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第318話 武官と文官のトップを決めよう。

「さて、調査結果は後々わかるので遠くに棚上げです。

 今は僕達の緊急課題である武官と文官の随行者の選び方と住む街の決め方を考えたいと思います。」

「「はい。」」

アルマとレイラが返事をする。

武雄達が王都に着くのを待っている間に武官のまでレイラ達の元に来ていた。

「「・・・」」

武雄とアリスは黙って聞いている。

「えーっと・・・アリス?タケオさん?何か言いたいことはありますか?」

レイラが2人に聞いてくる。

「レイラお姉様、素朴な疑問なのですけど良いですか?」

「ええ。」

「好きに選べば良いのでは?」

「う・・・アリスの言う通りなのですけどね・・・

 今手元には武官、文官共に60名程度まで絞ったリストと履歴書があります。

 これでもこの1週間で3割程度にまで絞り込んだのですよ・・・」

アルマがガックリとしている。

「そして武官、文官共に誰もが騎士団長や局長を担える人材なのです。

 ですので・・・全員が優秀なんですよ。

 ここからさらに絞り込むのに苦労していてね。」

ウィリアムが苦笑する。

「はぁ・・・タケオ様、どう思いますか?」

「・・・私は人事をしたことがないのでわかりませんが・・・

 優秀ならば、あとはウィリアムさん達の気に入った方で良いのではないですか?」

「んー・・・うちの領地運営に関わる人を気に入った気に入らないで決めて良いのですかね?」

レイラが悩む。

「全員優秀なのであれば任命されれば上手くするのではないですか?

 それに・・・トップを決めてしまえばあとはその人に丸投げでも良いのではないですか?」

「「「え!?」」」

3人が驚く。

「何を驚くのです?

 何でもかんでもウィリアムさん達3人で決める必要もないでしょう?

 誰か協力者を作ってその者に任せてしまえば良いのでは?

 私はとりあえず武官のトップと文官のトップを決めてその者と3人とで話し合って決めた方が良いと思います。

 で、その者が選んだ者を3人で吟味して追加人員を決めれば良いのではないでしょうか。

 そのぐらいの考えはウィリアムさん達も考えたのではないですか?」

「う・・・それはその通りなんですけど・・・私達の領地だし、出来れば自分達で決めたいなぁ・・・て。」

レイラが苦笑する。

「はぁ・・・舞い上がっていますね。

 まぁ気持ちはわかります。

 そうですよね、なんでも決めたいですよね。

 ・・・でも初めての組織を作るのですからどちらかと言えば、各部局のトップに就任する人がやりやすい人事にするべきだと思います。

 武官のトップと文官のトップにしたい人選はどれですか?」

「はぁ・・・タケオさんの言う通りだね。

 僕たちは舞い上がっているね。

 ・・・アルマ、レイラ、アリスは文官の選定をしてくれるかな?

 僕はタケオさんと武官の選定をするよ。」

ウィリアムがリストと履歴書の束を持って立ち上がると。

「アリス、僕の机で2人と話してください。」

「え!?よろしいのですか・・・その皇子の椅子に腰をかけても・・・」

「タダの椅子です。僕はソファでタケオさんと打ち合わせをしますから。」

「・・・わかりました。」

アリスはソファを立つとウィリアムの席に移動する。

「うぅ・・・緊張します。」

と座ってみて緊張を露わにさせるのだった。


「さてと。タケオさん、これが武官達のリストと履歴書です。」

ウィリアムが武雄の前に腰を下ろしリストと履歴書の束を武雄に渡す。

「見ても良いのでしょうか?」

「ええ、その為に渡しました。」

武雄は履歴書を1枚1枚捲って見ていたが、10枚程度見ると閉じてしまう。

「え?タケオさん、どうしましたか?」

「ウィリアムさん、メモ帳か落書き用のノートとペンはありますか?」

「はい・・・コレです。」

ウィリアムは近くの机からノートを持ってくる。

と、武雄は履歴書を1枚1枚捲りながらナンバリングをし、何やらノートに書き始める。

ウィリアムは慌てて自分の机からメガネを持ってきて武雄が何を書いているのか見る。

・・

「んー・・・こんな物ですか。」

武雄はノートを見ながら思案する。

「タケオさん、これは何の表ですか?30や35、40と書いて横に線を書いて上下に数字を書いて、履歴書にも数字をふっていましたが。」

「人材の年齢分布です。」

「年齢?」

「ええ。どんな年齢の人が随行可能と言っているのかまとめてみたのですけど。

 割と40歳前後が多いですね。

 ちなみにウィリアムさん、武官の随行がこの年齢という事は騎士団員や兵士は現地採用ですか?」

「はい。武官も文官も大半は現地で今働いている人達をそのまま採用します。

 私達が選ぶのは幹部達です。

 武官で言えば騎士団長、副騎士団長と騎士団の小隊長、兵士長と兵士の小隊長くらいですね。

 それに魔王国に面している3伯爵からも数名の小隊長を入れて貰う運びとなるかと考えています。」

「ウィリアムさんの所の兵士の数はどのくらいにする予定なのですか?」

「騎士団150名、兵士700名、計850名程度ですね。

 戦争に参加するのは騎士団150名、兵士350名の500名でしょうか。

 と言っても現在の町には兵士が200名いるかいないかなので、他の人員はこれから採用になるはずです。

 騎士団の3割は、第1、第2騎士団の若手を連れて行く計画らしいです。」

「そうですか。」

「まぁ、この兵士達は戦争には参加しますが、主な目的は専売局の警備の意味合いが強いですね。」

「専売局?」

「塩とか鉄とか・・・国の管理のもとに流通させている物の工場が公領には建設されます。

 なので、その工場の警備が主な仕事なのです。

 まぁ村や町の警邏もしますね。

 あれ?タケオさん、知りませんでしたか?」

「ええ、知りませんでした。

 そうですか、専売公・・・局があるのですね。

 なるほどね。」

武雄は頷く。

「で、タケオさん、騎士団のトップは誰が良いでしょうかね?」

「わかりません。

 ウィリアムさん、歳はいくつでしたか?」

「30です。」

「んー・・・ウィリアムさんは年配の騎士団長と年が近い騎士団長・・・どっちが良いですか?」

「そうですね・・・年が近い方が物が言いやすいかもしれませんよね。

 35歳程度までにしてみますか。」

「そうですか。」

武雄は36歳以上に線を引く。

「年下の騎士団長はどうですか?」

「んー・・・扱いやすくはあるのでしょうが・・・

 たぶん最初の数年は大変ですから、自身の判断である程度動けるくらいは経験が欲しいですよね。

僕的には少し上くらいが良いですね。」

「なるほど。」

武雄は31歳以下に線を引く。

「えーっと・・・8名になりますね。」

残りの人数を武雄は数える。

「え?少ないですね。」

ウィリアムが驚く。

「一番多い年齢層を避けましたからね。

 何名くらいの採用を予定しているのですか?」

「王城からは騎士団長と副騎士団長と小隊長で7名、兵士長と小隊長で13名の計20名、現地の兵士長は副兵士長に小隊長達は据え置き、後の小隊長は3伯爵から・・・と。」

「なるほど・・・では、ここから2名を選んで騎士団長と兵士長を選びましょうか。」

「はい、わかりました。」

武雄とウィリアムは武官トップの検討を始めるのだった。

・・

武雄とウィリアムが騎士団トップと兵士長のトップを決め終わってからアリス達の文官のトップを決める話に加わっている。

「んー・・・私達でこの3人までは絞り込めましたが・・・」

アルマが腕を組ながら言う。

「ウィリアムはどう思いますか?」

レイラがウィリアムに聞いてくる。

「そうだねぇ。

 経歴的には、この人とこの人に総監局と総務局の局長に成ってもらって。

 あと1人は・・・専売局の局長が良いかもしれませんね。

 タケオさんは、どう思いますか?」

ウィリアムが経歴書を見ながら決める。

「それで宜しいかと思います。

 あとの空白の局長は、その3人に履歴書を見てもらって決めてもらうという方針で。」

武雄の言葉に皆も頷く。

「じゃあ、あとで決めた文官、武官達を呼んで任せちゃいましょう。」

アルマが嬉しそうに言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 『武雄達が王都に着くのを待っている間に武官のまでレイラ達の元に来ていた。』 の部分で、 武官のまで と言う箇所に言葉が抜け落ちているのではないかと思いますがいかがでしょうか
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