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第373話 27日目 カトランダ帝国までの行程の確認。違う方面の久々の2人組。

武雄達一行は何事も無く2日目の野宿場所に来ていた。

商隊も来ているらしく挨拶を済ませてから広場の隅っこに陣取っていた。

「ほぉ・・・ローストビーフは美味しいですね。

 スープも良いですね。

 まさか野営でこんなに美味しい料理が食べれるとは思いもよりませんでしたよ。」

「~♪」

マイヤーが楽しそうに言っている。

ミアは武雄の膝の上に座って楽しそうにモグモグしている。

もちろん他の方に見えないようにだが。

「喜んでもらえて何よりです。」

武雄はマイヤー達の反応が嬉しいのか楽しそうに食事をするのだった。

・・

「キタミザト殿、では明日はクリフ殿下の屋敷がある街に着くのですね。」

食事を終え、大きい食器を片付けた武雄達一行が寝るまでの間、お茶をしながら焚き火を囲んでいる。

ミアは武雄の内ポケットで寝ています。

商隊との話し合いで夜の警戒の順番を決めたのだが、商隊が後にして武雄達が最初にして警戒をしている。

ちなみにマイヤーがワザと王都守備隊の紋章をチラッと見せていたので、商隊の者たちは大人しく従っていた。

「ええ。行程が早いですか?」

「いえ、問題はないですね。

 先行している者達の行程は事前に聞いていますが・・・

 ふむ、ではおさらいをしましょう。」

「はい。」

「まずは王都からクリフ殿下邸が街までは馬で4日、馬車で6日かかるのが普通です。

 そしてそこからカトランダ帝国との国境までは馬で2日、馬車で3日です。

 国境を越えるとカトランダ帝国の東町まで確か馬で2日だったと思います。」

「・・・国境から東町まで2日ですか・・・

 確か先行されている方々が東町と国境との間の村に居てくれるのですよね?」

「はい。国境を越えてすぐの村と東町ですね。

 どちらも夫婦を装っていると報告は受けています。

 問題がありますか?」

「ないですよ。

 王都守備隊は皆マイヤーさんやアンダーセンさんのように優秀なのでしょう?

 任務について何もないですが・・・

 夫婦役なんですよね?・・・・任務後に本当に夫婦になったりは?」

「・・・かなりその手の話は多いですね。

 任務を通じて結婚する隊員は多いです・・・今回はどうでしょうか・・・

 一応・・・先行している者の名簿は見てきましたが、全員独身なのですよね。

 それに男性は31歳と29歳で女性は26歳と23歳なんです・・・どう思いますか?」

「皆、適齢期ですね。」

「いや、キタミザト殿、年齢的には・・・今の世の中、男は大体25歳前後、女性は大体20歳前後までには結婚をするのが一般的なのです・・・その、行き遅れです。

 たぶんこれを機に結婚させようと考えての配置かと・・・」

「・・・誰の思惑でしょうか?」

「たぶん・・・うちの総長です。

 そう言えば総長から『4人を頼むぞ』とすっごく力強く言われましてね。

 この任務は別の側面があるようです。」

「そうなんですね。

 組織のトップ達もその辺は考えているのでしょうね。

 私も行き遅れ組ですから・・・まぁどうなることやら。」

武雄は苦笑しながら言うのだった。


------------------------

「「・・・」」

魔王国のとある薄暗い一室に2人の人間ではない者がソファに座っている。

一人は狼が2足歩行している・・・いわゆる獣人だ。もう一人は見た目は人間と変わらない。

「おめでとう、ファロン子爵。」

「あぁ。

 やっと王が我を領主と認めたな。」

ファロンと呼ばれた見た目が人間な者がぶっきら棒に呟く。

「・・・早いと思うがな。」

「そうか?居なくなったと報告して約1週間・・・遅いと思わないのか?」

「思わないな。

 一応城からの監査も受けたのだろう?」

「あぁ、次の日に来やがった。

 まぁ我が上手くやっていたからな。

 我が関与したこともわからないまま雲隠れとして終わった。」

「そうか・・・これから領内の整備だな?」

「あぁ、とりあえず兵士達をまとめないといけないが・・・どうも一部の輩が我に反抗的だ。」

「どうする?」

「今は様子見だろうな。

 そのうち排除するがな。」

「・・・急すぎる変革は内乱になるぞ?」

「変革も何も今までが異常だったのだ。

 人間風情と休戦協定を結ぶべきとの進言はさっき取り下げてきた。

 お前も同調していたろう?

 それに奴の爵位剥奪と我の委譲が終わった。

 あとは・・・奴の子飼いだけなんだがな・・・」

「休戦協定に反対する事は同調するがな。

 お前の所が内乱状態になることを望んではいない。

 だから今は自重する事を勧める。

 もちろん勝手にアズパール王国領に進軍するのも止めろ。

 戦争はお前のみでする物ではない。」

「わかっている。

 戦争は両国で事前に日時の取り決めをしてからだろう?

 そのぐらいはわかっている。

 勝手に戦端を開く事はしないさ。」

「本当にわかっているのか?

 まったく・・・とりあえず軍事行動は慎め。

 王軍が動いたら俺はお前を擁護しないからな?」

「わかっているさ。

 とりあえずは領内の整備をするさ。」

「・・・わかった。とりあえずうちの兵士は一旦、戻させてもらう。」

「あぁ、後はこっちで上手くするさ。」

「そうか。では、俺は先に領地に戻る。

 領内整備は大変だろうが、頑張れよ。」

と獣人は席を立ち退出して行った。

・・

「ふん、自分で焚き付けた癖に・・・

 まぁ良いか、奴の言い分ももっともか。

 だが・・・うるさい騎士団長をどう放逐するか・・・

 まずは騎士の爵位を剥奪してからか?理由はどうするか・・・」

ファロン子爵は考えを巡らせるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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