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第400話 奴隷の買取。

「おっちゃん、買いに来たよ。」

武雄が奴隷商の男性に声をかける。

若手4人は最初に見ていた路地で待機中。

「ん?おぉ!若旦那!早速来たか!

 実を言うと来ないかと思っていたよ!」

「良い奴隷なんでしょう?」

「飛び切りな!今日買いに来てくれるなんて嬉しい限りだな!」

「じゃあ、安くしてよ。」

「・・・」

「・・・」

武雄と男性が真顔で睨めっこをする。

「はぁ・・・若旦那・・・2年後も贔屓にしてくれるかい?」

「今回のが良ければね。」

「痛い所をつくな・・・しょうがない金貨250枚とは言ったが・・・金貨245枚でどうだ?」

「ふむ・・・」

武雄は長考する。

男性が息をのんで見守る。

・・・

・・

「・・・金貨240枚でどうでしょうか・・・」

男性が根負けしてそう呟く。

「わかりました。金貨240枚と契約時の順守条項は主人の命令を守る事と後3つ追加で手を打ちましょう。」

「若旦那もやり手だな。

 ・・・んー・・・」

男性が悩む。

武雄は「盛りすぎたかな?」と心の中で冷や汗をかく。

「良いだろう!それで手を打とう!」

「わかりました。

 じゃあ、まずは金貨からですね。」

武雄はその場で金貨240枚を革袋から取り出し積み上げていく。

その様子に奴隷商の男性だけでなく周りの商店主達が見守る。

「金貨240枚です。

 確かめてください。」

「お・・・おぅ・・・

 若旦那、まさか即金で払うとは思わなかったよ。」

「そうですか?

 で、契約はどうやるんです?」

「あぁ・・・ちょっと待ってくれ。

 えーっと・・・これだな。」

男性は慌てて契約書を出してくる。

「対象の奴隷に向き合ってからこれに若旦那の手を置いて相手の名前と順守条項を言ってから若旦那の名前を言えば、自動で契約書に順守条項も名前も書かれる仕組みになっている。」

「わかりました・・・おっちゃん、金貨数え終えましたか?」

「すまんがもう少し待ってくれ!

 若旦那、契約書を読んでいてくれ!」

「はいはい。」

武雄は奴隷契約書を読みながら待つのだった。

・・

「若旦那、代金も金庫に入れたし問題ないぞ。」

「おっちゃん、この紙に手を置いて相手の名前と順守条項を言ってから名前を言えば良いんだよね?」

「おう、そうだ。

 じゃあ、2名を連れてくるからな。」

と男性が2名を連れてくる。

「こっちがヴィクターでこっちがジーナだ。」

「ふむ・・・綺麗な顔をしていますね。」

武雄の見た目では2人とも少しやつれてはいるが痩せこけてはおらず、双眼が赤かった。

ヴィクターと呼ばれた男性は初老だが中肉中背。

ジーナは幼さがまだあるが将来は美人になるのだろう顔つきであり、まだ女性らしい体付きはしてなかった。

「おう、それは当たり前だな。

 俺は他の店主と違って綺麗な体を売り物にしている。

 手を出したり折檻したりはしてないのが俺のポリシーだ。」

「・・・ヴィクター、ジーナ、最終確認です。

 私がアナタ達2名を部下にします。

 良いですね?」

武雄の言葉に2名とも頷く。

「若旦那、普通は今言わんよ?

 まぁ・・・良いか。」

男性がため息をつく。

武雄は男性を無視して契約書を2名の前に置き両手を置いて話をする。

「ヴィクター、ジーナ、両名に告げます。

 1つ、主人である私の命令に従う事。

 2つ、私の命令もしくは自身の防衛行動以外での殺傷行為を禁止。

 3つ、私や私の家族が不利益になるような行動を禁止。

 4つ、私が悲しむ行動はなるべく慎む事。

 最後に・・・精一杯人生を楽しみなさい。

 上記を違反した場合、身体能力、魔法能力等9割の能力を1週間使用禁止とします。

 以上を持って奴隷契約を履行する。

 契約主、タケオ・キタミザト。」

武雄の宣言を受けヴィクターとジーナの体が淡い光に包まれると共に首輪が光り武雄の名前が刻まれる。

そして武雄の右手小指に指輪が発現する。

・・

「終わりましたかね?」

武雄が男性に声をかける。

「ちょっと待ってくれ、確認する。」

男性がジーナ達の首輪を確認する。

「履行されているな。

 問題もなさそうだ。」

男性が頷く。

「じゃあ、この時点で2名は私の物ですね?」

「あぁ、連れて行って構わない。」

「はい。じゃあ、おっちゃん。機会があればまたどこかで。」

「おぅ、2年後を楽しみにしているよ。」

武雄達はその場を離れるのだった。


------------------------

「はぁ・・・さて、新しいのを仕入れに国に戻るかな。」

武雄達一行が立ち去り奴隷商の男性が呟く。

「おぅ、旦那。良い商いだったみたいだね。

 おらも奴隷商になるかなぁ。」

隣の商店主が言ってくる。

「まぁなぁ、上客だったのは間違いないな。即金で払うとは思わなかったな。

 ・・・だが奴隷商は危険も隣り合わせだからな。

 今回は大人しそうな奴隷を仕入れられたが・・・腕の立つ狡猾な奴隷を仕入れたらこっちが殺られかねない。

 奴隷を見極める目が必要だよ。

 まぁ・・・何にせよ、これで一区切りだな。

 国に戻って骨休めだ。」

男性はヤレヤレと言いながら店じまいを始めるのだった。


------------------------

最初に確認していた路地に皆が集合する。

「キタミザト殿、マイヤー殿、お疲れ様です。」

「疲れるも何も・・・私は見ていただけなんだが・・・」

マイヤーが苦笑をする。

「キタミザト殿、この後はどうされますか?」

アーキンが聞いてくる。

「ふむ・・・自己紹介は後で冒険者組合の事務所の一室でしましょう。

 まずは2人の衣服や旅の支度をしてください。」

「はい。」

ブルックが答える。

「金貨30枚をアーキンさんに渡します。

 衣服や旅に必要な物を買ってください。

 ヴィクター、ジーナ、2人とも馬には乗れますか?」

「「はい。」」

ヴィクター、ジーナが頷く

「では、馬の手配もしておいてください。」

「はい。」

ブルックが答える。

「ヴィクター、ジーナ、先ほどの契約の履行はされています。

 2人とも基本的に殺傷は禁止です。

 何があっても耐えてきなさい。

 あとはこの4名に従って欲しい物を買って良いですよ。」

「「はい。」」

ヴィクター、ジーナが頷く

「キタミザト殿、武器はどうしますか?」

バートが聞いてくる。

「・・・このくらいのナイフまでは許可します。」

と武雄は自身のナイフを取り出す。

「わかりました。」

バートが答える。

「基本的にはアナタ達4名で必要な物を決めてください。

 あと扱いは奴隷ではなく私の部下ですからね?」

「重々承知しています。」

フォレットが頷く。

「はい、では皆買い物に行ってらっしゃい。

 私とマイヤーさんは先に冒険者組合の事務所に戻っています。」

「はい。」

武雄の言葉に皆が頷き行動を開始するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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