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第34話 指輪は何に使うのか?指輪の調整と試験。

店員は嬉しそうにしている。

まぁ、不良在庫がなくなって、改造もさせてもらえる。

こんなに楽しい事はないだろうと武雄は思った。

「ちなみに昨日、メガネをいただきましたが、紙箱に指輪が一緒に入っていて・・・あれは何ですか?」

「え?あの・・・説明書をアリスお嬢様にお渡ししましたが・・・」

武雄と店員はアリスに顔を向ける。

「・・・渡すのを忘れていました。」

アリスは、ばつが悪そうに顔を伏せた。

「まぁ、説明書をいただいても、私の事だから聞きに来たでしょうし、気に病むことではないですよ。」

と武雄はアリスに言う。

「タケオ様、すみません。

 そう言ってもらえると楽になります。」

とアリスは礼をする。

「で、これはなんでしょう?」

武雄は店長に聞く。

「これは、昨日の棒と同じ魔法を発動させる媒体です。」

「ほぉ。」

「これを指にして、魔法を唱えるだけです。」

「なるほど。

 ・・・ちなみに魔法名→連続回数→大まかな目標→発動と思うと発動する。・・・とかできますか?」

「無詠唱ですね。・・・できますね。

 とりあえず、今言われた工程で発動出来るように調整します。」

と指輪を受け取りその場で何やら彫刻刀の様な物で弄くり出す。

「ちなみに、指輪で魔法を2つ、ないし3つ同時に起動させる事はできますか?」

「できますね。

 ただし、指輪だとなかなか強い物はできませんね。

 その方の魔力量に影響されますので。

 強い魔法を発動させたいならロッドの様な物に大きい宝石を付けないといけませんね。」

「先ほどの小銃でも言われていましたが、宝石は魔法に関係しているのですか?」

「ほとんどの宝石は特定の魔法を蓄積できるのです。

 で、宝石が大きければ大きい程、多く蓄積できて威力も高いのです。

 宝石同士を掛け合わせて強力な魔法を使うというのもありですね。

 ですが、結局のところ得意な系統と同じ系統の宝石を仕込んだ方が蓄積も早くできますし、威力も上がりますので、あまり宝石を掛け合わせる方はいませんね。」

「なるほど。」

「何か思い付いたのですか?」

アリスは質問をしてくる。

「いや、火と水を同時に発動したらお湯になるのかな?

 と思っただけです。」

武雄は笑って答える。

「それは何か意味があるのですか?」

とアリスは「なぜそんなことに魔法を?」と聞いてくる。

「・・・アリスお嬢様、目を閉じて思い浮かべてください。

 そこは自分たち以外は誰もいない小高い丘の上です。

 自分の住む街の全貌が見れ、山や平原との調和が素晴らしくまさに絶景と言える光景が広がっています。自分達の周りには、ただただのんびりとした空気が漂っています。

 そして、そこには温かいお湯で満たされ」

ハッとアリスは目を開け、武雄を見る。

「タケオ様!」

「なんでしょう?」

「私が費用を出しますから複数の同時魔法が使える指輪を作りましょう!!」

武雄と店員は苦笑するのだった。


しばらくして、店員は襟章の見積もりと残りのメガネと指輪を2個持ってきた。

「こちらが注文されていたメガネです。

 あと、所属章と階級章の見積もりです。」

「ありがとうございます。

 襟章の発注はエルヴィス家から来ます。」

「わかりました。明日こられるまでにサンプルを用意します。

 あと、こちらが指輪になります。

 どの指でも構いません。」

と武雄は左手の人差し指と中指にした。

「では、最終調整をしましょうか・・・

 左手に集中してルクス・1・手の平と思って発動と考えてください。」

武雄は言われた様に考え、発動と思う。

と左手の手の平が光りだす。

「おぉぉ。」

武雄は感嘆する。

店員は頷き、空の桶を持ってくる。

「では、次は同時魔法をしましょう。

 アクア・1・ファイア・1・手の平で。」

桶の上に左手をかざして、言われた様に考え、発動と思う。

と手からお湯が出てくる。

「おぉぉ。」

武雄は声を上げる。

マグカップ2個分出したら止まった。

「こちらも問題無さそうですね。」

店員はそう言いながら頷く。

「ええ、違和感も気怠さもないです。」

と武雄は言う。


「他に入り用な物はありますか?」

「そうですね・・・小さいナイフか剣があれば。

 使い勝手が良くて携帯が楽なのはないですか?」

店員は3種類をだしてくる。

1つは、両刃の小剣。刃渡り20cm。

1つは、片刃のサバイバルナイフっぽい小刀。刃渡り20cm。

1つは、折り畳み式の片刃ナイフ。刃渡り15cm。

・・・わからない・・・武雄は悩む。

「アリスお嬢様、どれがいいのでしょう?」

「タケオ様はどう思いますか?」

「いや・・・まったくわからないのです。」

「そうですね・・・どれも同じですね。」

「・・・じゃあ、勘で、これを。」

武雄は片刃のサバイバルナイフを手にする。

「これのケースはありますか?」

「お付けします。」

「おいくらですか?」

「指輪の改造とナイフのセットで銀貨3枚です。」

武雄は店員に支払いをする。

「今日はこれで・・・あ、その小銃を1個と弾丸50個をエルヴィス邸に届けてくれますか?」

「わかりました。」

「では、今日はこの辺で。」

武雄とアリスは席を立って店を出るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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