表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
416/3563

第408話 帝国の魔法師組合の計画と武雄の散策2。(米見つけた!)

カトランダ帝国 帝都にある魔法師組合本部にて。

「組合長、失礼します。」

白衣をまとった男性が組合長室に入って来る。

「研究所所長か・・・もう少しで昼飯なんだがな・・・どうした?」

重厚な椅子に座りお茶をしていた恰幅の良い男性が聞き返す。

「はい。

 先ほど実験部隊より報告がありました。

 106号が最終試験に入るとの事です。」

「やっとか・・・工程的に半年は遅れているな。

 ・・・第4皇子チコ殿下にはこの間102号をお見せした。

 喜んでおられたよ。」

組合長が呟く。

「102・・・攻撃能力がない自立歩行型ですね。」

「はぁ・・・本来はこちらが命令をすれば、後はお任せで行動する人形を創造したのだが・・・」

「組合長、それは次の段階と何度も申し上げています。

 現状では魔法師2人による遠隔操作しかできません。」

「それも操作距離が半径300m程度か・・・

 まぁ戦場では事足りそうではあるが・・・当初の目標が高すぎたのか?」

「いえ、我々も発想自体は間違ってはいないと考えていますが、まずは現状の技術でどこまでの仕様が達成できるのかが先です。

 ですので、今は初期段階なのです。

 自律歩行型はこの後の研究課題ですね。」

「はぁ・・・私が生きている間に見れるかな?」

「所員一同努力はしています。」

「あぁ、そこはわかっているさ。

 で、今日が最終試験か・・・確か東町の近くだったな?」

「はい。

 盗賊の住み家を襲うとのことです。

 対戦闘用の装備を付けての最終試験です。」

「そうか・・・本当に盗賊なんだろうな?」

「そう伺っていますが・・・少し心配ですね。

 第3軍の将軍の息子でしたか・・・あの早とちりがなければ指揮も上手くて良い方なんですけどね。

 なんであのような方が?」

「それしか手に入らなかった・・・」

組合長が明後日の方向を見ながら言う。

「・・・そうですか。

 上手く行くことを願うだけですね。」

「あぁ。」

組合長と所長がため息交じりに話すのだった。


------------------------

武雄達は穀物屋に来てバラバラに物色をしている。

「・・・」

武雄がとある穀物が入った瓶を見ながら固まっていた。

「ご主人様、どうされましたか?」

そんな武雄をジーナが見つけ声をかけてくる。

「ジーナ・・・コレは何だかわかりますか?」

「・・・籾の状態ですが・・・米ですかね?」

ジーナの言葉に武雄がショックを受ける。

「ジ・・・ジーナさん?・・・コレは米と言うのですか?」

武雄は思わず敬語で震えながら聞いてしまう。

「え?・・・ええ、魔王国の西南にある森妖精エルフの国の作物です。

 排他的なエルフの作物が何でここにあるんでしょうかね?」

ジーナが思案する。

「え?・・・魔王国の西南?・・・エルフは魔王国の東側の森の中で妖精もその近くだと言われていますが・・・

 ミア、どうですか?」

「はい。主、その通りです。私達の住み家は魔王国の東側です。

 エルフの国も隣にあったはずですけど・・・」

ミアが他の人に見えないようにポケットから顔を出し思案する。

「ええ、エルフの本国は王城の南東なんです。

 ですが、分家さん達が西南に住んで居るんです。

 アズパール王国だと・・・お父さまを呼んできましょう。」

ジーナがヴィクター達を呼んでくる。

・・

「初めて聞きました。」

マイヤーも驚きを隠せないでいる。

「王都でも東側と?」

武雄が確認する。

「はい。エルフと妖精は魔王国の東に居て我々では会う事が叶わないとされる魔物です。

 ミア殿のおかげで一生会えないであろう妖精に会えて感謝しております。」

マイヤーが言う。

「なるほど。

 で、ヴィクター、ジーナの言う事はどうなんですか?」

「はい。主、ジーナの言う通りエルフの分家が魔王国の西南

 アズパール王国で言えばテンプル伯爵領と森を挟んだ反対側に住んで居ます。」

「森を通って会いに行くことは出来るでしょうか?」

武雄がヴィクターに聞く。

「いや、あの森は難しいかと思います。

 ちょっと厄介な者が居てですね・・・魔王国に属していないのです。」

「厄介な者?魔物ですか?」

マイヤーが聞く。

「あの森は蟲とスライムの群生地帯なんです。

 あまり他種族を攻撃する蟲はいないはずですが・・・自分の縄張り意識が強くてですね。

 たぶん縄張りに入れば問答無用で襲ってきますね。

 それにエルフ自体も基本的に自分たち以外に興味は無いですね。

 かなり排他的です。」

「なるほど・・・諦めた方が良いかもしれませんね。」

武雄が腕を組みながら唸る。

「ご主人様はエルフに用があるのですか?」

「この米を売って欲しいですね。」

「米をですか?」

「ええ。

 どんな米かはわかりませんが・・・少なくとも米の料理が出来るなら今の料理の数が倍増しますよ。」

「「「「え!?」」」」

武雄以外が驚く。

「いや・・・お菓子も何種類か出来るだろうし・・・調味料も試作がしたいなぁ。

 上手く行けば倍増どころではないか・・・」

武雄が思案し始める。

「「「「何とか渡りを付けましょう!」」」」

その場の皆の意見が統一される。

「それもエルヴィス領に戻ってからですね。」

武雄が苦笑する。

「「「「はい!」」」」

皆が顔をキラキラさせながら言う。

「と、そうだ。在庫がどのくらいあるのか聞いて買い占めないと。」

武雄が店員を探し始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ