口が上手くないので、良い言葉が出るかわかりませんが・・・」

「構いませんよ?」

「そうですか。」

・・・

・・

「アリス・ヘンリー・エルヴィスさん。」

「はい。」

「私は、財力も権力もありません。

 なんの不自由もなく、好きな事を好きなだけさせるからとは言えません。

 そんな私ですが、一緒の景色をみて、一緒に食事をして、共に笑って、時には喧嘩もして、一緒に歳を取って・・・

 私の横で一緒に幸せを探せるのは貴女しかいないと感じています。

 私と結婚を前提に付き合って頂けますか?」

「はい、喜んで。」

アリスは満面の笑顔で答える。

「タケオ様~」とアリスは武雄に抱き着いてくる。

武雄もアリスの背に手を回し抱擁する。


そんな幸せな時間なのだが、武雄は気が付いてしまう。

扉の下の隙間に指が・・・

・・・また?

しょうがない人達だと武雄は苦笑する。

「アリスお嬢様。」

アリスは呼ばれて顔を武雄に向ける。と、

「んっ・・・」

武雄がいきなりキスをする。がすぐに離した。

「ふふ。どうですか?」

「あ・・・良かったです。」

とアリスは顔を赤らめながら感想を言う。

武雄は抱擁を解き、

アリスに「しーっ」とジェスチャーをして扉に近寄ると思いっきり扉を開く。

「「うわっ」」・・・2名が室内に倒れ込む。

・・・

・・

「お嬢様、これどうします?」

と目線をエルヴィス爺さんに送る。

「お爺さま、いつから聞いていましたか?」

アリスはにこやかに言ってみせる。

「う・・む・・・そうじゃの・・・」

「いつですか?」

「・・・指輪がきっかけで・・・辺りから・・・」

「・・・」

エルヴィス爺さんは今回も顔をうつむき気味にしている。

「今回も楽しかったですか?」

「ええ、そりゃぁもう。スミスと一緒に楽しみました。」

「またお爺さまを止められませんでした。」

アリスはどう怒るか悩む。

と。

「アリスお嬢様、タケオ様、客間にお茶の用意ができました。」

フレデリックがやってきて告げる。

「・・・お爺さま、スミス、客間に移って話をしましょうか・・・」

とアリスは扉に向かう。と、

「タケオ様?」

「ええ、私も後から行きますよ。」

とキセルを見せて言う。

「では、お先に。」

とアリスに引き立てられて、容疑者2名も連行されていく。


------------------------

部屋の中は静まり返っている。

武雄は、キセルに火を付ける。

「・・・エルヴィス家の人達には、感謝しないといけないな。」

自分の事を随分と気にかけてくれている。

その心遣いをありがたく思い、今は幸せな気持ちでいっぱいなのであった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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