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第352話 貴族会議実施中。(タケオへの補償と研究所運営資金)

王城内の広間にて王家(3皇子)と貴族会議議員、文官幹部による会議を開催中。

「ふむ・・・良いのだな?」

「はい、陛下。

 今日の午前中にキタミザト卿と話をする機会があり、早く決めないといけないと思いました。」

クラーク議長が難しい顔をする。

「貴族会議でそう決めたのなら、何も言うまい。

 今回の慣例に対しての補償だが、タケオに対しては王家から補償金として金貨300枚、貴族会議所属の20家からの補償金として金20枚の計金貨320枚として示談を行う。

 また、それ以外の者については王家より補償金として金貨100枚、貴族会議所属の20家からの補償金として金20枚の計金貨120枚とする。

 良いな。」

「「「はい。」」」

会議に参加している全員が返事をする。

「うむ。この金はあくまで補償金として支払いを行う。

 特別会計としてするのだったな?」

「はい、陛下。その通りです。」

オルコットが返事をする。

「では、タケオ達が城に戻ったら謝罪を行うとしよう。

 クラーク、オルコット、ウィリアム、立ち会う事。」

「「「畏まりました。」」」

3人は頷く。


「オルコット、研究所設立要件は固まったか?」

「はい、陛下。

 皆さまお配りした研究所の改定設立要件をご覧ください。

 初めに王立研究所を王都守備隊の同格組織と位置付けております。

 この研究所の組織としては以下の通りになります。」

オルコットが研究所の設立要件を説明し始めるのだった。

・・

「なるほどな。

 各給与は国内平均として開発資金等々を含めて金貨1750枚か。

 初年度は研究所の新築費用で金貨200枚の補助も付けるのだな。」

アズパール王が設立要件を見ながら言う。

他の面々は難しい顔をしながら資料を見ている。

「はい。1小隊20名と開発者3名の給料が一番の重みですね。

 人件費だけで金貨1250枚程度と試算いたしました。

 ですが、国内の各騎士団員並みの給料でないと守秘義務に応えられないのではと。

 キタミザト卿の試算はあくまで警備局の兵士並みでしたので、そこは増加させました。

 まぁ実際の給料体系は各々で考えては貰います。」

「そうだな。

 給料が安すぎて研究所を辞めて機密を流出させられるわけにはいかないからな。

 それでも王都の幹部クラスよりかは低くなっているのだろ?」

「はい、あくまで国内平均から算出しました。」

「ふむ・・・研究所の運営資金としては、これで行ってみようか。」

アズパール王が裁可する。

「はい、畏まりました。」

オルコットが返事をする。

「では、次に研究所で開発された武器、防具、装備品に関しての事になります。

 まず研究所にて開発するリストを事前に王都守備隊に送ってもらいます。

 王都守備隊幹部会にて研究内容を確認し、非人道的な物でない事を確認してもらいますが、開発された物については試供品を王都守備隊に送っていただきます。

 その際には理論や作成方法、操作方法、想定販売価格等の概要書も同封してもらいます。」

「ふむ。

 タケオの素案では販売をする際に一度王都に確認するとしていたが、それはどうするのだ?」

「はい。

 それについては試供品を提供していただいてから1、2か月以内に概要書通りの性能があることを王都守備隊で検証し、検証が終わり次第、販売を許可しようかと思います。

 その際に製作販売する所と研究所にて契約をしてもらい販売価格の3割を専売局に、開発をした研究所に1割の納付をしてもらいます。

 この契約がなされたのちに販売を開始する許可を出そうと思います。

 また開発された技術の応用について契約の適用範囲内とさせてもらいます。」

「なるほどな。

 早く言えば税金として4割の納付を製作会社に求めるのか。」

「はい。

 そのぐらいにしないと研究所の資金を回収できません。

 それに研究所への報酬に関しても1割くらい特別報酬がないとやる気が継続できないと考えています。」

「うむ、そうだな。

 これもその案で行ってみよう。」

「はい、畏まりました。」

オルコットが返事をする。

「では、この研究所設立要件を本決定とする。」

「「は!」」

クラーク議長とオルコットが返事をする。

「うむ。

 これでタケオとアルダーソンに運営させよう。

 オルコット、小隊人事は王都から選ぶ際にはウィリアムが決めた後の異動可能なリストから選んで良いのだな?」

「文官、武官ともにリストから選んで頂いて構いません。

 もちろん現在の所属先から選ばれても構いません。

 あとは自力で口説かれた方が良いでしょう。」

「うむ、そうだな。

 研究者は知識が豊富な者がなるのだろうが・・・風変わりが多そうだな。

 所長の下に就くのを拒むかも知れないな。」

「陛下、何だか実感がこもっておりますが、心当たりがございますか?」

「いや王家専属魔術師に所属しているのがな・・・愛想がなかったり変に理屈っぽかったりするのでな。」

「確かに。」

「人事についても後でタケオには伝えよう。」

「はい、畏まりました。」

オルコットが頷く。

「さてと、昼もだいぶ過ぎたが・・・はぁ・・・今朝方の3家の者を発見したとの報告がないな。」

アズパール王がため息をつく。

「はい。」

クラーク議長が厳しい顔をする。


「研究所の話もして時間も稼いだが・・・警備局長、関係者発見の報は来たか?」

「いえ!未だに報告はきておりません!」

警備局長が席を立ち報告する。

「そうか・・・そろそろ決めなくてはいけないだろう。

 クラーク、良いか?」

「発生からもうすぐ半日です。

 警備局の兵士の捜索にもひっかからないのです。

 諦めるしかないと考えます。」

「・・・現時点を持ってタナー家、レルフ家、ティレット家の爵位を剥奪する。

 警備局長、3家の捜索は打ち切る。

 以後は爆発と出火の原因の特定に全力を注ぐように。」

「は!」

警備局長は返事をして席に座る。

「昨日に引き続き3家か・・・

 王都勤めが25家から一気に20家になってしまったな。

 オルコット、文官として想定を何通りかしているだろうがこれは何番目の・・・いや、やめよう。

 ・・・新貴族を選定するしかないだろう。

 オルコット、選定はどうする?」

「はい、陛下。

 今回5家が居なくなりました。ですが、研究所設立や火災の起きた家屋の立て直しに費用が掛かりますので当分は24家体制を取りたいと考えます。」

「うむ。」

「バビントン卿、アルダーソン卿、キタミザト卿は貴族に決定しております。

 ウィリプ連合国に面している貴族から1名、カトランダ帝国に面している貴族から1名、魔王国に面している貴族から2名を選定しようと考えています。」

「うむ、我に異存はないが・・・クラークはどう見る?」

「本来であれば次期王位継承を踏まえてカトランダ帝国に面している貴族から2名選定することも一つの案とは言えるのですが・・・

 魔王国に面したエルヴィス伯爵領以外の残りの2家から選定した方が後々の為になるかと考えます。」

「そうか、ニールはどう思う?」

「はい、私の隣に領地持ちの新貴族と研究所がくるのでそれだけでもありがたい事ですね。

 今の貴族会議議員の出身を見るとカトランダ帝国に面した貴族から選定された数が7家、ウィリプ連合国と面した貴族から選定された数が7家、魔王国に面した貴族から選定された数が6家です。

 丁度、その配分でバランスが取れるのではないでしょうか。」

ニールが答える。

「なるほどな、そうとも言えるな。

 クリフ、残る1家はお前が王都に引っ越した後にお前に決めさせる。」

「は!」

「どう考えるのか、見せて貰おう。」

「畏まりました。」

「うむ。では、オルコット。その通りに選定をせよ。

 また全貴族、全武官、全文官にクリフの次期王位の継承とウィリアムの公領への異動の通達しろ。

 そしてキタミザト、バビントン、アルダーソンの3名が新貴族になった事、バビントンとアルダーソンに関しては、先の会議での通り、領地持ちとその領内で研究所の所長をする事、キタミザトに関してはエルヴィス領内にて研究所の所長をする事は確定済みとする。

 以上だ。」

「「は!」」

クラーク議長とオルコットが返事をし、それに続いて貴族会議議員や文官も返事をするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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