第333話 酒を飲みながら
皆でタケオ達がお土産で持ってきたウィスキーを出して飲んでいる。
ジェシー達にしたように4種類を作りウィリアム達に飲んでもらいその内1種類を作ってマッタリとしている。
クゥがストレート。
ウィリアムはロック。
アルマと武雄は水割り。
レイラとアリスとミアはオレンジジュース割りにした。
スルメはお湯につけて若干固さを取って皆で食べている。
味はマヨネーズ+魚醤です。
「へぇ、美味しいわね。」
アルマが楽しそうにグラスの酒を飲んでいる。
「うん、ブランデーとは違ってこれは夕飯と一緒に飲めるかもしれないね。」
「私達が居る時に出してくれても良かったのよ?」
「レイラお姉様達が帰った2日後に来たのです。
ジェシーお姉様達も来ていましたので皆で飲みました。」
「あら?ジェシーお姉様が来ていたの?元気だった?」
「相変わらずでした。」
「そっかぁ。異動すれば近くになるから今よりかは頻繁に会えそうね。」
「そうですねぇ。」
「そうだ、タケオさん。
食事前にも一言言いましたが改めて。
この度は王都での不祥事、大変申し訳ありませんでした。」
ウィリアムがそう言い頭を下げる。アルマ、レイラもウィリアムの言葉に続けて頭を下げる。
「いえいえ。会議を隣で聞いていましたが、王都ではあの手の慣例はないのですね?」
「はい。
今後同様のことがあれば父上も言っていましたが厳罰に処します。
タケオさんも迎撃して構いません。
タケオさんや今まで慣例を受けていた者には補償をさせていただきます。」
「わかりました。
とりあえず昨日の実行犯は処罰されていましたが、他はどうするのですか?」
「そうですね。現在調査中ですが・・・
背後関係を洗い出して処罰する方向に向かっています。
そして警備局と軍務局はシステムを変えて対処していきます。
ただし他の貴族の当主達には処罰された事は通達されるでしょうが、国民にはこの件は公表はされません。
申し訳ありませんが、その辺はタケオさんに飲んで頂きます。」
「わかりました。
まぁ王都の恥でしょうからね。今後同様な事がなければ良いです。」
「タケオさん、すみません。」
ウィリアムが難しい顔をして頭を下げる。
「いえいえ、もう謝罪は結構です。
私は今後同様な事がなければ良いと考えています。
今回の件については、王都の判断を尊重したいとは考えてはいます。」
「タケオさん、ありがとうございます。」
ウィリアムが苦笑する。
・・
・
「そう言えばタケオさんはパットと慣例の判決しか聞かなかったとレイラから聞きましたが?」
ウィリアムが聞いてくる。
「ええ、その部分のみ聞ければ後は聞かない方が良いかと思って、この調味料を製作していましたよ。」
「タケオさん的には自身の事より調味料の方が優先なのですね。」
アルマが呟く。
「美味しい物は食べたいでしょう?」
「はぁ・・・結果的にタケオさんの判断は正しかったわ。
あの後の議論は聞いていても為にならなかったもの。」
レイラが苦笑する。
「そうなのですか?」
「ええ。
端的に言うとね。
タケオさんの今回の処遇をどうするか?という事なのだけど。
王家も文官もタケオさんに金銭補償をして終わらせたい意向なの。」
「まぁ、それが手っ取り早いですよね。
私が土地が欲しいとかいろいろ言う前に決めたいのでしょうね。」
武雄が普通に返す。
「あぁ、タケオさんは流石にわかっているわね。
でね、金額はまだ教えられないけど・・・
貴族としての報酬で払うか研究所所長の経費として払うかで議論したのよ。」
「・・・面倒ですね。」
「ええ、文官としては貴族の報酬として払うと他の貴族がうるさいので経費で。
王家としてはタケオさんへの個人補償なのだから経費としてしまうと使い方が自由でなくなるから報酬で。
そんな議論だったわ。正直、私はどっちでも良いと呆れたわ。
結局のところタケオさんの手元に入るお金は変わらないしね。
研究所所長には研究資金管理と報告義務はあるけど。
タケオさんなら全部研究に使いそうだから大して問題はないと思うのよね。」
「レイラ、あの会議を端的に言ってくれてありがとう。
王家として補償金はタケオさんに自由に使って欲しいから報告義務がない方にしたいんだよ。」
「それは私もそう思うのですけどね。
いかんせん、あの会議に意味があったのか・・・」
レイラがため息をつく。
「タケオさん、なので具体的な補償内容はもう少し待ってください。」
「はい、わかりました。」
武雄は頷く。
「そうそう、魔法師専門学院と寄宿舎は明日の午前中から訪問して良いと返事が来たわよ。」
「わかりました。
タケオ様、どうします?」
「私はいつでも平気ですよ。
明日の朝食を取ってから訪問しましょうか。」
「そうですね。
レイラお姉様、私達は明日の午前中に両方を見てきます。」
「わかったわ。
ちょっと私が午前は動けないから誰か迎えに行かせます。」
「部屋で待って居れば良いのですね?」
「そうね、そうして貰える?」
「「わかりました。」」
武雄とアリスは頷くのだった。
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