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第360話 25日目 朝。エイミー特別捜査官任命。武雄、研究所の資金に固まる。

部屋の扉がノックされ、アリスが「どうぞ」と返事をするとエイミー達が入って来る。

「アリス様、タケオさん。おはようございます。」

「「おはようございます!」」

アンとクリナが元気に挨拶をする。

腕の中にはそれぞれグッタリしているミアとクゥが・・・

「・・・おはようございます。

 アン殿下、クリナ殿下、こちらが私の婚約者でタケオ・キタミザトです。」

「わたしが第1皇子の長女のアンです。隣が第2皇子の次女でクリナです。

 タケオさん、よろしく!」

アンが元気に挨拶をするとクリナが会釈をする。

「タケオ・キタミザトと言います。

 タケオとお呼びください。アン殿下、クリナ殿下。」

「「はい!」」

そして2人ともチビッ子達を名残惜しそうに下ろす。

「きゅ・・・」

「主・・・戻りました・・・」

チビッ子達がかなり疲れた感じでトボトボ歩きながらタケオ達の元へ戻ってくる。

「・・・お疲れ様。」

武雄はチビッ子達に労いの言葉しかかけれなかった

アリスは「甘いものを後でいっぱいあげるから!」と心の中で叫ぶのだった。

「では、アリス様、タケオさん、私達はこれで。」

エイミー達がそそくさと退出していった。

・・

「ミア、クゥ、大丈夫ですか?」

武雄は心配そうに聞く。

「きゅ・・・」

「・・・ですね。

 主、アリス様、エイミー様が何とか和らげてはくれましたが・・・疲れました・・・」

「2人とも今日は出かける用事もないのでゆっくり寝て良いですよ。

 何か食べたい物はありますか?作りますよ?」

「今はゆっくりと寝たいです・・・」

「きゅ・・・」

チビッ子2人は自分たちのベッドに潜り込むのだった。


------------------------

「あれ?パット兄上?」

アンが挙動不審なパットを見つける。

「ん?あ、本当だ。パット!何してるの?」

エイミーは廊下の隅をコソコソ歩いているパットに声をかける。

「エイミー!?な・・・何でもない!!!」

パットは廊下の奥に走って行ってしまう。

「何を焦っているのかしら・・・何か布っぽい物を持っていたわよね?」

エイミーは不思議がる。

「エイミー、アンをありがとうね。

 アン、大人しくしていた?」

「はい、お母様。」

アンがセリーナに抱き着きながら返事をする。

ローナとセリーナは横目にパットを見ていたが気にもしていない。

なのでエイミーも気にしない事にした。

「それにしても・・・エイミー、この後はニールの部屋に行くのね?」

ローナが聞いてくる。

「はい!踏み込みます!」

「大丈夫?私達も行きましょうか?」

セリーナが心配そうに言ってくる。

「たぶんですが、子供に目撃された方が言い訳が出来ないかと思いますので私一人で行きます!

 父上を騙して申し訳ないですが・・・あの方に私達の母親になって貰うと昨日覚悟したのです。

 ですが、父上が手を出していない可能性もありますので、その際はお茶をしてきます。

 それで・・・流石にクリナにはまだ早いかと思うので、しばらく預かって頂けないでしょうか。」

「わかったわ、どうせ直ぐにわかることだしね。

 クリナ、私達とお茶をしましょうね。」

「はい。」

クリナが頷く。

「成功していた場合は、直ぐに応援をお願いするかとは思いますので、よろしくお願いします。」

エイミーはローナとセリーナに頭を下げる。

「任せて!直ぐに行くから!」

「駆けつけます。」

2人はやる気満々で答えるのだった。


------------------------

武雄が厨房で朝食を作って持ってきたのだが・・・

「フレンチトーストも良いですね~♪」

アリスは上機嫌で朝食をもりもり食べている。

これはいつも通り。

「きゅ!」

「主!美味しいです!」

疲れきっていたチビッ子達が匂いを嗅いだ瞬間に飛び起きて楽しそうにもりもり食べている。

「ミア、クゥ、疲れて寝ていたのではないのですか?」

武雄は若干呆れながら聞く。

「この匂いを嗅いで寝ているなんてあり得ません!」

「きゅ!」

ミアとクゥが満面の笑みを向けてくる。

と、部屋の扉がノックされ、アリスが「どうぞ」と返事をするとレイラが入って来る。

「アリス、タケオさん、おはよう。

 昨日はありがとうね♪」

「レイラお姉様、おはようございます。」

「レイラさん、おはようございます。

 その顔だと上手く運んだのですね?」

「ええ!ウィリアムにはバレていましたが、結果上手く行きました!

 本当にありがとう!

 あれ?もう朝食を取っているのね?」

「はい、先ほどエイミー殿下達が来ましたのでその流れで朝食に。」

アリスが説明をする。

「なるほどね。

 アリス、タケオさん、今日の予定はどうするの?」

「私は明日にでもカトランダ帝国に向かおうかと考えていますので今日は準備をします。」

「そぉ?急ね。」

「いえ。私の中では、ほぼ予定通りですよ。

 当初の目的である学院にも行き終わりましたし、このまま居心地の良い所に居ても時間だけが過ぎてしまいますので、さっさと視察に行こうかと思っています。

 他に何かやらないといけないこともなかったように思いますが?」

「わかったわ。

 でね、コレどうぞ。」

レイラが武雄に資料を渡す。

「コレは・・・文官と武官のリストですか?」

武雄は軽く中身を見ながら返答をする。

「ええ、昨日の時点でうちの分は絞ったのよ。

 名前の横の〇印はもううちで手を出しているのでダメよ?

 今日はその面接をするつもりなんだけどね。

 少し多めに採用することにしたのよ。

 で、お義父さまからタケオさんもこのリストから選んで良いと許可が出ていてね。

 持ってきましたよ。

 そうそう、タケオさんには年間金貨1750枚で研究所の運営させることが決まったから。」

「金貨1750枚!?」

アリスが驚く。

武雄に至っては固まっています。

「ええ。1小隊20名と研究員3名の人件費を各騎士団の国内平均給与に照らし合わせたらこんな事になったわ。

 えーっと・・・所長の給与100枚、小隊員の給与1100枚、研究員給与150枚、研究費と演習費が400枚が概算らしいわ。

 そして研究所を作るのなら建物が必要だろうからと初年度には金貨200枚の補助が出ます。」

「・・・破格です。」

アリスがもう呆れながら呟く。

「それだけ王都側が今回の研究所設立について王国繁栄の鍵だと思っている証拠でしょうね。

 タケオさん、国防の下支えよろしくね。」

レイラが嬉しそうに武雄に言ってくる。

「・・・はい、わかりました。

 微力ながら力を尽くします。」

武雄は回復しきっていない頭で返答をする。

「正式にはタケオさんがカトランダ帝国から帰ってきたら説明があるわ。」

「・・・はい。」

武雄は頷くしかなかった。


と、部屋の扉がノックされ、アリスが「どうぞ」と返事をするとアルマが入って来る。

「アリス、タケオさん、おはよう。

 レイラ、やっぱりここだったわね。」

「アルマお姉様、おはようございます。」

「・・・アルマさん、おはようございます。」

「ん?タケオさんが顔面蒼白ね。

 ・・・レイラ何したの?」

アルマがレイラに聞く。

「いえ・・・研究所の設立概要を言っただけですけど?」

「あぁ、いきなりあの金額を言われれば固まるか。

 まぁそれは決定事項だから落ち着いて考えて貰いましょう。

 と、レイラ、ローナお姉様とセリーナお姉様から緊急伝言よ。

 ニール兄上の寝室に集合。妃会議をするらしいわ。」

「・・・わかりました。」

レイラはアルマには見えないようにニヤリと笑う。

「じゃあ、2人ともまたね。」

レイラがアルマと部屋を出て行った。

・・

「タケオ様。」

「アリスお嬢様。」

アリスと武雄は同時に顔を見合わせる。

「凄く大事になっていますよ!?」

武雄がアリスに泣きそうになりながら聞いてくる。

「全くです!なんでこんなことに・・・」

アリスが額に手を当てながらガックリとするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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