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第40話 伝令は王都に向かった。

武雄が退出して行って客間にエルヴィス爺さんとフレデリックが残っていた。

「しかし・・・『威光』ですか・・・」

フレデリックは呟く。

「うむ。王族はその魔法で、人々の前に立つ際に知らない内に威圧する様にできているのじゃろ。」

「ええ。まぁ人の上に立つのであれば必須ですね。」

「うむ。特に国を背負っておるからの。

 ・・・それにしても・・・フレデリック。」

「ええ。お二人が指輪をしている指ですね?」

「これは良い方向に行くかの?」

「主、我々は見守るしかないでしょう。」

「楽しみが増えたの。」

とエルヴィス爺さんは楽しそうに書簡を書くのだった。


------------------------

武雄は自室に戻ってきた。

とりあえず購入した物を順に並べていく。

まぁ整理はあとでするかと。

購入したキセルを取り出す。

記憶と説明書を頼りに葉っぱを丸め、キセルの先に入れ火を近づける。

火は魔法で指の先にともしていた。

上手く火が付いた様で、少しずつ煙を吸う。

3服したのちに、中身を灰皿に落とす。

「悪くないな」と思う。

ちなみにこのキセルと予備の2本は魔法具商店の店員に人を殴っても壊れない程度に強化の魔法をかけて貰った。

「さて、一服もしたし客間に行くか」

と自室を後にした。


------------------------

アリスは自室にてレイラ宛に手紙を書いていた。

武雄の指を守る為なのだ。

文章が少し熱が入った物になってしまっているのだが、アリスは気が付かない。

「こんな物かしら?」

と封筒に入れて封をし、客間に向かう。


------------------------

客間前で武雄はアリスと会う。

「アリスお嬢様もお戻りで?」

「はい、手紙が出来ましたので。タケオ様は?」

「私は先ほど購入した荷物を置いてきました。」

「そうですか。」

客間のドアをアリスがノックする。

中から「どうぞ。」と許可が下りるのを確認し、扉を開け入室する。

そこにはエルヴィス爺さんとフレデリックと見慣れない人がいた。

「アリス、手紙は出来たかの?」

「はい、こちらに。」

とアリスはエルヴィス爺さんに渡す。

「うむ、確かに預かった。

 ハロルド、すまんが王都のレイラの所に緊急で持って行ってくれ。」

「わかりました。」

とハロルドと呼ばれた者が答える。

「うむ、タケオ、これがうちの騎士団長のハロルドじゃ。

 ハロルド、こちらがタケオ。報告はいっておるな?」

「ハロルド・ロイドと言う。

 私の事は、ハロルドと呼び捨てで構わん。

 この度は、主を救って頂き感謝する。

 また、エルヴィス家への就職おめでとう。」

と言ってくる。

「タケオ・キタミザトと言います。

 私もタケオで構いません。

 紆余曲折ありましたが、ご厄介になることになりました。

 立場はアリスお嬢様の部下となります。

 よろしくお願いします。」

と礼をする。

「うむ、お互いに挨拶はしたの。

 ハロルドもいろいろ話したいだろうが、今は伝令を走らせるのじゃ。

 また後日話そうの。」

「わかりました。」

と手紙と指輪が入った小物入れを手に客間を退出して行く。


------------------------

「とりあえず手は打てたの。」

「はい。」

とフレデリックは皆にお茶を入れながら答える。

「では、夕飯まで歓談するかの。」

「で、アリス、どうじゃった?デートは?」

「だから、デートではありません!」

とアリスは顔を赤らめて抗議する。

「そうまで本人を前に拒否されるとちょっと悲しいですね。」

と武雄は苦笑する。

「あ!タケオ様!・・・あの・・・そういう訳ではないのですよ?」

とアリスはオロオロしだす。

「うむ、どういう訳かの?」

「お爺さま!!この話は終わりです!」

とアリスは一方的に話を切った。


「ちなみにですね、

 今日、お菓子をアリスお嬢様といただいてきたのですが、基本的に焼き菓子が多いのですか?」

「ええ。基本的にお菓子とはビスケットとか今日食べたマドレーヌの様なケーキが一般的です。」

「そうですか。ちなみに『プリン』というお菓子はご存知ですか?」

「いえ、私は存じませんが。」

とアリスは答え、エルヴィス爺さんもフレデリックも首を横に振る。

「えーっと、卵に牛乳と砂糖を和えて、蒸すと出来るお菓子なのですが?」

武雄は名前が違うのかと思い簡単に調理法を言う。

皆の反応は知らないという反応だった。

「そうですか・・・フレデリックさん。」

「なんでしょう。」

「ここの料理長を紹介してもらっても構いませんか?」

「構いませんが、もしや・・・」

「ええ、プリンを作ってみようと思います。」



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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