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第307話 会議中断・・・回復戦法やってみる?。ウィリアムは武雄と合流。

「はぁ・・・

 ウィリアム、タケオを保護しに行ってくれ。

 ついでにレイラを止めてこい。」

「わかりました、父上。

 タケオさんの武器はどうします?」

「タケオは書類上、現時点で男爵だ。

 帯剣は許可されるだろう。

 保管庫から持って行って構わない。

 オルコット、どうだ?」

「陛下の仰る通りです。

 現時点でキタミザト殿は男爵に書類上なっています。

 問題ありません。」

オルコットが返答する。

「クラーク。」

「貴族会議も問題ありません。」

クラーク議長が返答する。

「わかりました。

 執事、タケオさんは第4執事待機室なのだな?」

「はい。

 ただ出血はもう止まっておいでですし、何か支障があるようには見受けられませんでしたが、何か軽く食べる物を持って行かれた方が良いかと考えます。」

「うん、そうだね。

 軽く腹に溜まるリンゴでもとりあえず持って行こう。

 では、私はこれで。」

ウィリアムは皆に軽く礼をして報告に来た者とは別の執事と共に広間を退出していった。


ウィリアムと入れ替わる形でノックをして王都守備隊総長が入室してくる。

「陛下、部下の配置を指揮しており遅れました。」

「うむ、構わん。

 どう配置した?」

「妃方の部屋周辺に第二近衛分隊と第二魔法分隊が。

 この広間周辺に第一近衛分隊、第一と第三魔法分隊が警備に入りました。

 まぁ、今回はアリス殿とレイラ殿下ですのでこちらには来ないだろうとは思います。」

「ふむ、結局アリス達はどこに向かったのだ?」

「第2騎士団と兵舎で交戦中です。」

「・・・ヤツら本当にアリス達と戦うのが好きだな。」

「ん?どういうことでしょうか?」

「なに、王城の門でタケオに難癖をつけて秒殺されたそうだ。」

「あぁ、なるほど。確かにそうとも言えますね。

 キタミザト殿の王城の門での件は第三魔法分隊長が報告をして来ましたので知っています。

 まぁこの間の戦闘経緯を知っている者で信じている者は手を出さないと思っていましたが。

 第2騎士団は今も疑っていましたからね。

 馬鹿な奴らです。あのエルヴィス家が戦闘報告において虚偽をするわけないのに。」

「随分、買っているな。」

「買っている買っていないではなく、あの戦闘で虚偽をしてエルヴィス家に何か利があるのですか?

 そもそも誇大な報告を1度も上げて来ない家で、ただ淡々と経過が書いてある報告書を送って来るのです。

 それがここに来て誇大な報告書を上げるとは思えませんね。

 これは過去からの信頼の積み重ねでしょう。」

「まぁ・・・そういう事だな。」

王都守備隊総長の言葉にアズパール王は苦笑する。

「さて、王都守備隊総長も来たことだし・・・

 すまないがもう一度説明してくれ。」

「畏まりました。

 そもそも王城の受付でキタミザト殿、アリス殿が受付をされた際に問題が発生しています。

 アリス殿の言を借りると剣を受付で預けてエイミー殿下を待っている間に他の者が近寄り、初めて来た方の従者は別室待機と言ってキタミザト殿を連れて行ったとの事です。

 王家ご一家と歓談されていたアリス殿とレイラ殿下がキタミザト殿を探しに行かれ、妖精ミア様の探知の協力も得て第4執事待機室に入った際にキタミザト殿は椅子に座っており、意識がありませんでした。

 また左腕や肩の周りは斬られたことによる血でシャツが赤く染まっておいででした。

 傷自体もぱっと見た感じでは無くなっておいででしたが、衣服の斬られ方を見るに十数回は受けたものと考察できます。

 で、その後キタミザト殿が起きられましたので私は一旦、部屋外にて待機いたしました。

 漏れ聞こえた所、レイラ殿下がキタミザト様に『誰にやられた?』と聞いた所、アリス殿が『城門前で立ち塞がったのが第2騎士団だった』と伝え、『王家の者の行く手を阻んだ?・・・殴り込みに行こう』という感じで颯爽とお2人は退出していきました。

 で、私が部屋内に入るとキタミザト殿が『困ったなぁ』と呟いておいででしたので、相談に乗りました。

 以上です。」

「ふむ・・第2騎士団は自業自得なので同情はしないとするか。

 まぁアリスもレイラも死者が出るようなことはしないだろう。

 タケオ側の経緯もウィリアムが聞くだろうし・・・詳しい経緯は後ほどか・・・

 ・・・王都守備隊総長。」

「は!」

「エルヴィス家の兵士長が考案した回復戦法・・・試せるか?」

「え?・・・可能です。」

王都守備隊総長はいきなりの提案に驚く。

「そうか。

 今はアリスとレイラの気がすむまで戦わせる方が良いだろう。

 第三魔法分隊を使って第2騎士団へ回復戦法の試験をやってみろ。

 ただし戦闘自体には関わらせるな。

 アリスに矛を向けたなら王都守備隊が矢面に立つ可能性もある。

 あくまで回復のみだ。

 それにこの戦法が上手く行くなら王都の全部隊の戦術の練り直しになる。

 良し悪しの評価も出すように。」

「「は!」」

王都守備隊総長とオルコットが返事をする。

「あと妃達をこの場に移動させよ。

 第二近衛分隊、第二魔法分隊をこちらの警護に回して厚くするように。」

「は!」

「では、それでいこう。

 その後、先ほどのタケオの件を皆で精査する。」

「「は!」」

王都守備隊総長と第一近衛分隊長が返事をする。


------------------------

「タケオさん、生きています?」

ノックをして第4執事待機室にウィリアムが執事と共に入って来る。

「のんびりと生きていますよ~

 ウィリアムさん、お久しぶりです。」

「ええ、タケオさんも・・・元気そうですね。

 それにしても随分派手にやられていますね。」

武雄のYシャツのズタズタ加減と血が染み込んで赤くなっているのを見てウィリアムが感想を言う。

「あぁ・・・これですね・・・

 一応、剣撃を受けた後に表面の傷以外はすぐに回復させたので、支障はないですね。

 でもシャツに血が染み込んでしまって・・・

 まぁここまでズタズタだと仕立て直さないといけないでしょうね。」

「あとで買いに行きますか?」

「一応、予備に1着ありますから後でそれを着ますけど・・・買いに行きましょうかね。」

武雄が「んー」と悩みながら言う。

「そうそう、タケオさんは武器の所持が許可されました。

 持ってきましたよ。」

ウィリアムの言葉に執事が机に武器を置く。

「わざわざすみません。」

「簡単で良いのでタケオさん側の経過を教えてください。

 何があったのですか?」

「着替えながら話しますね。」

と、武雄は脱いでいた上着とコートと装備を付けながら先ほどまでの自身の経過を話すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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