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第311話 最終局面。・・・え?アランさん?

第2騎士団長は後方の椅子に座って悩んでいた。

「・・・本当に鮮紅達が疲れているのか?

 だが・・・ブラフかもしれない。

 現状はうちが押している・・・再開してからずっとだ・・・

 なら、本当に?・・・いやいや・・・だが・・・」

堂々巡りをしていた。

ふと前を見ると後方と前線の間に移動が可能な空間が出来ている。

「やるなら今か?・・・今なら移動がスムーズに行えるか?

 もうこの戦闘は陛下も見ているだろう・・・

 副団長も開始早々に言っていたが、鮮紅だろうが何だろうが王都の第2騎士団がたった2名に蹂躙されたなどあってはならない。」

第2騎士団長は決断を下す。

「伝令!」

「は!」

「第1と第2小隊を両脇に集めよ。

 勝利を確実にする。」

「は!」

伝令が走っていく。

「さぁ勝利を拾おうぞ!」

第2騎士団長が椅子から立ち上がる。


------------------------

「タケオ様、まだですか!?」

「まだですね。」

「主、飽きました。」

「きゅ~。」

アリスの呼びかけに武雄は前面の兵士を見ながら答える。

さらにはチビッ子達が飽き始めている。

「はぁ・・・もう・・・ミアとクゥは、もう少し緊張感を持ってね。」

と、アリスが前面を薙ぎ払ったので、武雄が間をおかずにシールド×5枚ずつ横7列を発動をして薙ぎ払った兵士の後ろの兵士達を押し留める。

と、アリスと武雄は攻撃した位置から少し下がった位置に陣取る。

さっきからこれの繰り返し。

少しずつ下がっているのだが・・・

「んしょ。」

アリスが今度は左側を薙ぎ払い、武雄がシールド×5枚ずつ横7列を薙ぎ払った兵士の前に発動する。

「これはいつまでですか?

 本当に隙が出来るのでしょうか?」

「さぁ?相手の騎士団長が勝気になってくれないとねぇ・・・

 ん?前面にくる兵士が変わらなくなってきた?いや少なくなった?・・・ミア。」

「はい。」

「どこかに兵士が固まっていませんか?」

「左右の端に多く居そうですよ。ねぇクゥ?」

「きゅ!」

「そうですか・・・

 じゃあ、そろそろ終了です。

 アリスお嬢様、右を薙ぎ払ってください。」

「はいはい。」

アリスは武雄が言った通りに右側を薙ぎ払い、武雄がシールド×5枚ずつ横7列を薙ぎ払った兵士の前に発動する。

「ミア、クゥ、私達は中央を突貫して相手の騎士団長に肉薄します。

 振り落とされないようにしなさい。」

「はい!」

「きゅ!」

「では、反撃を開始しますよ?」

「わかりました、タケオ様!」

「じゃ、突撃!」

武雄達が突進を始めるのだった。


------------------------

「あ~ぁ・・・兵士を両脇に集めちゃって・・・

 タケオさんの思惑通りに進んでいるわ。」

レイラがため息をつく。

「いやいや、レイラ。第2騎士団長も苦渋の決断だったんじゃないのかい?

 誰でも勝ちたい物だよ。」

「まったく・・・タケオはアリスを良くここまで我慢させたな。

 25mか30mは下がったぞ?」

アズパール王が呆れる。

「あ、アリス達が突貫しましたね。」

「だね。アリスが横に薙ぎ払うのではなくて縦に薙ぎ払い始めたね。

 アリスが薙ぎ払ってすぐさまタケオさんが前に出て兵士が詰めれないようにして、さらにアリスが薙ぎ払って・・・

 あぁ・・・もうタケオさん達の勝利が確定だね。」

ウィリアムが苦笑する。

「さてと。

 第一近衛分隊、第三魔法分隊、行くぞ!」

「「は!」」

アズパール王を先頭に王都守備隊が動き出すのだった。


------------------------

「タケオ様!あと2列!」

「はいはい、焦らない!確実に!」

「はい!」

アリスが前面を薙ぎ払い、間髪入れずに武雄がシールド×2枚ずつ横17列を周囲に展開。

一瞬・・・でも貴重な間を兵士との間に作りだし、アリスが体勢を整えるのを手助けする。

さらにアリスが薙ぎ払う瞬間に武雄はシールドを解除、兵士が薙ぎ払われる。

と、武雄はアリスの横を飛び出し第2騎士団長に右から剣を振りかぶる。

アリスは一歩出遅れるが、俊足で第2騎士団長に左から剣を振りかぶる。

第2騎士団長は苦渋の顔をさらけ出すのだった。


「双方止めよ!!!」

男性の声がその場に響き渡る。

アリスはピタリと第2騎士団長の右わき腹で剣を止める。

武雄は・・・めり込んでいます・・・。

武雄は心の中で「止められませんでした・・・すみません」と謝るのだった。


「「双方止めよ!剣を引け!」」

武雄達と第2騎士団との間を王都守備隊が男性の言葉を復唱しながら走り込み、壁を作る。

アリスと武雄も納刀をする。

「はぁ・・・双方止めよ。」

声の主がアリスと武雄、第2騎士団長に近づいてくる。

その一歩後ろをマイヤーと門前であったアンダーセンが付いてくる。

「え?アランさん?」

アズパール王は武雄の呟きに微笑を向けてさらに近づいてくる。

「ぐっ・・・陛下・・・」

第2騎士団長がわき腹を押さえながらしゃがみ込んで最敬礼をする。

「え?」

武雄は驚く。「今・・・なんて言いました?」

「アリス、とりあえず剣を引け。この場は預かる。」

「は!陛下!」

アリスもしゃがみ込み最敬礼をする。

「はっ!?」

アリスの言葉で武雄は気が遠くなりそうだった。

「え?・・・あの・・・え?・・・」

「あぁ・・・そのな・・・

 タケオ、我がこの国の王なんだ。」

「えええええええええええ!!!!!!!」

この戦闘は武雄の絶叫で終わるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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