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第299話 熱烈歓迎!

軽くカフェでお茶をしたのち、武雄達一行は王城の門に着いたのだが・・・

「ふはは!!よくぞ来た鮮紅アリスよ!!

 そして鮮紅を騙し!鮮紅の婚約者になったキタミザト!」

門前のお立ち台の上の子供から熱烈に歓迎されていた。

武雄とアリスとマイヤーは苦笑しかできず、エイミーに至っては「すみません!すみません!」と武雄に頭を下げている。

「・・・パットぉぉぉ!あなたは!何をしているの!」

頭を下げていたエイミーが顔を上げ大声で子供に向かって怒鳴る。

「エイミーか!●乳の癖にご苦労!」

「貧・・・・」

エイミーは横の武雄達を見る。


「あ、マイヤーさん。あの運動場は、凄く整備されているのですね?」

「わかりますか?王城で一番なのですよ、アハハ。」

大人の男性陣2人は聞かなかった事にして明後日の方向を向いて話していた。

エイミーは思う。「・・・タケオさん、第一近衛分隊長、運動場はそっちではないです・・・」

エイミーは、武雄達の優しさに泣きそうになる。


「・・・うるさい!さっさと道を開けなさい!」

「うるさい!お前には用はない!

 おい!キタミザト!我らの鮮紅を娶ろうとは不届き千万!

 しかし、我も心は広い。お前にもチャンスをやろう!

 この2人を倒せたのなら鮮紅との婚約を認めてやらんでもないぞ!」

と、言われて軽装の兵士が前に出てくる。

「・・・私をご指名ですかぁ・・・

 そもそも何でこんな・・・まぁ良いか。」

武雄は振り返りながらため息をつく。

「で?マイヤーさん。

 あの2人は知っていますか?」

「ええ、知っています。

 あれは」

「この2人こそ!昨年の御前競技会の優勝者と準優勝者!

 2人合わせれば鮮紅にも匹敵すると言われている!

 この2人を相手して貰おう!

 さぁ!怖気づいたか!アハハ!!」

マイヤーが説明する前にパットが説明する。

「なのですか?」

武雄が指を指しながらマイヤーに聞く。

「ええ。

 優勝者と準優勝者なのは事実です。

 他は知りませんが・・・

 キタミザト殿、どうします?」

「はぁ・・・戦うしかないのでしょうね。

 ちなみにさっき戦ったのが王者なのでは?」

「あっちは民間の王者で、こっちは第1騎士団、第2騎士団、兵士の競技会の優勝者ですね。」

「あぁ・・・そうなのですか。

 で、あの2人は仕事中なのでしょうか?」

「ええ、残念ながら。

 ・・・これも仕事でしょうねぇ。」

「じゃあ、遠慮はあんまりしなくても?」

「命は取らないでください。」

「んー・・・

 2人合わせてアリスお嬢様に匹敵するんですよね?

 こちらも本気にならないと負けてしまいますよ。

 痛いのは、されるのもするのも嫌ですけど、選べるならされる前にしますよ?」

「それが正常な感覚でしょう。

 それに・・・ん?」

いつの間にか遠巻きに兵士達に囲まれていた。

マイヤーは周りで見ていた中に知り合いがいたみたいで手招きして呼ぶ。

すると、囲みの中から一人、武雄達の方にやってくる。

「第一近衛分隊長殿、お疲れ様です。」

「第三魔法分隊長殿、お疲れ様です。見廻りですか?」

「ええ。

 第一近衛分隊長殿が居るということは、この方々が?」

「あ、そうですね。

 キタミザト殿、アリス殿、これは王都守備隊で第三魔法分隊長をしているアンダーセンです。

 こちらがキタミザト殿とアリス殿だ。」

マイヤーが3人に軽く紹介をする。

「「「はじめまして。」」」

「で、第一近衛分隊長殿、これはどういう状況なのです?」

「あ~・・・そうですね・・・」

マイヤーは説明に苦慮する。

・・・次期アズパール王の息子が訳がわからん行動をしている・・・とは言えない。

「やい!キタミザト!さっさと前に来い!

 我の許可なく勝手に鮮紅と婚約したことを後悔させてやろう!

 お前が不様に負ける様を鮮紅に見せ、鮮紅の方から婚約破棄をさせようぞ!」

「あぁ・・・第一近衛分隊長殿、わかりましたから説明不要です。」

「すまない。」

マイヤーとアンダーセンは苦笑する。

「パット!さっさとどきなさい!」

「うるさいぞ!貧●!!」

「●乳言うな!バ●パットが!」

「年上に向かって●カとはなんだ!●乳!!」

「黙れ!●カ息子!」

・・

壮絶な・・・低レベルな罵り合いをしている2人を他所に。

「あの・・・魔法分隊の隊長さん。」

「はい、何でしょう?」

武雄の問いかけにアンダーセンは朗らかに答える。

「アナタの部下を少しお借りすることはできますか?」

「ん~・・・参戦は・・・」

「あ、違います。

 参戦はしなくて良いのですが、ケアが出来る部下を待機させて貰えますか?」

「それは構いません。

 エイミー殿もいらっしゃいますのでその警護と言えばいくらでも事後処理できます。

 で、何をなさるので?」

本日の王都守備隊の朝礼で武雄の前では王家の者には「殿」付けと命令があったので、第三魔法分隊長もエイミーの事を「殿」付けで呼んでいた。

「戦ってきます。

 ですが、あの2人はアリスお嬢様に匹敵するらしいので、こちらも本気で戦います。

 ですので大きい怪我があるはずです。」

「アリス殿と匹敵するとは、初めて聞きましたが・・・

 わかりました、救護班ですね。

 即動ける様に準備させましょう。」

「ありがとうございます。

 ・・・この罵り合いは、もうしばらくかかりますかね?」

「ええ、あと少しかかりそうですね。

 2人とも引く気が無いようですし。」

マイヤーが苦笑する。

「わかりました。

 私はその間に自身を落ち着かせますので、終わったら声をかけてください。」

「はい。」

武雄はその場で座り、目を閉じて黙想を始めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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