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第404話 ヴィクター達の雇用と給金。

「では、2人にお願いしたい仕事ですが・・・あぁ、まずは私の事ですね。

 私はこの程、貴族になる事が決まりました。」

「「え?」」

ヴィクターとジーナが驚く。

「いきなりですけど、そうらしいです。

 で、国から年間金貨300枚の報酬があります。

 また特務機関である研究所の運営を任され金貨1750枚を運用します。」

「は・・・はい。」

ジーナが答える。

「アナタ達2人には私や私の家族の家令兼執事をお願いします。

 と言っても屋敷がある訳では今の所ないので・・・私への報酬等と研究所の運営資金の管理をお願いします。」

「主、研究所とは何でしょうか?」

ヴィクターが聞いてくる。

「んー・・・新兵器や防具関連の開発、戦術の考察ですかね・・・

 具体的には決まっていないんです。

 私的には国が負けないように国防力の向上を目指したいとは思いますね。」

「国防力・・・ですか?」

「はい、侵攻されても負けない力ですね。

 侵攻するための兵器ではなく兵士の生還を助ける兵器の開発を目指したいなぁと思います。」

「勝つためではないのですね?」

「何を持って勝つと言うかは考え方次第ではないですか?

 負けない事が勝つ事だと思いますね。

 それに負けない事が国力を下げない為の最低勝利要件なのはわかり切っているでしょう?

 別に私は領土拡張をしたいとは思いませんから。

 まぁ元敵国の方に言っても信じて貰えるかはわかりませんがね。

 そうそう、この研究内容はアナタ達も見れますけど外部に漏らしちゃダメですからね?」

「わかっております。」

「はい。」

ヴィクターとジーナが頷く。

「で、アナタ達の給料なのですけども・・・

 2人で月金貨6枚でどうでしょうか・・・その、あまりお金がなくてですね・・・」

「え?私達にそんなに給料が発生するのですか?」

ヴィクターが聞いてくる。

「ええ、そうですよ。

 奴隷で買いましたが・・・私の部下でしょう?

 部下なんですから給料はあって当たり前です。

 ですが・・・その・・・少なくてごめんなさい。

 研究所や私の考えている事がうまく軌道に乗ればもう少し給料を上げられると思いますので・・・」

武雄が申し訳なさそうに言う。

「「いやいやいや。」」

ヴィクターとジーナが慌てる。

「少ないのは・・・どうしようもなくてですね・・・」

武雄がさらに申し訳なさそうに言う。

「違います!多すぎます!

 奴隷に金貨6枚とは何ですか?

 奴隷なら銀貨6枚とかそのぐらいかと覚悟をしていました!

 買われていった人間も会ったことがありますが、聞けば給金が出る事もあまりないと言っていました!」

ジーナが怒る。

「?・・・さっきも言ったでしょう?

 アナタ達は奴隷として買いましたけど私の部下です。

 そして運営資金等々の管理という大事なお仕事をしてもらいます。

 なら給料を出すのが当たり前でしょう。

 その給料から毎月金貨1枚を溜めて行って貰って・・・金貨300枚を溜めて25年間働けば奴隷契約を解除します。

 ですので実質月金貨5枚のお給金を払います。

 伯爵時代と比べてしまうと贅沢な事は出来ないでしょうし、私の下で少し長く働かないといけないですが、それで納得して貰えますか?」

「「はい!よろしくお願いします!」」

ヴィクターとジーナが大きく頭を下げる。

「さてと・・・皆さん、各自で自己紹介はしましたか?」

「はい、キタミザト殿。

 ヴィクター殿、ジーナ殿共に湯あみ場に行く際に自己紹介は済んでいます。」

ブルックが答える。

「そうですか。

 では、後はマイヤーさんですね。」

「はい。

 ヴィクター殿、ジーナ殿、カルロ・マイヤーです。

 キタミザト殿の下で共に頑張りましょう。」

マイヤーが朗らかに2人に挨拶をする。

「「「「え?」」」」

若手4名が驚く。

「ん?どうした?」

マイヤーが聞いてくる。

「いえ・・・キタミザト殿の下で共に頑張りましょうと言ったように聞こえたのですが・・・」

アーキンが呟く。

「あぁ、私はキタミザト殿の研究所の総監への異動が内定している。」

「「「「は!?」」」」

若手4名が驚く。

「ちなみに試験小隊長は第三魔法分隊長のアンダーセンさんで研究室長は現魔法師専門学院の学院長で元王家専属魔法師部隊のトレーシーさんが内定していますね。

 マイヤーさんは私の直下で実質的な研究所の工程管理をお願いしています。」

「「「「はぁ!?」」」」

若手4名が驚く。

「そう言えば、小隊人事はどうなっているんでしょうね。」

武雄がマイヤーに聞く。

「アンダーセンが上手く候補を選んでいるとは思いますけどね。」

「あぁ・・・王都に戻ったらその辺の面接もあるのかぁ・・・面倒ですね。」

「しょうがないでしょう。」

「決める事が多くて大変です。

 まぁとりあえず研究所の幹部と資金運用をしてくれる部下が揃ってくれて何よりです。

 ヴィクター、ジーナ、マイヤーさんとは資金運用でいろいろ意見を合わせないといけないと思います。

 頼みますよ。」

「「はい。」」

ヴィクターとジーナが返事をする。

「あと、今日の渡したお金の残りですが、ヴィクターに渡しておいてください。」

「は・・・はい、わかりました。」

アーキンが先のマイヤーの発言の余韻から抜け出し、革袋をヴィクターに渡す。

「さてと、宿に帰って夕飯でも作りますか。」

「主!今日は頑張りました!」

ミアが元気に主張し始める。

「ん?食べたい物があるのですか?」

「プリンが食べたいです!」

「わかりました、帰りに食材を買って帰りましょうか。」

「やったー♪やりましたよ、タマ。

 プリンですよ!プリン!」

「・・・ニャ?」

ミアが嬉しそうにタマに抱き着く。

タマは困惑している。

ブルックが皆に見えないように(武雄には見えているが・・・)ガッツポーズをしていた。

「さ、帰りましょう。」

武雄達は宿に戻って行くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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