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第356話 妃連合との密談(茶碗蒸し大作戦2。)

「さてと、タケオさん達に料理は任せましょうか。」

レイラが武雄達が出て行った扉を見ながら呟く。

「クリフに対しては私とセリーナで対応するけど。

 ウィリアムの所は?」

ローナがレイラに聞いてくる。

「今日は私の番なので。」

レイラがニヤリと笑う。

「そう、レイラにしたら良い話だったのね。

 問題は・・・ニールか。

 エイミー、ニールは好きな女性は出来たの?」

「いえ、父上からはそういった事は聞いたことがないです。」

「んー・・・困ったわね。」

ローナが悩む。

「そう言えば今回、王都に来た時に女性の兵士を帯同していたわね?

 綺麗な方だったけど・・・エイミーは知っている?」

「ん?・・・リネットでしょうか?

 私が小さい時から付いてくれている護衛兵です。

 私が実家に帰る際は迎えに来てくれる方ですね。

 あの方は代々王都の第1騎士団に所属していた武門の家系なんです。

 ただ一生懸命に仕事をされているので結婚はされていないのですよね。

 お年も25歳と妙齢ですし・・・早く結婚すれば良いのに・・・

 この間会ったら『結婚は諦めたから一生エイミー殿下に付いて行きますよ』と豪語していました。」

「その子・・・良いわね。

 エイミー達とも仲が良さそうだし。

 うん!その女性にしましょう。」

「え!?父上に相談もなく決めるのですか!?」

「あのニールに聞いても意味はないわよ!

 こういう時は運と流れが重要よ!

 それにエイミー、知らないどこぞの貴族の娘が『アナタ達の母です!』と踏ん反り返っても良いの?」

ローナが真面目な顔をして聞いてくる。

「それは・・・リネットなら気心も知れていますから子供が出来ても私達姉妹の面倒を見てくれそうですし・・・」

エイミーが「んー・・・」と悩む。

「決まりね!」

ローナが決める。

「はぁ・・・そう上手く事が運びますかね?」

セリーナがため息をつく。

「行かせるのよ。

 そのためにセリーナが言った男性陣のみにキノコを食べさせるんじゃない!」

「まぁ・・・そうですけど。」

セリーナが頷く。

「じゃあ、決まりね!

 あ、エイミー。」

「はい・・・」

「アンをお願い出来るかしら。」

「わかりました。今日は王城に泊まる予定ですから皆で寝ます。」

ローナのお願いをエイミーは快諾する。

「あ、ならアリスの所のミア殿とクゥ殿も一晩預けたら?」

「え!?」

レイラの提案にアリスが固まる。

アリス的には「王家も大変そうだなぁ」と若干、他人事のように見ていて気を抜いていた。

「何を驚いているのよ?

 そもそもタケオさんが精力キノコを買ってきたのでしょう?

 それの意図は?」

「・・・たぶん・・・私との夜を満喫する為・・・」

アリスは赤くなりながら答える。

「アリス様、ちゃんと面倒は見ますので!」

エイミーも赤くなりながら言ってくる。

「ミアちゃん、クゥちゃん、今日は別部屋でお願いして良い?」

アリスはオズオズと昼寝から起きて今は日向ぼっこをしているチビッ子達に聞く。

「ん?・・・主も若くはないですからね。どうぞどうぞ。ねぇ?クゥ。」

「きゅ・・・」

「ミアちゃん、クゥちゃんは何て?」

「他種族の交尾に興味は無いよ。主の子供は早く作るべきだと。」

ミアの言葉にアリスが固まる。

「交尾・・・随分とまぁ・・・でもそんな物か。」

ローナが苦笑をする。

「そうね、私達も馬の交尾を見てもなんとも思わないものね。」

セリーナも苦笑をする。

「睡眠の邪魔は出来るだけしないようにするから。」

「きゅ・・・」

レイラも苦笑して感想を述べ、クゥもダラッとしながら返事をするのだった。

エイミーはというと

「リネットには、ちゃんと言っておかないといけないけど・・・『父上の夜の相手をしてください』、『私のお母様になってください』、『父上を襲ってください』・・・どれが良いのだろう?」

とブツブツ言いながらどうやって説明しようか思案するのだった。


------------------------

王城内の広間にて。

「そろそろ帰って来る頃だな?」

アズパール王がソワソワし出す。

「陛下、何で陛下がソワソワするのですか?」

オルコットがため息交じりに聞いてくる。

「いや・・・タケオがどんな反応をするのかまったく見当がつかん。」

「父上?王として謁見するんですから落ち着いてください。」

クリフもため息交じりに言う。

広間の扉をノックをして王都守備隊総長が入室してくる。

「陛下、失礼します。

 キタミザト殿ご一行が戻られました。」

「うむ・・・では、アリスとタケオを呼んでくれ。」

「畏まりました。」

部屋の隅に待機していた執事が退出して行った。

「あぁ・・・大丈夫だろうか?」

アズパール王がさらにソワソワし始めるのだった。


------------------------

武雄は厨房で料理長と器を吟味していた。

「キタミザト殿、これはどうでしょうか?」

「ん~底が浅くて広いですよ。

 肉料理がメインなのに茶碗蒸しの器が大きくては意味がないのでは?」

「ですが、これだけのキノコを入れますからね・・・」

料理長は水で戻し中の精力キノコを見る。

「んー・・・肉料理に少し乗せてみたらどうです?

 ソースと一緒に軽く煮込んで。」

「それも良いですけど・・・それでも余りますからね・・・

 やはり茶碗蒸しを大きくするしかないのでは?」

「絶対見た目的に変だと思いますから、茶碗蒸しはもう少し小さいのにしましょう。

 肉料理に付けるソースにも分けて何とか量を調整するしかないでしょう。」

「・・・では肉のソースとスープにも入れますか。」

「それしかないですね。今日の夕飯はキノコづくしですね。」

「まぁ、しょうがないですかね。」

武雄と料理長が苦笑する。

と、執事が来て武雄に「キタミザト殿、陛下がお呼びです」と伝えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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