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第415話 食前の運動2とステノ工房の決断1。

武雄は攻撃態勢(小太刀を右手で逆手に持っている。)のままヴィクターとジーナ対オーガ戦を見ている。

「ふむ・・・決定打に欠けていますか・・・」

武雄は思案しながら見ている。

実際にヴィクターもジーナもオーガの大振りばかりの攻撃を1発も貰ってはいない。

獣人としての種族の特性なのか器用に避けて斬りつけているのだ。

だが、武雄が与えているナイフでは有効打がなかなか与えられずにジリジリ体力を削っている状態だった。

「ですが・・・時間の問題ですね。」

武雄は安心して見守るのだが、ジーナの変貌が気になる。

「・・・あれ魔眼ですかね?

 アリスお嬢様には届かないかな?」

ジーナからの威圧感がヒシヒシと伝わって来る・・・さらに。

「それに何だか耳が生えていません?

 まぁ種族的な物でしょうかね?」

ジーナの頭には獣時の耳がピョコと出ていた。

武雄が「あとで触らせてもらえるかなぁ?」とこの場に似合わない事を思うのだった。


------------------------

「・・・マイヤー殿。

 キタミザト殿はいつもあんな戦いを?」

アーキンが聞いてくる。他の3名も同じ疑問が浮かんでいるのか頷く。

「・・・というよりいつもではないぞ?

 お前たちもゴブリンとオーガとの戦闘報告書を読んでいたろう?」

「「「「はい。」」」」

アーキン達4名が結界を張りながら返事をする。

「・・・アレ、キタミザト殿の初陣だからな?」

「「「「は!?」」」」

4人が絶句する。

「まぁ、詳細は後で聞いた方が良いのではないか?

 キタミザト殿なら楽しそうに言ってくれそうだし。

 さてと。ミア殿、周囲に魔物は居ますか?」

「いえ、マイヤー様、居ません。

 それにしても主は強いですね。防御力は1級品だとは知っていましたけど。」

「ええ、キタミザト殿はアリス殿と双璧をなしていますからね。」

ミアが楽しそうにマイヤーと話すのだが・・・

それ以外の周りの皆はマイヤーが話している内容はわからないが、ただただ「キタミザト様(タケオさん)は規格外なんだ・・・」と呆気にとられるのだった。


------------------------

「はい、終わりです。」

武雄がジーナの背中に手を当てて「ケア×15」を発動し回復させる。

「ご主人様、ありがとうございます!」

ジーナはそう言うと戦いに戻って行く。

「ヴィクターは平気かな?」

武雄はヴィクターの動きを見るが動きが鈍くなっていないように感じていた。

と、やっとオーガの方の体力が無くなったのか膝を地面に付いてしまう。

その隙をヴィクターは見逃さず一歩踏み込みオーガの首を刈り絶命させる。

ヴィクターとジーナが倒れたオーガの横で息を切らして見ている。

「はい、2人ともお疲れ様。」

「「ありがとうございます。」」

2人は武雄の労いに返事を返してくる。

「ジーナ、初陣と初勝利おめでとう。」

武雄がジーナの頭を撫でながら言う。

「はい!ありがとうございます!」

ジーナは撫でられるのが気持ち良いのか嬉しそうな顔をしながら返事をする。

「で、主。この後はどうされますか?」

「ふむ・・・マイヤーさん!」

武雄がマイヤーを呼ぶとマイヤーが歩きながら近寄って来る。

・・

「キタミザト殿、ヴィクター殿、ジーナ殿、お疲れ様でした。」

マイヤーが朗らかに言ってくる。

「「「ありがとうございます。」」」

3人が返事をする。

「ミア殿の報告では周囲に他の魔物は居ないそうです。」

「わかりました。

 で、マイヤーさん。コレどうしましょう?」

武雄はオーガの亡骸を見ながら言う。

「埋めましょう。

 血の匂いを漂わせていても他の魔物が来るだけです。」

「そうですね・・・そうしますか。

 そうだ、オーガは駆除対象ですかね?」

「だったと思いますね。」

「では、対象部位を切り取って後で換金しますか・・・確かほとんどは耳でしたよね?」

「そうですね。」

マイヤーが頷く。

「はぁ・・・塩に漬けますかね。

 パイプの葉をどこにしまいますかね・・・」

武雄が持っている中でしまえそうなのはパイプの葉を入れている箱くらいだ。

なのでパイプの葉を移動させる先を考えるのだった。

ちなみにジーナの耳は戦闘後無くなっていたので武雄は特に触れないことにしていた。

・・・

・・

オーガの埋葬も終わり(穴は武雄が掘りました。)皆で夕飯を取ることにした。

「それにしてもキタミザト様は凄いのですね?」

アレホが聞いてくる。

「まぁ、1対1だけですけどね。魔法の砲撃戦では全くの役立たずですから・・・それなりに戦えるだけですよ。

 それにしても皆さん強靭ですね。戦闘の後に普通にご飯を食べて。」

武雄は皆の食欲に呆れる。

「だって、食べれる時に食べるのは当たり前でしょう?」

マイヤーや他の4名とカサンドラが言ってくる。

「兵士はそうでしょうけど・・・アレホさん達は平気なのですか?」

「はぁ・・・別に・・・

 人間が目の前で殺されたとかになったら食欲はわかないでしょうが、魔物ですし。」

「そうじゃの。キタミザト様、あまり気にせん方が人生楽しいはずじゃぞ?」

アレホとボリバルが言ってくる。

他の2人も頷く。

「まぁ・・・皆さんがそう言うなら・・・

 ヴィクター、ジーナ。

 今回のオーガの報酬が出たら2人で武器を選びに行きなさい。」

「「え!?」」

2人は驚く。

「あの、主。武器の新調をしてよろしいのですか?

 雇われてまだ2日目なのですけど・・・流石にまだ日が浅いのではないでしょうか?」

ヴィクターが質問してくる。

「・・・そうですか?・・・そう言えばそうですね。

 じゃあ、このお金は溜めておいて王都に戻ってから武器の事は決めましょうか。」

「「はい。」」

ヴィクターとジーナが頷く。

そんな様子をマイヤーが朗らかに見つめるのだった。

・・・

・・

夕飯も終わり武雄はお風呂のお湯張りをして今は女性陣が入っている。

ちなみにエリカは「なんでカサンドラも浸かっているのよ!?」と驚き。

「いや・・・外で入る湯あみも良さそうだったので。」と返され「だったら私も入る!」と涙目になりながら服を脱ぎ入浴している。


脱衣所が何やらワイワイ楽しそうな雰囲気を醸し出されているが、男性陣たちはかまどを囲みながら夕食後の余韻に浸りながらボーっとしていた。

「キタミザト様、ステノ工房のお2人がお話があるとのことです。」

と、アレホが2人を連れてくる。

「はい、構いませんよ。」

と武雄は2人に体を向ける。

「「失礼します。」」

フリップとスズネは武雄の前に座る。

「で?話とは何ですか?」

武雄が前置きなしに聞く。

「はい。突然ですみませんが、私とスズネの2人をアズパール王国に連れて行って貰えないでしょうか。」

フリップとスズネが頭を下げる。

「・・・一応、理由を聞いておきましょうか。」

武雄が腕を組みながら聞き返す。

「はい。

 ビセンテ工房やシントロン工房から話は伺っているでしょうが・・・」

フリップが話を始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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